大分県の観光地と郷土料理(宿泊活動一日目)
生徒達は宿泊活動が大好きです。
少人数で行動し、学校とは違う雰囲気の中で活動するので、リラックスができて楽しいそうです。
また、自分達が行きたい場所に行けるというのも利点です。
話し合いから始まる宿泊活動
今回の宿泊活動は二泊三日(バス泊含んだら五日間)で、複数の生徒による宿泊活動では過去最長です。
それだけ長いと、やはり生徒達の意思というのを大切にしたいと思い、生徒達に自由に行先や内容を決めてもらおうとしました。
しかし、自由が不自由というタイプの生徒達なので、ある程度指針が必要です。
人工的な遊び場(例:遊園地)、家族で行くことがないB級スポット巡り、変わった体験等、内容に関する項目を13個提示しました。
選ぶだけなら簡単に決められるかと思いきや、話し合いは激論となり、決まるまで30分以上を費やしました。
結果、「郷土料理を堪能する」「温泉に入る」をすることになりました。
次はどこに行くか。沖縄~北海道まで、全ての都道府県が候補です。
各都道府県にはどういう特徴があるかをネットで調べたり、私にアドバイスを受けたりして話し合いをしました。
1時間30分もかかってようやく決定。
今回参加する生徒達は18歳以上でまだまだ若いので、東京等のにぎやかな所を希望するだろうと思っていたら、まさかの宮崎県でした。
日々の生活や学校生活等に疲れているので、癒しを求めたのでしょう。
本来なら宿泊施設も調べて予約までしてほしかったのですが、時間がなくなったので私が予約をすることに。
そして二カ月後、決行しました。
今回は一日目のみ書きます。
夜行バス内の騒動
今回は新幹線組と夜行バス組に分かれて、集合地の小倉駅へ向かいます。
新幹線組は二年前の東京観光で夜行バスに乗った時に、夜行バスのしんどさを味わったため、新幹線を選びました。
私ともう一人の生徒(C君)は安さを優先して、夜行バスを選択。
C君と京都駅で集合してから、夜行バスに乗車。平日だったのにも関わらず、夜行バス内は満席でした。
出発し、25時を過ぎた頃、突然私達の後ろ席から「きゃっ!?」と、女性の小さな悲鳴が上がりました。
何事かと思いましたが、後には女性しかいないので、痴漢ではないと思い、そのままウトウトとしていました。
しばらくして、私のふくらはぎ辺りに何かが通った感触が。エアコンの風向きかなと思って無視。
さらにしばらくすると、私の太もも辺りに何かが這っている感触が。
車内は真っ暗で何も見えません。気味が悪かったのですが、見てしまうと叫び声を上げてしまいそうなので、気のせいと信じ込んで無視しました。
その後、バスが休憩所に入ったのですが、女性達が運転手に「ねずみか何かがいる」と、伝えていました。
運転手は確認してくれましたが、何もいません。
しかし、バスの後部座席に座っていた女性グループと私と同列の人達は、一様に何かが足に触れた感覚がありました。
一体なんだったのか、不気味です。因みに、生徒は爆睡していて気が付いていませんでした。
旅行にも決断力が必要
小倉駅で新幹線組と合流し、レンタカーで最初の目的地である別府温泉へ出発。
今回は郷土料理を堪能するという目的もあったので、大分県の郷土料理を食べようと、生徒達は意気込んでいました。
生徒達は車内でスマホを駆使して、どんな郷土料理をどこで食べるかと、探してもらいました。
全員、スマホに頼り切っているので、外の景色を見ない状態が続き、その間に郷土料理の店を何度も素通りしてしまいました。
その事を生徒達に伝え、スマホに頼り過ぎると勿体ない、外の景色を見ながら探すということも大事だと教えました。
生徒達はなるほどといった顔をし、その後はスマホで探す係と外を見て探す係を決めて探していました。
しかし、ここで問題が発生。外を見て探す係は「この店に行こう!」と決断することができなかったのです。
そのため、素通りすることが数回ありました。このままではらちが明かないと思い、今回だけは私が決めることに。
たまたま通りかかった郷土料理を出してくれそうな「この岩の庄」という店に入ることにしました。
決断する力は仕事だけでなく、こういった旅行でも必要になってきます。
もっと決断する機会を設けて、決断力をつけていきたいですね。
大分県の観光地
食事を済ませてから車を走らせていると、一斉に「すげ~!!」を声を出してしまう光景が目の前に広がりました。
どこまでも広がる野原は実に綺麗で、感動しました。
景色にも感動しましたが、こういった自然を見て感動できる感性が身に着いた生徒達に、私は感動を覚えました。
昔は自然にまったく興味がなかった生徒達だから、感動はひとしおです。
色んな所に連れて行ったかいがありました。
こんな感動的な景色なのに、実は自衛隊の訓練場。勿体ないな~と生徒達も私も思いました。
自衛隊の訓練場の近くに、日本の夜景100選にも選ばれている十文字原展望台がありました。
