三千院と周辺の見どころ【京都市左京区大原来迎院町】
京都の大原と言えば、三千院が有名。
三千院は妙法院、毘沙門堂、青漣院、曼殊院と並んで天台宗五門跡の一つです。
天台宗五門跡は、1200年前に最澄によりに開かれた比叡山延暦寺を総本山とした天台宗の寺院で、代々皇族・貴族が門主を務める格式の高い寺院です。
三千院と周辺の観光情報
今回は三千院で節分会が催されると知り、朝早くに家を出て三千院へ向かいました。
朝が早いと大原の空気はとても冷たいです。
そのためでしょうか、龍が通った跡のような白い帯状の雲が山の中腹辺りに漂っているのを見かけました。
こんな幻想的な景色を見られるのは早朝ならではだと思います。
三千院には駐車場はありませんが、たくさんの有料駐車場があります。
まだ受付スタッフが来ていなかったので、支払いは後払いです。
三千院へと続く参道は歩きやすいようしっかりと整地されています。
途中で菜の花畑がありました。
昔は、菜種油を搾るためのアブラナの花畑が大原の里一面に広がっていましたが、現在は菜の花漬用としてわずかに栽培されているだけです。
一面のアブラナの花畑、見てみたかったですね。
小さいかまくらと猫?の雪だるまが店前に作られていました。
昨日つくったのだと思いますが、気温が低いのでしっかりと形は留めています。
因みに、三千院から駐車場に帰る頃には壊されてなくなっていました。
残しておいた方が客は集まるのに、勿体ないです。
呂川に沿って参道を歩きます。水温が気温よりも高いせいで、川霧が発生していました。
三千院には川が2本あり、右手に呂川、左手に律川があります。これらは声明の呂旋法と律旋法のにちなんで名づけられました。
「呂律が回らない」という言葉がありますが、その語源はここからきています。
声明や音、川に関することは勝手神社にも少し触れているので、一読して頂けると嬉しいです。
桜の名所でもある三千院
店が立ち並ぶ木々を見ると、桜の木です。
今は冬なので寂しいですが、シーズンになると美しい光景が見られます。
それを目的に来られる参拝者も多いそうです。
三千院の玄関口である御殿門は高い石垣に囲まれていて、格式の高さが伺えます。
高い石積み技術を持った近江坂本の穴太衆が自然石を使って積んだものです。
この石組は頑強で、時を経ても崩れないと言われています。
受付を済ませてから、客殿に入ります。
中は撮影不可だったので、写真はありませんが、当時の京都画壇を代表する画家達の襖絵がたくさんありました。
秘仏の薬師瑠璃光如来が安置されている、宸殿(しんでん)に近づくにつれて、お経を読まれているのが聞こえてきました。
ひたすら同じお経を読み続けていているのですが、その読み上げるスピードが早いのなんの。私なら確実に舌を噛みますね。
普段はないと思いますが、節分会だから節分豆が無償で配られていました。
幸福や人との御縁がありますように、お金に御縁がありますようにという願いが込められた福銭五円です。
思わず買ってしまいました。
京都市指定名勝の三千院有清園庭園と聚碧園。
苔がビシっと絨毯のように生えていて美しい。ここは苔が生育するには適した環境のようです。
重要文化財に指定されている往生極楽院の中には阿弥陀三尊像があり、国宝に指定されています。
庭園にはわらべ地蔵なるものがそこかしこにあります。
30cmほどで、様々な表情をしたお地蔵様達です。
苔に覆われていているから歴史あるもののように見えますが、50年前から何度も三千院に訪れている歴女の母が言うには、昔はわらべ地蔵というものはなかったそうです。
弁財天。
京の七福神の一つとなっています。
節分会に合わせて、おぜんざいが無料で配膳されていました。
薄い味付けで、餅は普通です。しかし、ちょこんと入っている桜の塩漬けが香りと味を一手に引き受けています。
桜の塩漬けの香りは強く、味も甘じょっぱくて、とても美味しく仕上がっているのだから不思議です。
独特な格好をした大原女(おはらめ)が配膳してくれました。
大原女は薪や柴を頭にのせて京都の町へ行商に出かけた大原の働く女性のことです。
昭和30年代に入ると行商はなくなりましたが、この独特な服装や文化を次世代に残すために、大原観光保勝会は大原女の着付け体験を行っているそうです。
また、春と秋に大原時代行列も毎年行われています。一度は見てみたいものですね。
茶所 和心堂。
金色不動茶という、三千院金色不動堂で身体健康を御祈願されたお茶を販売していました。
梅やシソ、抹茶といった種類があります。
お勧めは梅茶。試飲しましたが、飲みやすくて美味しかったです。
起き上がり小法師という、かわいい物が売られていました。
400年前に会津より伝わったとされ、会津最古の民芸品です。
転がっても起き上がることから、忍耐と人生の象徴として人々に愛されています。
金色不動堂。
護摩祈祷を行う祈願道場として、平成元年に建立されました。
秘仏の金色不動明王は重要文化財に指定されていて、毎年4月のみお姿を拝することができます。
観音堂。
