びわいち再び~激痛と疲労との戦い一日目~

強風の中、無事に琵琶湖一周を達成できてホッとしているひだち教室長の安藤です。

自転車で琵琶湖一周。

普段サイクリングをしない人にとっては狂気の沙汰かもしれない。

しかし、そんなことをするからこそ得られるものも大きい。

だからひだち教室では、生徒達と共にびわいち(琵琶湖一周)をします。

今回はびわいちを経験したのは下記のメンバー。

A君(中学生):運動は好んでしないが、やれば出来るタイプ。〈ペルソナにはまっている〉

G君(大学生):良くも悪くも頑張るタイプ。〈暗算が大得意〉

S君(大学生):就労移行支援を受けながら将来を考え中。〈素直さが武器〉

琵琶湖一周と言うものの、厳密には北湖一周。

じゃあ楽かと言えばそうではありません。

3人が経験したことのある南湖一周は約50キロ。

今回の北湖一周はその3倍以上の170キロ。

楽なわけがありません。

そんなこともあり、北湖一周だけで「ビワイチ達成」とする人も多いようです。

3人は北湖と南湖、両方達成したので「ビワイチ完全制覇」と言って良いでしょう。

びわいちはスキルを把握してからチャレンジ

実は今回のメンバーは、不安要素が一つありました。

複数でのサイクリングでは、手信号を使います。

サイクリング中は声が聞こえにくいからです。

しかし、この手信号を3人とも出来ない。

南湖一周の時に試してもらったら、片手運転が出来なかったのです。

片手運転をすると、予想以上にバランスを崩して危険でした。

では、片手運転の練習をすれば良いのか?