ここでも生徒達は感動し、写真を撮りまくっていました。
感性が似てくると、嬉しくなりますね。
別府温泉は「地獄めぐり」というのが有名です。
水色や赤色の温泉があり、私はそこに入れるものだと思っていて、とても楽しみにしていました。
タオルや着替えを持ち、受付に行くと愕然としました。入浴できる施設ではなく、観光施設だったのです。
事前に調べていた生徒達は「驚くことやないやん、決まってるやん」と、私の驚く姿を見て驚いていました。
水色の温泉(海地獄)に入れなくて残念ですが、水色の温泉は神秘的な光景で楽しめました。
鬼山地獄はいわゆるワニ園。
日本でこれほどのワニが飼育されているのは珍しいです。
地獄めぐりを終えてから、「鬼石の湯」という温泉施設で入浴。
ザボンという柑橘系の果物が湯の中にぷかぷかと浮かんでいて、生徒達は「グレープやろ!」「いや、ゆずだろ!」と楽しそうに言い合っていました。
何気ない言い合いですが、こういった言い合いは生徒達の昔を思い出すとありえない光景です。
どちらか一方が必ず言いよどんでいたので、随分仲良くなったな~と感心しました。
大分県の郷土料理と名物
だんご汁。
「この岩の庄」は郷土料理を堪能できるお店で有名で、たくさんのお客さんがいました。
お勧めはだんご汁定食。
小麦粉を練った団子、ごぼう、サトイモ、ネギ、ニンジンといった具材が入っていて、甘めの汁。
いくら食べても飽きがこないように、毎日食べられるように作られた料理です。
量も思った以上にあり、単体でも十分お腹が膨れました。
鶏天。
鶏肉の天ぷらのイメージにはない、薄くスライスされた鶏肉を揚げています。
そのため、非常に食べやすく、いくらでも食べられます。
生徒達と分けて食べたのが、今でも悔やまれます(笑)
ぷりんどら焼き。
海地獄の敷地内にあるお土産屋で販売されているぷりんどら焼き。
阿蘇小国のジャージー牛乳をふんだんに使ったプリンを挟んだもの。
当然ながら甘いです。もっちりした食感も良く、もう一個食べたいと思ってしまいました。
宇佐からあげ。
ハーブ鶏を使用したからあげ。
一つが大きくて、もっさりしています。唾液を全てもっていかれました。
揚げたてだったので非常に熱く、美味しさを味わうよりも、食べるのに精いっぱいでした。
就寝前に行程表作り
別府温泉から、ひたすら南下します。
チェックインの予定時間(18時)には到底間に合いそうになかったので、A君に旅館に電話してもらい、遅れる旨を伝えてもらうことに。
私が電話しても良いのですが、これも社会勉強ですし、ライフスキルトレーニングの一つでもあります。
伝え方を教えましたが、緊張していたのでしょう、一瞬頭の中が真っ白になった様子でした。
それでも少し間をおいてから、端的に伝えることができました。
かなりの長い距離を移動したので、私は運転で疲れ、生徒達は長時間座り続けていたために疲れていました。
長時間後部座席に座っていることがこれほど辛いものかと、生徒達は身をもって学びました。
宮崎県延岡市にある旅館に着いた頃は皆フラフラで、お腹も減っていたので、旅館に荷物を置いてすぐに夕食を食べに行くことに。
郷土料理を堪能できる店を旅館のスタッフに教えてもらいました。そして向かったのは地元の居酒屋。
今時の子供は居酒屋で食事をすることは珍しいことではないようで、馴染んでいました。
ジュースで乾杯をしてから、出てくる料理を分けて食事をしました。
私は食べながら、もっと生徒達が大きくなったら、仕事を抜きにして、ジュースではなくてお酒で乾杯したいなと心密かに思いました。
宿泊した旅館は昭和の時代を感じる、「兼六園」という味のある旅館でした。
部屋に布団が敷かれていて、私は懐かしさ、生徒達は新鮮さでテンションが上がっていました。
部屋でまったり過ごしていると、B君が「いや~、この雰囲気楽しいわ~」と呟いていました。
この旅館は当たりですね!
さて、ゴロゴロしているだけにはいきません。翌日の行程表を作る必要があります。
生徒達には話し合い、調べながら行程表を作ってもらいました。
リラックスした状態のように見えますが、頭はかなり使っています。
行程表は逆算して作る必要があり、それに慣れていない生徒達はもがき苦しんでいました。
お互いの意見のぶつかり合いもあり、私が望んだ通りの展開になりました。
1時間後、出来上がった行程表はザックリしたもの。
これまで私は行程表を作ってきましたが、生徒達はそれを読んでいるだけで、書き方を学ぶというところまでは至ってなかったようです。
やはり、実際作らせなければ身に着かないんだと再認識しました。
毎回の課外活動で作ってもらうことも出来ますが、苦手なことを毎回やらされるというのは苦行です。
課外活動自体が嫌になりかねないので、様子を見ながら、0からの行程表づくりをしてもらおうと思いました。
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