平成10年に建立されたわりには、真新しさを感じました。
阿弥陀石仏(売炭扇石仏)。
律川にかかる橋を渡った所にあります。
鎌倉時代に作られた2.25mもある大きな石仏です。
そのすぐ隣に、おさな六地蔵がずらりと並んでいます。
六地蔵といいますが、それ以上ありました。いつの間にか増えたのでしょうか。
ここのお地蔵様は表情が豊かなだけでなく、動物と一緒です。
猫を抱いたお地蔵様、鳥を頭に乗せたお地蔵様。
可愛いため、多くの参拝者が写真を撮っていました。
観光目的で作られた?と思ったのは私だけではないはず。
御朱印と天台宗の角大師
宝物館は入館無料なので、寄ってみて損はないです。
三千院オリジナルのお線香。
福守り。
玄関・床の間等に吊るして、家の福が出て行かないようにします。
方位によって吊るす色が違います。北は黒(紫)、東は青、中は黄、西は白、南は朱。
匂い袋。
匂ってみましたが、私は苦手な匂いでした。
角大師のお札。
天台宗の最高僧である慈恵大師が悪鬼邪気を追い払った時に、自分も鬼のような姿になって、悪鬼邪気を追い払ったそうです。
その時の姿を描かれたのがこの角大師です。
角大師が書かれたお札を玄関入口や床の間に貼ることで、火難、水難、盗難などの七難から私達をお守りくださいます。
私が幼い時から家に貼られていましたが、説明を聞く前はただただ気味が悪いお札でした。
説明を聞いた後もよく理解できませんでしたが、子供ながらある結論に至りました。
姿は鬼みたいで怖いが良いやつ=デビルマンという結論に至って納得した記憶があります。
今にして思えば、酷いものです(苦笑)
御朱印は五種類もあります。
とりあえず今回は、金色不動尊と弁財天の御朱印を頂きました。
書いているところをじっと見学しましたが、達筆なのにしっかりと読める字です。
今まで貰った御朱印で一番綺麗な字という印象です。
ランチや気になる物と場所
三千院周辺には土産屋や飲食店が数件あります。
食事で困ることはないと思いますが、せっかくなら思い出に残るようなものを食べたいものです。
そば処 芹生(せりょう)茶屋。
お蕎麦料理がメインの店です。
茶屋というだけあって、みたらし団子やよもぎわらび餅も人気です。
土井志ば漬け本舗 三千院前店。
土井の志ば漬けは京都を代表する漬物です。お土産として買うことをお勧めします。
京美茶屋。
豆腐とゆばで人気の店です。
無添加、自家製、手作り、出来立てにこだわっているだけに、値段は少しお高いです。
値段はピンからキリまでありますが、平均で2000円はかかります。
お食事処 さわだ。
老舗のお店です。
湯豆腐定食(1350円)、湯豆腐定食(2400円)、そして興味をそそられるのがでんがく定食(1600円)です。
今回は食べていませんが、次回来た時は食べようと思っています。
呂川沿いにもお店がズラリと並んでいます。
その中に、とても美味しそうな匂いを漂わしているお店がありました。
焼き団子が囲炉裏の周りに突き刺さっていて、注文すると味噌ダレを塗られて出てきます。
団子は焼かれているのでモチモチで、味噌ダレとの相性は抜群です。
一本350円が高いか安いかは人によって違うと思いますが、満足度を考えると相応の値段だと思います。
ここで少しお腹を満たしてから、卵かけめしのはんじに行くというコースもお勧めです。
大原はゆずが名産品なのでしょうか?とにかく柚子をとても推してきます。
ゆずは苦手ですが、試食したゆず味噌はお勧めです。
ゆずの香りと味は強いのに、それに負けじと味噌の味も濃厚なので奇跡的に調和しています。
思わず買ってしまいました。
ゆず白味噌のドレッシングと柚子ドリンクは、柚子独特の酸味と苦みを活かしています。
ゆず好きにはたまらない商品です。
あるお店のベンチの側に、大原女の姿をした木製の人形が置かれています。
なかなかインパクトのある作りなので、ぜひ探してみてください。
店全体の雰囲気が良いです。
漬物が入った樽がたくさん置いてあり、昔ながらの雰囲気を感じられます。
呂川と律川のちょうど真ん中辺りにある細い道を歩いていると、お地蔵様があります。
遠くから見ると、普通のお地蔵様ですが、よく見ると怒っています。
何に対して怒っているのか、何故怒っているのかは謎です。
三千院の周辺には、勝林院、来迎院、音無の滝といった観光スポットがあります。
それらについては勝手神社にご紹介しています。
アクセスと駐車場
市営地下鉄:地下鉄烏丸線の国際会館駅が最寄りの駅。
バス:国際会館駅から京都バスの大原行き19系統に乗車して、「大原」で下車。
三千院へは徒歩10分です。
三千院には専用の駐車場はありませんが、有料の駐車場がバス停付近にたくさんあります。
一日駐車して500円。
拝観時間:大人 700円 中学生・高校生 400円 小人 150円。
開門時間:3月~12月7日 8:30~17:30 12月8日~2月 9:00~17:00。
電話番号:075-744-2531
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