国栖の里で和紙作り~植和紙工房とは?~【奈良県吉野郡吉野町】

色々な伝統工芸を体験させたいひだち教室長の安藤です。

前回の活動ではびわいちをし、体力の限界まで頑張った大学生のE君とF君。

そして、大学の研究で心身が疲弊しているK君。

そんな生徒達には、心身の癒しが必要です。

奈良県には日本屈指の秘湯があり、心身を癒すにはもってこい。

しかし、温泉につかるだけでは頭のリセットは難しい。

何かに没頭できる非日常を体験するのが一番効果があります。

そこで、物づくりの里として名高い国栖の里で体験活動をすることにしました。

いくつか候補がありましたが、和紙作りなら無理なく出来ると思い選択。

今回は植和紙工房という所で和紙作り体験をしたお話です。

伝統的な和紙作り体験ができる 植和紙工房情報

紙漉き(かみすき)の技術が日本に伝わったのは約1300年前と言い伝えられています。

文献として残っているのは600年ほど前ですが、それでも長い歴史です。

そんな和紙作りをしていた工房は300軒以上ありましたが、近年の機会化の影響をもろに受け、現在は10軒程度。

植和紙工房はその一つです。

伝統的な高度な技術を絶やさないよう、後世に残すよう、日々新しいことにも取り組んでいます。

時代にマッチした製品を作るだけでなく、多くの方に知って頂くために和紙作りの体験活動もしています。

さて、そんな植和紙工房に向かった私達ですが、かなり迷子になりました。

ナビで近くまで来ているのは分かりましたが、看板がないので分かりません。

生徒達とやいのやいの言い合いながら探しました。

意外とこういう話し合いは私は好きです。

電話をしたら道路沿いまで出てきてくれ、無事合流できました。

歴史を感じさせる工房に、都会っ子の生徒達は興味津々。

敷地内の小さい池には大きなカエル住んでいて、E君はじっと眺めていました。

スタッフに案内されるがまま、工房に入室。

見たことのない機器が所せましと置かれています。

予想が全くつかない機械で、ワクワクしますね。

生徒達は一通りスタッフの説明を受けてから体験開始。

和紙作りって大変!

植和紙工房では、楮(こうぞ)という木を使っています。

本格的に作るとなると、楮の木を切って皮を剥いでといった、とても地味な作業が続きます。

多くの和紙作り体験場では、最後の工程部分のみを行うことが多い。

植和紙工房も基本的には最後の工程部分だけですが、時期になると楮を切る体験もやっているそうです。

機会があれば生徒達にやらせてみたいですね。

生徒達は紙漉きを行いました。

漉き舟(すきぶね)に原料、水、繊維が分散させないようにする謎の液体を入れます。

そこにスケタという道具を使って、縦横に揺らします。

その揺らす作業が意外と難しい。

こぼさないように。でも、大胆に揺らさなければいけない。

E君:「あぁぁぁ、これは難しいなぁ」

F君:「えぇぇ、これは出来へんで~」

K君:「材料の強化方法に似ている」

K君は材料の研究をしているので、視点が他の生徒達と違いますね。

漉いたところに細かい金箔や銀箔を加えます。

草花を入れることもあるそうですが、今回は男だけということもあるのかな。

生徒達は均等になるよう、そろりそろりと加えていました。

スケタを取り外すと、上の画像のような感じ。

E君:「ウイロウみたい」

F君:「たこ焼きの生地みたいやな」

K君:「豆腐みたい」

といった感じで、様々な感想を生徒達は言っていました。

金箔と銀箔を加えたら、圧搾機で絞ります。

もっと機械的かと思ったら、意外なことに手動でした。

後は時間をかけて水分を抜き、乾燥機にかけて完成です。

和紙作りの工程としては最後の部分だけでしたが、生徒達は結構神経を使うことを学びました。

もし全行程を体験したら、生徒達はどうなっていただろうか?

きっとエピソード記憶として強く残ることでしょう。

全行程を体験させてくれる所がないかな~と思っている今日この頃です。

和紙作りを終えたら秘湯へGO!

和紙作りを終え、乾くまで時間がかかります。

配送もしてもらえましたが、温泉につかってから帰りに受け取ることにしました。

さて、植和紙工房から車で40分ほどの所に有名な秘湯があります。

その名は、入之波温泉山鳩湯。

源泉かけ流しで、泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉。

濃い濃度のため、浴槽は黄金色に染まっていました。

排水口にはつらら状の鍾乳石が出来ていて、いかに濃度が濃いかが伺えます。

肌はスベスベというか、ぬるぬるした感触。

感覚が過敏な子供だと、嫌がるかもしれませんね。

生徒達はまったりと温泉を堪能してから、完成した和紙を受け取りに向かいました。

スタッフは用事があったため、完成した和紙は工房内の休憩室に置かれていました。

完成した和紙はキラキラ光っています。

これを何に使うか、また生徒達に聞きたいと思います。

ひだち教室では、生徒の「やってみたい!」という気持ちを大切にしつつ、自信に繋がる活動も行っています。また、伝統工芸といった日本の文化に触れる機会もたくさん用意しています。

活動に関するご質問、お問合せもお気軽にどうぞ!

>>>お問合せフォームへ

アクセスと地図


近鉄線:大和上市駅からタクシーに乗車。10分ほどで到着。

車:車で向かうことをお勧めします。ナビで検索すると、植和紙工房ではなく、植和紙製造として出てきます。

駐車場:5台駐車できます。

駐車場とは言い難い駐車スペースで、私達が行った時は大木が置かれていました。

ワゴンタイプの車は駐車するのに苦労するかもしれません。

営業時間:8:00~16:00

定休日:なし。

電話番号:0746-36-6134

体験料金:1500円~1800円

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