偏食のある子供~食べられる料理は見つかった?~
昆布巻きはどうやっても飲み込めないひだち教室の安藤です。
食べ物の好き嫌いは誰にでもあります。
発達障害のある子供も当然あり、偏食の域に達していることも。
ひだち教室内にも、偏食のある生徒はいます。
でも、その生徒はもっと食べられる物を増やしたいと願っています。
ひだち教室は生徒の願いを叶える場。
食べられる物を探す活動を実施しました。
参加した人は、小学生のBちゃん、Cちゃん、D君。
そして、中学生のKちゃんです。
Contents
発達障害と偏食
発達障害のある人は、感覚が鈍感だったり敏感だったりします。
それは味覚という部分も該当し、偏食の強い人もいます。
パンやから揚げといった、数種類の物しか食べられないほど。
実際私が出会った中で一番衝撃を受けたのは、カロリーメイトと水で生活している子供。
もしかしたら、現在は食べられる物は増えているかもしれませんが、そういう子供もいます。
偏食をどうするか。
これは人によって考え方が違うようです。
感覚的に無理なのだから、そのままにしておこう派。
逆に、少しでも食べられる物を増やそう派。
私は後者です。
料理をする意義
課外活動では、美味しい物を食べて楽しむだけというのはしません。
教育的意義を必ずもたせます。
今回は下記のようなねらいを設定しました。
・話し合いの仕方を学ぶ
・食べきれる量を知る
・値段を意識する
・協力する大切さを知る
・家事の大変さに気づく
・知らないことを知る
・料理の楽しさに気づく
・役に立つ喜びを体感する
・チャレンジする楽しさに気づく
・巧緻性を高める
・美味しく食べられる物を発見する
買い物で量を意識する
子供に料理を教えるなら、買い物からスタートした方が良いです。
食品の値段、質、量といった感覚を養うため。
そこをおざなりにすると、黒毛和牛ばかりを買うような子供になります。
昔、そういう生徒達がいました。
さて、肉の購入を任されたのは、BちゃんとCちゃん。
肉の見た目というか、直観で購入しようとしました。
そこで、私は100g当たりの値段を見るように伝えました。
そういう箇所を意識したことがなかった二人は、驚いていました。
量に関しては、皆で食べきれる量という制限を設けました。
この制限を設けないと、とんでもない量を購入するケースが多いから。
慣れてない事を自由にやらせ過ぎるというのは、経験上危険です。
買い物袋に入れる順番を学ぶ
買い物に慣れてない人は、何も考えずに適当に商品を入れていきます。
軽い物を先に入れて、重い物を後で入れたために、ペチャンコになる。
よく見るケースですね。
D君も最初は軽い物を先に入れていました。
そこで、私は教えました。
D君は「そうなやぁ」といった表情をしていたのが印象的。
この学びを家庭でも活かされると良いですね。
米の洗い方を学ぶ
昨今は無洗米もあるので、お米を洗うという経験がない子供が増えています。
Bちゃんは経験ありましたが、CちゃんとD君は経験がないとのこと。
そこで、お米を洗ってもらいました。
CちゃんとD君、どっちの発言かは覚えていませんが、このような発言がありました。
「洗うのにスポンジは使わないの?」
お米を洗うと食器を洗うは、全然意味あいもやり方も違います。
知識として教えるだけではなく、体験させることで学ぶ。
そうするとエピソード記憶として残るので、今後このような発言はないでしょう。
緊張感のある方が集中できる
子供に包丁を使わすのは少しリスクがあります。
なので、子供用包丁を使わせる人は多いことでしょう。
でも、大人の目の前で切るなら、普通の包丁を使わせた方が良いと思っています。
その方が集中力が増し、本物の包丁を使えるという自信もつきます。
ニンジンの皮をピーラーで剥く工程。
Bちゃんは幼児期から剥く機会を設けてきたので、手慣れたもの。
完全に任せられるレベルにまで到達しています。
Bちゃんに教えてもらいながら、CちゃんとD君も剥きました。
子供同士で教え合えるって良いですね。
レンコンチップ争奪戦!
レンコンチップは油を使うので、Kちゃんに一任しました。
Kちゃんはスタッフに作り方を教えてもらいながら、作りました。
出来上がったレンコンチップは大好評!
争奪戦が始まるほどでした。
ベビーカステラ作りは任せた!
D君にはベビーカステラ作りを任せました。
粉を入れ、卵を入れという工程を全て1人でやってもらいました。
初体験でしたが、苦労しながらも焼き上げるD君。
ホワイトチョコレートなども入れて楽しんでいました。
役割を全うでき、緊張感から解放されて疲労がきたのでしょう。
D君は終わってから、ソファで休んでいました。
簡単おにぎり作り
ご飯よりもおにぎりを食べたいということで、おにぎり作りもしました。
小学生が熱々のご飯を素手で握るのは難しい。
そこで、ラップに包んで握ってもらいました。
握るのも、力加減の練習になるので力加減のトレーニングにもなります。
ダブル焼肉奉行!
