大文字山の登山ルートは銀閣寺からがお勧め【京都市左京区鹿ヶ谷】
登山は好きだが体力のないひだち教室長の安藤です。
京都には送り火で有名な大文字山という山があります。
山登りとしても人気ですが、子供というのは登山は基本嫌いです。
しかし、登りたいという生徒がいたので、行くことにしました。
Contents
大文字山情報
大文字山は京都を代表する山。
京都を紹介する絵には、必ずといって良いほど大文字山が描かれている程です。
8月16日の五山の送り火では、「大」の文字が暗闇の中から浮かび上がり、とても幻想的な光景。
京都人の私は見慣れたものですが、観光客にとっては強い思い出となること間違いなしです。
登山のルートはいくつかあります。
・安全で気楽に登れる銀閣寺ルート
・紅葉の時期にお勧め南禅寺ルート
・最短で山頂に行けるがしんどい鹿ヶ谷ルート
・少ししんどいけど四季折々の姿を見られる山科ルート
生徒達は全員山登りには慣れていないので、初心者に優しい銀閣寺ルートを選びました。
登山用の服装は必要なしの銀閣寺ルート
通常登山をする場合は、それなりの装備や服装を気にかける必要があります。
大文字山の銀閣寺ルートはそれほど気にする必要はありません。
飲み物とシャツ一枚だけという格好をした人もよく見かけます。
それほど、安全なルートです。
そのため、生徒達は普段通りの服装で集合しました。
出町柳駅に着き、地上へ上がると、すぐにバス停へ向かいました。
銀閣寺までバスに乗って行くのですが、徒歩でも30分程でいけます。
歩き慣れている人にとっては良いウォーミングアップになると思います。
7分かけて銀閣寺道バス停に着くと、大文字山が見えたので、生徒達にはあそこを登ると教えました。
そして、京都のシンボルと言ってもよいので、必ず覚えておくように伝えました。
生徒達は今から登る山を見て驚き、どれぐらい時間がかかるかをとても気にしていました。
せっかくなので哲学の道を歩きました。
哲学という聞き慣れない言葉を聞いた生徒は、最初は鉄学と思ったようです。
そのため、鉄で出来た固い道なんだと思った生徒もいて、「ホンマや固いわ~」と言いながら歩いていました。
間違って覚えて欲しくないので、慌てて訂正しました。
大文字山は5年ぶりに登ります。
その時は、心の状態が思わしくなかった生徒と一緒に登りました。
せめて心の快復をという思いでしたが、その日を境に心の状態が良くなり始めました。
山に登ったから良くなったというわけではないと思いますが、何かキッカケになったのは間違いないでしょう。
懐かしい思い出です。
この5年で銀閣寺周辺の店はだいぶ変わっていて、新しい店がたくさんできていました。
嬉しいやら寂しいやらです。
登山に慣れてない人は結構疲れる
銀閣寺入口は多くの観光客がいました。
銀閣寺を正面に、左へと曲がると大文字山へと続くルートがあります。
そこそこ急な斜面のため、慣れていない生徒はしんどそうに歩いていました。
途中で道が分かれており、一方は山へ、もう一方は京都朝鮮学園へと続く道です。
生徒達は誰一人として看板を全く気にしなかった。
そのため、危うく学校の敷地内に入るところでした。
小さい橋を渡ると、本格的な山道になります。
しばらくは比較的なだらかな道が続いたので、全員余裕のある表情をしていました。
しかし、徐々に坂道がきつくなってくると、目に見えて足取りが重くなります。
体力の差も顕著に表れ、先頭を歩く生徒と後を歩く生徒との差が広がりました。
山登りで身体が熱くなった生徒達は、上着を脱いで歩きだしました。
ある生徒が不思議なことを言いました。
「寒いはずなのに何でこんなに熱いんやろう?こんなん初めてやわ」
身体を動かしているから熱くなるというのが分かっていませんでした。
熱くなる理由を考えた事がなく、学校でも教えてもらったことがないと言っていました。
分かっていて当たり前のことを分かっていない事がある。
それは知識の偏りがあるASD(自閉症スペクトラム障害)の子供によく見られます
ちょっとした広場になっている場所があったので、そこで休憩をとることに。
その場所には、千人塚と書かれた石碑がありました。
石碑の下には、足利義輝が三好・松永の軍と戦って敗れた兵士達の遺骨が眠っているそうです。
ある程度息が整ったら再出発。
進むスピードは若干速くなりましたが、ここで急な階段にぶち当たりました。
生徒達はうんざりした表情。
その階段を高校生がトレーニングの一環として走って登っていました。
しかもユニフォーム姿という、とても寒い格好です。
その様子を見て生徒達は負けん気が起きたらしく、頑張って階段を登り始めました。
この高校生以外にも、マラソン選手らしき人がトレーニングとして山道を登り下りしていました。
京都市を一望できる感動的な景色!
