自信をつける方法~幼児編~

子供に自信をつけさせたい。保護者や教育者、支援者は皆願います。

そのために何をすれば良いか、悩まれる人は多いと思います。

何で自信がつくかは、子供によって、年齢によって違ってきますが、幼児~小学校低学年の間に限っては、一つだけ共通したものがあります。

それがコマ無し自転車に乗れることです。

先日、年少の生徒(4月から年中)がコマ無し自転車に乗れるようになったので、乗れるまでの過程をお話ししたいと思います。

自信がつくまでの行程

Aちゃんに自信をつけたいという保護者の願いがあったので、何で自信をつけるかという話をしました。

そこで、コマ無し自転車に乗れるようになるのを目標にしてみてはどうかと提案。

年少なのでまだ難しいという思いが保護者にはありましたが、スモールステップで指導すれば絶対乗れるようになるという自信が私にはあったので、チャレンジすることになりました。

先の事を見据えた指導

自転車に乗れるようになることは大切ですが、Aちゃんにはその先のことを見据えた指導と目標が重要と考えました。

というのも、Aちゃんは色々なことにチャレンジするタイプではなく、「私は無理~」とすぐに諦めてしまうタイプだったからです。

自信をつけることがこの子にはなによりも必要。でも、生半可は成功体験では自信がつきにくい。

自信をつけるには、苦労する体験と努力する体験をした上で、成功体験を積むという過程が必要。

そういう意味では、コマ無し自転車の練習はうってつけです。

自分の力だけでやり遂げる

単純に自転車に乗れるようになることだけを目標にすれば、直接的なサポート(例:アシストバー)を使用しますが、それでは自信に繋がりにくい。

「自分の努力だけで乗れるようになった」という思いを芽生えさせるには、サポートは極力ない方が良いです。

ただし、サポートをしない分その子に合った方法で、スモールステップで指導することは非常に重要になります。

現段階の状態を知る

現段階の状態を知るために、自転車のハンドルを持ちながら歩いてもらいました。

歩きづらそうにし、すぐに自転車を倒してしまう。倒れた自転車をおこすのにも苦労していました。

これは「自転車に負けている」状態で、この状態をクリアしないと次には移れません。

一回目の練習は、ひたすら自転車のハンドルを持って歩いてもらいました。

Aちゃんは教えてもらったらすぐに乗れるようになると思っていたようで、不満そうな顔をしていました。

自転車を倒す度に「無理~」と弱音を吐いていましたが、私の「できるから頑張ろう~」という言葉がけによって、頑張りました。

サドルに乗ってチョコチョコ歩き

二週間後の二回目の練習では、「自転車に負けている」状態はだいぶ改善されたので、サドルに乗ってチョコチョコ歩きをしてもらいました。

家庭でペダル無し自転車で練習していたので、チョコチョコ歩きには自信があり、「チョコチョコできる~」と言いながら練習を始めました。

始めて数秒で「あれ?」といった表情をしました。何度もペダルに足がぶつかり、ヨロヨロとよろけまくるのです。

ペダルがあることで足の運びが変わるためです。原因に気が付き、すぐに対応できる子供もいれば、対応できない子供もいます。

Aちゃんは後者だったので、「ペダルをよけてチョコチョコするんやで」と教えました。

30分もすればコツを掴んだようで、大分上手く出来るようになりました。

両足で地面を蹴る→片足で地面を蹴る

チョコチョコ歩きが安定してきたら、次は両足で地面を蹴って進みます。

両足なので軽く地面を蹴るだけで進みますが、それでは加速が弱いです。

「両足でグッと蹴る!」と、思い切り地面を蹴るように伝えました。

余談ですが、この言い方は意外と理解しやすいようです。以前、重度の知的障害のある子供にも教えたことがありますが、理解してくれました。

力強く両足で地面を蹴られるようになったら、片足はペダルに乗せ、もう片足で地面を蹴るように指示しました。

ここでAちゃんは大苦戦。力強く蹴られる時と蹴られない時が極端でした。

片足だけで力を入れるという動作が感覚として分かりにくかったのと、目線をしっかり保持できないため、何度もバランスを崩しました。

気になるものがあるとすぐに意識がそちらに向いてしまうタイプのAちゃんは、この動作が鬼門となり、長く練習することになりました。

こげなくなる

練習は五回目となり、ペダルをこいだら乗れるという段階となっていました。

しかし、ここで問題が発生。ペダルをこぐのを何度も止めてしまうのです。

理由を尋ねると、「速いから怖い」とのこと。

スピードが出ると恐怖で身体が硬直し、こぐのを止めてしまうようです。

これまでそういう子供を何人か見てきましたが、克服するにはその子の勇気次第です。

勇気が湧き出るよう、「今のやめなかったら出来たわ~、良い感じやで」「おしい!」「今の良かった!!」等と、勇気づけをし続けました。

おかげで、練習が終わると私の喉はガラガラになりました。

乗れた瞬間の喜びと自信に満ちた笑顔

運命の六回目。

自転車練習がイヤになったのか、少し渋りながら教室に来ました。

これだけ苦労しているのに、なかなか乗れない自分がイヤになっているのかもしれません。

力強く励まし、いつものように琵琶湖沿いの公園に行って練習開始。

練習開始してすぐに変化に気が付きました。片足で地面を蹴る力が前回よりも強くなっているのです。

スピードが出るから安定性も増すので、乗れる一歩手前。

15分後、偶然1~2m程こぐことに成功。

さらに5分後、ついに20mほど自転車に乗る事ができました!物凄く褒め、ハイタッチもしました。

その時のAちゃんの表情は極上の笑顔で、力強い目になっていました。自信がついたのが分かります。

乗れるという実証は出来ましたが、何故か「加速しなくても乗れる」という誤学習をしてしまい、乗れる時と乗れない時があるので、不安定さが残っています。

常に乗れるようにしてから、自転車練習を終了したいと思います。

乗れた瞬間をビデオで撮っていたので、練習後に保護者に見せると、目からホロリと光るものが。

私もAちゃんの苦労や努力している姿をずっと見てきたので、半泣きになりました。

こういうのがあるから、この仕事は面白いですね。

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