勝手神社は三千院の側にあります【京都市大原来迎院町】

京都の三千院は観光客が多く来る名所です。

そんな有名な三千院の裏側を歩いたことはありますでしょうか?実は行く価値のある名勝があります。

私は今まで行ったことがなかったので、行ってきました。

守護神が祀られている勝手神社と周辺情報

三千院を通り過ぎ、呂川に沿って歩ていくと、三千院の勅使門があります。

天皇や天皇の意思などを伝える使者が通る門です。

坂道が続き、地味に体力を奪っていきます。

勝手神社周辺の紅葉が楽しみ

10分ほど歩くと、鳥居が見えてきました。

参道は両脇に石垣が積まれていて、不思議な道となっています。

この狭さと先が見えない道は、私にリラックス効果を与えてくれました。

紅葉の時期はさぞ綺麗な道になると思います。

しばらく歩くと、橋が見えてきました。

律川にかかるこの橋は勝手大橋という名です。2008年に作られたもので、意外と最近なのに驚きました。

どう見ても小さい橋なのに、何故大橋と名付けられたのかは謎です。

橋を渡ると、広場に出ました。

奥には勝手神社の本殿が見えます。

参拝者が少ないためか、手入れはあまりされていないようです。

簡素な手水場です。

勝手神社の本殿。

勝手明神が祀られていて、三千院、来迎院、勝林院の守護神として崇敬されています。

本殿に上がる階段はつま先歩きをしなければいけないほど狭く、急な階段なので危険です。

たった5段しかありませんが、足腰に自信がない方は登らない方が良いと思います。

本殿には、幾何学模様の木の板が奉納されていました。

これは「枡飾り」というもので、四角と棒は米にちなんだ枡と杵です。

よく見ると、名前と共に米寿と書かれていました。

魚山大原寺 来迎院と勝林院

勝手神社で参拝を終えてから少し歩くと、宿坊で有名な浄蓮華院があります。

一泊二食付きで8000円。法話や座禅、写経もできてこの値段はお安いのではないでしょうか。

さらに奥へ進むと来迎院表参道口と書かれた門があります。

この来迎院は、平安時代に円仁が天台声明の道場として創建され、聖応太師良忍によって再興されました。

それにより、勝林院を本堂とする下院と来迎院を本堂とする上院が成立し、この両院と付近一帯を合わせて魚山大原寺と総称されるようになりました。

門をくぐると、来迎院の上院本堂へと続く朱色の門があります。

私が行った時は朝早かったために、残念ながら門は開いていませんでした。

重要文化財の薬師釈迦弥陀三尊を拝見したかったです。

料金:大人 400円 中学生・高校生 300円 小人 無料。

拝観時間:9:00~17:00。

遠くに見えるのが本堂。

山の中に音無の滝という滝があると聞いていたので、そこを目指していたのですが、途中で不思議な空間がありました。

私の単なる違和感にすぎないと思っていたのですが、近くに説明が書かれた立札があったので読んでみると、少し納得しました。

ここ一帯は中国の山東省にある声明(仏教の儀式音楽)の聖地魚山に似ていることから、そう名付けられました。

かつては来迎院をはじめ、多くの寺院が立っていた天台声明の修行の地として栄え、音無しの滝、呂川、律川など声明にまつわる地名が今も残っているのはその名残です。

勝手な考えかもしれませんが、音が由来する一帯は何かしら不思議な現象があります。

ということで、試しに拍手してみると他の所よりも音が反響するように感じました。

右へ進むと音無の滝、左へ進むと比叡山に行けます。

車で頂上まで行けるのに、4時間もかけて登るとは、相当山登りが好きな人でないと行きませんね。

音無の滝です。

無知って怖い、というか恥ずかしいです。

音無の滝という名称だけを知っていたから、激しい音をたてる滝を見て「音あるじゃん」と思わず呟いてしまいました。

そんなことを言う人がきっと多いのでしょう、名前の由来が書かれた立札が設置されていました。

良忍上人が声明の修行をしていると、滝の音と声明の声が調和して、滝の音が聞こえなくなったという故事からこの名がつけられたそうです。

誰か科学的に実証してほしいものです。

勝林院。

1186年に、天台宗の顕真が浄土宗の法然を招き、専修念仏について論議した「大原問答」を行われた場所です。

本尊の阿弥陀如来の手が光、念仏の衆生済度の証拠を示したと言われ、本尊は証拠の阿弥陀と呼ばれています。

本尊を安置する本堂と鐘楼は京都市の有形文化財に指定され、創建当時からある梵鐘と石造宝篋印塔は国の重要文化財に指定されています。

料金:大人 300円 小人(中学生含む) 200円。

拝観時間:9:00~17:00。

勝手神社へのアクセスと地図

市営地下鉄:地下鉄烏丸線の国際会館駅が最寄りの駅。

バス:国際会館駅から京都バスの大原行き19系統に乗車して、「大原」で下車。

三千院へは徒歩10分ですが、三千院からさらに250m程歩きます。坂道をゆっくり歩くと、10分ほどかかります。

三千院には駐車場はありませんが、有料の駐車場がバス停にたくさんあります。

拝観時間:自由。

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