階段を登りきると、視界が一気に広がります。
生徒達は「おお!」と歓声を上げました。
苦労して登っただけあって、素晴らしい景色を拝むことができました。
曇っていたのが少し残念ではありましたが、京都市を一望できたので良しとします。
景色を眺めていると、ある生徒が「大ってどこにあるん?」と訊いてきたました。
ここだと伝えると目を剥いて驚きました。
火床は79基あり、それらに火をつけると大の文字になると教えました。
しかし、実際目の当たりにしていないので、「ふ~ん」という感想。
景色を眺めながらおにぎりを食べ、最終目標の山頂へと登り始めました。
山登りをしている人は多く、何度もすれ違いました。
その度に生徒達は挨拶をしていました。
実は最初は挨拶をする生徒としない生徒と分かれていました。
出来れば挨拶をした方が良いです。
そこで何故挨拶をした方が良いのかを全員に訊いてみると、礼儀だからと答えました。
それも答えの一つですが、それでは自分にとって得と感じにくいです。
子供の中には、得を感じなければ行動を起こさない人もいます。
挨拶をしなかった生徒もそういう思考たっだので、挨拶をすることで得があると思えるよう説明しました。
しっかり挨拶をしていると顔を覚えてもらえるかもしれない。
そうすると、自分がもし事故等あった時に、何かしらの手がかりに繋がる可能性がある。
だから挨拶をする方が得だと教えました。
それを聞いた生徒達は、それは得だと心の底から思ってくれたようで、しっかりと挨拶をするようになりました。
最後まで挨拶の意識が途切れなかったので、間違いなく癖づいたと思います。
せっかくなので山頂まで登ろう
私が子供の時、親に連れられて大文字山を何度も登っています。
経験はありますが、実は山頂まで登ったことはありませんでした。
『大』の所でおにぎりを食べて、帰路につくというのが定番だったもので。
そのため、私も生徒達と同じ心境で登ることができました。
山道を歩いていると、落ち葉が固められている箇所がありました。
それは何を意味しているのか、そういう事を時折質問して考えさせながら、山頂を目指しました。
因みに、人がたくさん通って落ち葉が踏み固められたと教えると、「なるほど~」と感心していました。
20~30分かけてようやく山頂に着きました。466mの大文字山は低いようで高いです。
皆ヘトヘトになっていて、景色を堪能する余裕はありません。
しかし、私は周りの異様な光景に興味がわき、山頂周辺を歩き回りました。
昔直撃した台風の影響で、木々が根と土ごとひっくり返っている所がありました。
根と土の部分は私の身長(175cm)以上。
そんなに広く根っこを張り巡らされていたのに倒すとは・・・。
そんな倒れた木を切っているグループがいました。
保存会の人らしく、倒れた木々を切ってお手製の机とイスを製作。
登山客に使ってもらうとのこと。
有効活用しているその姿勢は逞しさを感じます。
登山とは関係ないのですが、今回の活動でとても嬉しいことがありました。
トラブル等が自分の身に起きても絶対人には喋らない生徒がいます。
下山中に突然、自ら「今日兄弟げんかをした」と話してきてくれました。
さらに、喧嘩の理由と自分だけ罰を受けた事に対して、先生はどう思うかも訊いてきました。
こういう変化を目の当たりするのは、何度体験してもたまりません。
先生をやっていて良かったと思える瞬間です。
アクセスと駐車場情報
京阪線:出町柳駅からバス乗車(市バス102系統)。銀閣寺道で下車。約7分かかります。
JR:京都駅からバス乗車(市バス100系統、17系統、5系統)。
銀閣寺前または銀閣寺道で下車。約30分かかります。
駐車場:登山者用の駐車場はありません。
銀閣寺近くに市営の駐車場があり、安い(一回1000円)ですが、銀閣寺参拝者専用の駐車場です。
こそっと駐車することは可能かもしれませんが、それはモラル違反です。
有料パーキングはありますので、それを使いましょう。
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