なぞなぞ料理Vol.1~コミュニケーション能力を育む~
変わった料理にチャレンジするのが好きなひだち教室長の安藤です。
生徒同士がどう仲良くなり、社会性を養うか。
それは特別支援教育の永遠のテーマだと思います。
2年前、大学生と中学生で「英語で料理」という活動をしました。
>>>英語で料理 前編
>>>英語で料理 後編
簡単に言うと、英語で料理をするというものです。
やってみると、生徒達には大盛況でした。
今回は小学生達による活動。
英語は難しいので、別のバージョンを考える必要がありました。
そこで閃いたのが、「なぞなぞ料理」です。
なぞなぞ料理とは?
どんな料理を作るのか?
生徒達には教えません。
また、どんな食材を買うかも教えません。
その代わり、どんな食材を買うかのヒントが書かれたプリントを渡しました。
「薄い」「モーモー鳴く動物」「焼く前は赤色」と書かれた3つのヒント。
スリーヒントゲームの要領ですね。
答えは牛肉です。
生徒達だけで考え、話し合いをし、7つの食材の答えを導き出します。
その後、スーパーで買い物をして料理という流れ。
なぞなぞ料理の意義
・推測する力を養える
・自然と話し合いの機会が発生する
・社会性が養われる(例:折り合いをつける力)
・共感性が養われる
・決断力がつく
・「ま、いいか」精神が育まれる
話し合いをし、折り合いをつけなければ、話しは進みません。
生徒達は正しい食材で美味しい料理を作ることが成功と思っているでしょう。
私はそれは違うと考えています。
自然と話し合いが発生し、助け合い、様々な感情を共感する。
それが成功と位置付けています。
また、間違えても何とかなるという思考になったら、尚良いです。
なぞなぞ料理スタート!
食材のヒントが書かれたプリントを睨めってこする生徒達。
その後、各々がイメージした食材を言います。
話し合いが苦手な生徒達。
私は活発な話し合いがあまりされないと予想してて、介入を考えていました。
ところが、全く逆の反応を生徒達はみせてくれました。
非常に活発な話し合いが展開されたのです。
成長を感じられるその姿に、私は思わずウルっときました。
何故そんな様子が見られたのか?
・ゲーム的な要素が生徒達のコミュニケーション能力を発揮させた
・引っ張っていくタイプの生徒がいない
前者は、予測がつく人は多いでしょう。
後者は、意外性があるかもしれません。
集団の中に頼れる人がいると、その集団は非常に円滑に進みます。
しかし、成長という意味では良い環境とは言えません。
人間は頼れる人がいると、その他の人間は思考を止めてしまうから。
頼れる人がいない環境というのも大事です。
頭から湯気が出る~
7つの食材中4つの食材は早い段階で分かりました。
残り3つに苦戦する生徒達。
何度も話し合うものの、間違いないという答えが出ない。
40分もすると、3人の頭から湯気が出るのが分かりました。
そこで、私は介入を決意。
新たなヒントを提示すると、話し合いは再度活発にされだしました。
確認する大切さに気付く
一つを除いて、どうにか答えを導き出した生徒達。
残った一つについては、ある生徒だけがイメージできていました。
しかし、名前が出てこない。
そこで、スーパーに行ってから皆に教えるということになりました。
調味料は基本的に私の家にあるものを使います。
焼き肉のたれは、中辛しかない。
辛いのが苦手な生徒達は、最初は甘口を買うと言いだしました。
中辛が無理かどうか確認もしないで買うというのは、良くない判断。
確認しないで物事を判断する人間になってしまう。
私は生徒達にそんな人間になって欲しくない。
私:「中辛が本当に無理か確認してから決めるのもアリやで」
強制力がないように伝えました。
B君:「確かに!一度試してみようか!」
Aちゃん:「そうしよう」
C君:「じゃあ、僕がやるわ」
確認のために味見をするという選択肢に初めて気づいた生徒達。
嬉しそうに中辛の焼き肉のたれを味見しました。
Aちゃん:「美味しい」
B君:「大丈夫、辛くない」
C君:「いける!」
生徒達は新しい発見して、目がキラキラしていました。
買う物がはっきりした生徒達は、スーパーへ出発しました。
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