人気キャンプ場で変わり種燻製作りに挑戦!【湖岸緑地志那】
BBQするなら変わったことをしたいと思っているひだち教室長の安藤です。
生徒達に変わったBBQを体験させたいと考えていると、お手軽燻製機作りを指導できる方に出会うことができました。
生徒達に指導をお願いできないかと尋ねたところ、快諾して頂けたので先日BBQを開催。
体調不良で急な欠席が複数人出たので、生徒の参加人数は2名。
少し寂しいですが、逆にコミュニケーションをとりやすくなるという良い面があります。
コミュニケーションをとりながら燻製作りをするメンバーはこちら!
スーパーのバイトに勤しむイケメン。オシャレに目覚めたE君(大学生)
運動神経抜群の不安先行タイプ。受験を前にリフレッシュを希望のI君(高校3年)
Contents
人に頼らない燻製作りとBBQ
今回指導して頂く方は、HP等で当教室の特徴をよく理解していただけていました。
そのため、単純に燻製機を作るだけでは勿体ない。
燻製機作りのための材料を購入するところからスタートしてはいかがかと提案してこられました。
まさに私も考えていたことで、生徒達に分かりやすいように写真付きの資料を送ってくださいました。
資料をもとに、生徒達は100均やフレンドマートで材料を購入することに。
材料を購入するところからスタートするには当然意味があります。
・自然と何を買うかの話し合いが展開される
・楽しいことをするには地味なこと(面倒くさい)こともしなければいけない事を知る
・決断力、責任感が養われる
今回は2人だったので、決断や責任を負うことはそれほど負担はなかったようです。
しかし、これが4人以上となると決断力が鈍り、責任を負うことを嫌がるケースが多いです。
燻製機作りのための材料はほとんどが100均で揃うので見つけやすいと思っていたのですが、普段の生活ではほとんど意識しない物ばかりなので、生徒達は結構時間がかかりました。
時間はかかりましたが、生徒達は言葉を頻繁に交わすので有意義な時間とも言えます。
私は自分で食材を用意していたので、生徒達の分だけを買うように言いました。
生徒達は肉だけでなく、野菜も購入。しっかりとバランスを考えていました。
ただ、焼肉のタレを二本(甘口と中辛)を買ったりしていく内に総額7000円をオーバー。
安く済ますという意識が薄い生徒達。
予め上限を設定していたらその通りに買えますが、それでは意味がありません。
私は生徒達に新しい価値観を植え付けたいので、損得を感じられる活動をしなければ!
と、生徒達を見て思いました。
琵琶湖沿いのバーベキュー場
滋賀県草津市には、無料でキャンプを楽しめる場所があります。
その一つが琵琶湖沿いにある湖岸緑地志那2。
この日は快晴でしたが、風が強く、琵琶湖は波立っていました。
幸い気温は高めだったので寒くはなかったのですが、BBQをするには結構苦労する天候。
指導者は私達が食材や燻製機の材料を買いに行っている間に、場所をとってくださいました。
風が強いので、少しでも風の影響がでないよう植物に囲まれた場所を選択。
おかげで、風の影響はほとんどありませんでした。
ただ、影響が出てきたのが地面のぬかるみ。
前日に雨が降ったようで、地面がぬかるみ、靴やズボンが随分汚れました。
写真にあるように、ある生徒は靴をビニル袋で包み、汚れを防止しようと試みたほどです。
今回の活動は燻製作りがメインですが、普通のBBQの様子も書きます。
というのも、障害特性に関わるエピソードがあったからです。
食べながら焼くのは無理!
今回の目的は燻製機作り+燻製作りなので、BBQで火起こしというのはしません。
指導者が機材などを全て用意してくださいました。
BBQに慣れている指導者はやることが大胆。
ネギとタマネギをそのまま焼きだしたのです。
その様子を見て、驚きと同時に興奮もする生徒達。
機材は用意してもらいましたが、食材を焼いたり切ったりするのは生徒達の役目。
話し合いもなく、I君は食材を焼く係に決定。
一般的にBBQで焼く係というのは、焼きながら食べるものです。
ところがI君は焼くのに集中し、一切肉を食べる様子がありませんでした。
私:「なんで食べへんの?」
I君:「焼くなら焼く、食べるなら食べるとはっきり分けないと、たくさん食べられない」
と言いました。
確かに自閉症スペクトラム障害(ASD)の人は同時作業が苦手というのはよく聞きます。
障害特性とは言い難いですが、苦手意識があるのは事実。
それ故自閉症スペクトラム障害(ASD)特有の「0か100」「白か黒」といった具合の両極端な思考が働いたのかもしれません。
自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人と集団活動をする場合は、必ず話し合いの場を設けなければいけません。
何故なら、今回みたいに話し合いのない状態で役割がなんとなく決まると、自分は何もしなくても良いと判断することがあるからです。
実際E君は自分は何もしなくて良いと思っていたようで、ひたすら食べていました。
野菜を切る必要があるというのに・・・。
そこで私はE君を野菜を切る係に任命。
するとE君は野菜を切り始めました。
E君は役割が明確になるとやるタイプなので、本人としては任命されたのが理解しやすかったようです。
焼肉だけでなく、キノコのバター焼き、あさりの酒蒸しも作りました。
変わり種料理とは言えませんが、私個人としてはあさりの酒蒸しは変わり種です。
あさりの酒蒸し。
生徒達は予想以上の出来だったようで、「うまいうまい」と言いながら食べていました。
キノコのバター焼き
バターを数切れ入れたら、微妙に物足りませんでした。
そこでもっと入れようという話しになったのですが、話し合いの最中にバターを持って帰るのが難しいという事に気が付いた生徒達。
それなら全部入れてしまおうという結論に至りました。
100gのバターを全て投入すると、良い匂いが漂ってきました。
これだけの量を入れたら不快な匂いを発すると予想していたので、全員驚きました。
一口食べてみると意外にも美味しかったので驚きは倍増。
生徒達は最後まで美味しく食べていましたが、私は一口目だけ美味しく食べられました。
その後はずっと口の中にバターの味がするようになり、帰りの車内でも随分苦しみました。
ノリでも全てのバターを使うのはお勧めしません。
皆お腹がパンパンになるまで食べました。
「焼くなら焼く、食べるなら食べるとはっきり分けないと、たくさん食べられない」
という宣言通り、I君は早々にお腹が膨れてグッタリしていました。
両極端なのは思考だけでなく、身体も反応しているのでしょう。
食事の後は片付けをしたのですが、お腹が膨れた生徒達の動きは鈍かったです。
時間に余裕を持たせたつもりでしたが、予定通り終了。
生徒達は食べられて満足し、私は生徒達が頻繁に会話をしている様子を見られたので大満足です。
燻製機作りと燻製作りにチャレンジ!