肉を焼く役割に、BちゃんとCちゃんを指名。
自分で肉を焼くのは初体験の二人。
どれぐらい焼けば良いのか分からない様子でした。
「肉に赤い部分がなくなるまで焼けば大丈夫」
私がそう伝えると、二人はその通りに実践しました。
焼くだけなら簡単と思っていたようでしたが、思った以上に大変。
BちゃんもCちゃんも、親の大変さを理解できたようです。
お腹いっぱいになったランチ
料理が一通り揃い、ようやく食べる態勢になりました。
14:00を過ぎていて、皆お腹がペコペコです。
焼肉、ニンジンのグラッセ、ピーマンの醤油炒め。
タマネギの素揚げ、おにぎり、ベビーカステラ。
スタッフ含めて6名でしたが、お腹はポンポンになりました。
新しい味の発見
偏食のある子供はどうなったのか?
食べられる物は増えたのか?
気になると思います。
結論を言いますと、増えました。
また、生徒達全員、食に対する新しい発見がありました。
美味しく食べられる物(野菜)が増えて嬉しい!!
偏食のあるCちゃんは、野菜は苦手です。
でも、私はレンコンチップなら食べられるという確信がありました。
何故なら、子供が好みやすい味と食感だから。
私も昨年初めて食べた時は、あまりの美味しさに衝撃を受けたものです。
案の定、Cちゃんはドはまりしました。
ポテトフライみたいにサクサク食べられるから、おやつ感覚。
家に帰ってから、自らレンコンチップを作ったそうです。
偏食はなかなか周りの人間には理解できません。
でも、子供の価値観で考えると、食べられる物がきっと見つかるでしょう。
少しでも食べられる物を増やしたいと思っている全国の保護者様。
一度レンコンチップをお試しください。
ポテトフライを食べられる子供なら、絶対好きになりますよ。
ニンジンのグラッセ美味っ!!
ニンジンのグラッセを作ったBちゃん。
Bちゃんもレンコンチップを凄い勢いで食べていました。
でも、それ以上にニンジンのグラッセが美味しかったそうです。
自分で上手く作れて、他の人達から「美味しい」と言われたのが大きな理由でしょう。
自分で作ったからこそ、美味しいと思える。
料理をするからこその効果ですね。
面白いから美味しい!
ベビーカステラの中にホワイトチョコレートといった物を入れています。
確実に美味しいだろうと思える物だけでのつもりでした。
しかし、Cちゃんはとんでもない事を提案しました。
Cちゃん:「ゼリー入れてみよ!」
日頃から私は「やりたいと思ったら、やってみたら良いねん」という事を言っています。
それを実行した感じですね。
焼いている最中にゼリーがデロっと出てきて、見た目はあまりよろしくない。
美味しいのか懐疑的でしたが、Cちゃんは臆する事なく口に入れました。
すると、Cちゃんは笑顔でVサインをしました。
どうやら、見た目に反して美味しかったようです。
その様子を見て、もしかしてCちゃんは甘味の強い食べ物が良いのかなと思いました。
やっぱ無理~
Cちゃんはピーマンをなんとか食べられるようになりたい。
そこで考えたのが、醤油や砂糖、酒、みりんで炒めた料理。
スタッフの指導の下、Cちゃん自身で作りました。
普通に美味しかったですが、Cちゃんは一口が限界でした。
もしかしたら、もっと甘味を強くすれば良かったかもしれない。
また別の料理で、ピーマンにチャレンジしてもらおうと思います。
超悶絶のグレープフルーツ
生徒達はドラゴンフルーツを食べたがっていました。
しかし、店には置いてなかったので、代わりにグレープフルーツを食べる事に。
全員グレープフルーツを食べたことがなかったからです。
グレープフルーツは果物なので、甘くて美味しい。
生徒達はそういう思い込みで口に入れました。
Bちゃん:「美味しくない」
Cちゃん:「苦~い!」
D君:「まずい~!」
グレープフルーツは苦み成分もあります。
苦み成分があるとは思っていなかったら、衝撃は大きかったようです。
生徒達は一気にテンションが下がりましたが、これも学びですね。
色々あった活動でしたが、生徒達は学びも多かったです。
偏食のあるCちゃんに食べられる物が増えたのも良かったです。
また、やりたいですね。
ひだち教室では、生徒の「やってみたい!」という気持ちを大切にしつつ、自信に繋がる活動も行っています。また、食べられる物が増えるよう、その子の特性や価値観等を考慮したチャレンジも行っています。
活動に関するご質問、お問合せもお気軽にどうぞ!
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