練習すれば多少は出来るのでしょう。

しかし、付け焼刃なスキルは逆に安全性が損なわれる。

今回は大声による伝達で、意思疎通を図ることにしました。

スタートは守山市のジャイアントストアから

びわいち(琵琶湖一周)をするにあたって、スタート地点はかなり重要。

スタート地点によっては、かなりしんどい思いをするからです。

前回、びわいちを実施した大学生の生徒達と同じスタート場所。

守山市にあるジャイアントストアという自転車レンタル屋。

守山市から出発する利点は2つ。

・湖北で一番賑わっている木ノ本で、およそ半分(約70キロ)を走ったことになる

・木ノ本には大きめのスーパーがある

びわいちで一番キツイ湖北を走る前に、体力を回復できるというのはかなり大きな利点。

湖北にはあまり宿や店がないので、大きめのスーパーのある木ノ本で宿をとるのが吉です。

クロスバイクの練習とルートの確認

南湖一周でクロスバイクを経験している生徒達。

それでも、慣れた自転車ではないので、軽く練習しました。

「これから始まるぞ!」

という気持ちの切り替えの意味も含まれています。

ルートの確認もしました。

基本的には琵琶湖沿いを進みますが、途中でルートが別れます。

初心者ルートと上級者ルート。

先頭を走るA君に決断してもらいました。

その結果、A君は上級者ルートを選択。

この決断が、後々生徒達は苦しむことになります。

上級者ルートは予想以上にきつかった

1日目は風が強かったですが、快晴で気持ち良かったです。

ちょっとしたトラブルが1回ありましたが、それ以外は順調。

スタートして1時間30分経過してからの休憩時。

A君:「しょっぱいと甘いを同時に食べられて最高」「生きてるって実感できる」

G君:「全然余裕やわ」

S君:「楽しいですね」

休憩時に、塩分チャージとチョコを同時に食べる。

適度な運動という段階なので、全員まだまだ余裕がありました。

近江八幡市に入ると、ルートが別れます。

初級者ルートのさざなみ街道、上級者ルートの長命寺方面。

【初級者ルートの特徴】

・安全に進める

・途中でローソンがあるので休憩できる

【上級者ルートの特徴】

・絶景を堪能できる

・アップダウンが激しい

・カーブが多く、見通しが悪い

・休憩所がない

私個人は過去に2回びわいちを経験していますが、上級者ルートは初体験。

景色は確かに素晴らしかったです。

しかし、予想以上にアップダウンがキツイ。

距離としてはそれほど長くないが、疲労がかなり蓄積されました。

特に疲労が顕著だったのはS君。

S君は朝食にパン1個しか食べてこなかったため、早々にガス欠状態。

ガス欠(エネルギー切れ)を起こしたS君は、徐々に遅れ始めました。

想定していたよりも時間はかかりましたが、何とか上級者コースをクリア。

上級者コースを抜けた瞬間、全員のホッとした表情は印象的でした。

相手に伝えるではなく、相手に伝わるが大事

トラブルについても触れておこうと思います。

サイクリング中は声の掛け合いが大事。

そのことは生徒達に伝えていましたが、始まってから認識のズレがあることが分かりました。

生徒達は、後方にいる私からの指示を伝言ゲーム形式で伝えました。

ところが、生徒達は『伝える』という認識で、『伝わる』という認識が皆無。

『伝える』という行為は、相手の反応を確認する必要はありません。

『伝わる』という行為は、相手の反応を確認する必要がある。

生徒達はその違いが分からないため、「伝えた」「聞いてない」という押し問答が起こりました。

結論から言うと、びわいちでは『伝わる』を実行していない側が悪い。

しかし、聞こえているのに反応を示さないのも悪い。

そのことを生徒達に伝え、どうするかを具体的に教えました。

これはソーシャルスキルの部分なので、良い学びになったと思います。

ガス欠(エネルギー切れ)と太ももの激痛

びわいちの1日目は、必ずガス欠と太ももの激痛に襲われます。

サイクリング仕様の身体になっていないからです。

守山市スタートの場合、だいたい彦根辺りで皆苦しみだします。

距離で言えば、35キロぐらい。

しかし、今回は上級者コースを走ったために、東近江市辺りで苦しみだしました。

アップダウンの影響がこんなに早く出るとは・・・。

特にガス欠で苦しんだのはS君。

特に太ももの激痛で苦しんだのはA君。

ガス欠と太ももの激痛、両方で苦しんだのはG君。

太ももの激痛は、これまでの人生で感じたことのない痛み。

A君は何度も休憩を要求し、道に倒れ込むこともありました。

カインズモールに着くと、食事よりも先に太ももの痛み緩和を優先。

生徒達はトイレにこもり、スプレータイプのサロンパスを吹きかけました。

するとしないとでは、痛みは全然違いますよ。

ガス欠からの回復は、とにかく食べること。

生徒達は、マクドやカレーといったものを沢山食べました。

体力はすぐには回復しませんが、気力が回復します。

もう少しという気持ちが激痛を抑え込む

昼食をとったことで、ガス欠問題はある程度解決。

太ももの激痛は、継続して全員を苦しめました。

激痛をこらえるのは苦行に匹敵し、太ももをとりたいと何度思ったことか。

ところが、長浜城辺りで生徒達に変化が生じました。

長浜城ということは、宿のある木之本駅まではもう少し。

生徒達は「ゴールまでもう少し!」という気持ちが芽生え始めました。

激痛や疲労よりも、「早く宿に着きたい」。

生徒達の意識がそれに全振りされてからは、激痛や疲労を訴えることがなくなりました。

意識が全振りされたぐらいのタイミングで、陽も落ちました。

辺りは真っ暗。

ある意味非日常な体験で、緊張感を持って走りました。

結果的に、意識が上手く分散されたのだと思います。

宿で超回復の準備

守山市からスタートして8時間で、木ノ本駅近くにある草野旅館に到着。

生徒達の第一声は喜びではなく、安堵の言葉

「きつかった~」「やっと着いた」「寒いから中に入ろう」

草野旅館を経営する夫婦は、私達のためにコタツも用意してくださいました。

今回のびわいち1日目は、運悪く木枯らし一号が吹いていたため、本当に風がきつかった。

身体にかかる負担は、通常時よりも1.5倍はありました。

そして、身体から熱を奪っていくので、身体は冷え切っていました。

そんな状態だから、私達にとってはコタツはまさに天国な器具。

生徒達はとても気持ちよさそうにしていました。

生徒達は気持ちよすぎて睡魔に襲われましたが、翌日のための準備をしなければいけません。

身体に鞭打って、近くの平和堂まで買い出しに行きました。

超回復するために、大量に食材を買い込む生徒達。

大量だけど、生徒達は食材をペロリと完食しました。

お風呂にも入りました。

疲れ切った身体には、やはりお風呂が一番ですね。

とても気持ちが良かったです。

太ももの痛みはまだあるので、全員サロンパスなどでケアをしてから就寝。

痛みが引くのを願いながら・・・。

びわいち二日目に続きます。

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