指導者は自前の金属製の燻製機で既にウィンナー、ササミ、ほっけを燻製にしていました。
良い匂いが漂ってきて、間違いなく美味しいものです。
私達が作るのはこのような金属製の燻製機ではなく、段ボールを使います。
そのため、一般的にイメージする燻製よりも弱い火力で作る温燻製というもの。
指導者が見本として作った温燻製機では、チーズや卵を燻製にしていました。
実に美味しそうです。
生徒達はこれらを見て期待を膨らませ、製作開始。
段ボールを使った燻製機は難しそうに見えて意外と簡単です。
段ボールを組み立てるところからスタート。
普通の段ボールとは違うので組み立てにはやや時間がかかりましたが、無事完成。
そして、燻製機に網を置くために針を刺します。
メジャーを使ってどの位置に数本の針を刺すかを計算していました。
こういった時はコテコテの理系人間がよく動きますね。
針の上に網を2枚設置。
トレーを一番下に入れて、その上に火がついたスモークウッドを置きます。
網の上には、ハム、ベーコン、ニラ焼餅、三色団子。
ニラ焼餅と三色団子は私のアイディア。
わざわざリスクのある変わり種をしなくても良いと考える人はいると思います。
味を求めたらそうでしょうが、それでは教育的意義が薄いです。
変わり種にチャレンジするのは2つの理由があります。
・意外性のある発想力と実行力が身に着く
・話のネタになり、面白い人と思われる
社会に適応している発達障害のある人を見てみると、発想力を活かせる職種についていることが多いです。
発達障害の人は定型発達の人とは違うアンテナを持っているからだと思います。
つまり、発想力を磨くことが将来に繋がると言えます。
そのためには遊び心を常に持ち、実行する機会が必要。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の人は他人と会話をするのが苦手です。
しかし、自分が興味のあることや体験したこととなると、饒舌になることが多いです。
体験したことを着色して面白おかしく話すことは難しいですが、体験自体が面白いなら面白い話しになります。
そうすると聞いている側は面白い人と好印象を持ち、友人になる可能性が高まります。
このように、変わり種の燻製を作ることに意義があると感じて頂けると思います。
因みに、燻製機作りの指導者はその意外性を褒めてくださいました。
トレーの長さが若干長かったので、蓋がちゃんと閉じられませんでした。
そこで、残った針をつかって蓋と箱を刺すことで解決しました。
そのアイディアを考えたI君は、
「偏差値高い学校に行ってるし」と鼻高になっていました。
燻製機作りは小学校中学年から作れると思います。
親子の夏の思い出に作ってみてはいかがでしょうか?
変わり種燻製は予想外の結果に
卵とチーズの燻製。
卵はほのかに燻製された味がある程度で、食べやすかったです。
チーズは燻製の匂いが強く沁みついていて、好みが別れるところ。
ササミとウィンナーの燻製。
燻製され過ぎた感があります。
ウィンナーは美味しかったのですが、ササミはパサパサ具合が強くなっていて、食べていると水分をもっていかれました。
ほっけの燻製。
生徒達大絶賛の燻製。E君曰く、
「少しとって、他の料理と一緒に食べるとすごく美味しくなる」
私は単品で食べる方が好みですが、生徒が新しい世界を知れて良かったです。
ハムとベーコンの燻製。
一見美味しそうですが、燻製され過ぎて喉に引っかかるような味に。
量がそこそこあったので、生徒達は渋い顔をしながら食べきりました。
ニラ焼餅と三色団子。
ニラ焼餅は変化がほとんどありませんでした。
三色団子は甘味がなくなるというまさかの結末。
非常に期待していた食材だっただけに残念な結果ですが、それも新しい発見ですね。
ひだち教室では、生徒の「やってみたい!」という気持ちを大切にしつつ、体験を通して知らない世界を知ってもらっています。体験によって発想力やコミュニケーション能力に繋がるようサポートしています。
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アクセスと地図
JR:最寄りは栗東駅ですが、車がなければ利用することは難しいです。
料金:無料
施設:トイレや広い駐車場があります。
注意点:洗い場、道具レンタル、ゴミ捨て場がないので、全て持参してお持ち帰りするシステム。
車が必須で、ある程度キャンプに慣れた人向けのキャンプ場です。
時期によっては虫もよく発生するので、虫よけスプレーや虫刺され対策は万全に。
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