一級建築士指導による本格模型作り~プロの凄さを体感~

細かい作業が苦手なひだち教室長の安藤です。

一級建築士指導によるヒンメリ作りを生徒達は体験しました。

>>>ヒンメリ手作り体験の記事

難易度が高くて大変でしたが、実に貴重な体験を生徒達はしました。

今回は本格模型作り。

一級建築士のプロの業を体験できるので、職業体験とも言えます。

過去10年で一番の難易度と時間がかかった模型作り体験についてのお話しです。

一級建築士指導による本格模型作りの意義

本格模型作りにどういう意義があるのか。

・巧緻性の向上

・立体物の構造を理解

・やり遂げる力を養う

・一級建築士の世界に触れる

・物作りの楽しさを実感する

この中でも一級建築士の世界に触れられることは、何より大きな意義があります。

特殊技能を持った方と出会い、指導を受ける機会はなかなかありません。

大学生のE君とF君、大学卒業したばかりのK君。

小学校高学年のY君は貴重な出会いになりました。

実は今回は実験的な意味合いが大きいです。

・素人がどの程度できるか

・製作時間

・集中力の問題

・サポートの必要性

一級建築士も予想がつかないので、生徒達は厳選しました。

果たしてどうなるか、一級建築士と私は内心ドキドキしていました。

模型作りスタート!

模型の家は、ポケモンの主人公の自宅を参考にしています。

子供にとっては、実在の家よりもアニメに出てくる家の方がモチベーションが上がるからです。

工程は下記のようになっています。

①スチレンボードに描かれた図面をカッターと定規を使って切り分ける

②パーツを綺麗に組み立てるための加工を施す

③ボンドを使って物置(?)となる部分を組み立てていく

④家を組み立てていく

⑤別パーツの屋根を貼り付ける

⑥三角窓の屋根を作る

スチレンボードに印刷された図面は、予め一級建築士が作ってくださいました。

計算づくされた図面。

それを見るだけでも生徒達は「すげ~」と言っていました。

指示されたパーツをカッターと定規を使って切ります。

カッターは一級建築士も使っている物を使用。

切れ味抜群でスパっと切れます。100均のカッターとは雲泥の差です。

それ故、扱いは慎重を要します。

刃は頻繁に欠けるので、その度にカッターの刃を意図的に折ります。

意図的に刃を安全に折る経験のない生徒達は、最初かなりビビりました。

上の画像はY君が刃を折る時のもの。

皆間違って刃が飛んでくることを恐れて、避難しています。

最初こそこんな状況でしたが、全員折るのに慣れてくると、怖がることはなくなりました。

やっぱ慣れって大事ですね。

切ったパーツをボンドを使って貼りつけていきます。

多すぎず、少なすぎずの絶妙な量で塗る必要があり、神経を使います。

貼り付ける量が多いので、生徒達はずっと下を見続ける。

すると、首周りの筋肉が固まっていきます。

これが地味に辛い。

生徒達は固まった首をほぐすために、何度も首を回していました。

物置(?)の部分が完成するのに、2時間近くかかりました。

まだ全体の1/4なので、生徒達は絶望。

同時に、あっという間に2時間過ぎていたことに驚いていました。

昼食を挟んで続きを作ります。

家のパーツは大きいので、生徒達は切るのも貼るのもそれほど苦労はしていませんでした。

徐々に巧緻性が上がってきたのと、慣れてきたというのも大きいでしょう。

とはいえ、やるべき量は多い。

より立体的に見せるために、屋根にベニヤ板を貼り付けます。

ベニヤ板は、お客さんがより具体的にイメージを持てるための工夫だそうです。

確かに、ベニヤ板を屋根に貼ると貼らないとでは見た目が全然違います。

7時間(45分休憩含む)かかって、ポケモンの主人公の自宅が完成。

内装や玄関といったところは、時間と生徒達の疲労度を踏まえると無理でした。

とはいえ、十分プロ級の仕上がりになっています。

本当に頑張ったと、心から思います。

本格的故の難しさとは?

どういった難しさがあったのか?

一言で言い表すのは難しいですが、「絶え間ない細かな作業の連続」といったところでしょう。

パーツとパーツを隙間なく貼り付けるには、画像のようにスチレンボードを紙一重に切る必要があります。

紙一重に切るには、とてつもない集中力と自分流の切断方法を編み出さなければいけません。

一級建築士も失敗する箇所でもあるので、素人は上手くいかないのが普通。

しかし、生徒達は徐々に慣れてきて「俺ってすげー」と自己肯定感が高まっていました。

模型作りは疲労と筋肉の硬直との戦い。

5時間経過した辺りで、生徒達は限界を迎えます。

そんな状態の時に、さらなる細かな作業が待ち受けていました。

それが三角窓の屋根。

向きを間違えずに貼り付けます。

疲労で頭が働いていない生徒達は頻繁に向きを間違えました。

終わった瞬間、全員「終わった~!!」とガッツポーズをしていました。

それほど大変でした。

K君は身体を動かすことも好きですが、それとは全く異質の疲労感だったとのこと。

疲労感は翌日も残ったようで、学校を休んだそうです。

保護者は「ズル休み?」と思ったそうですが、私はその大変さを目の当たりにしています。

「本当にしんどいと思うので、出来れば休ませてあげて欲しい」

と、お願いしました。

今回の模型作りで、省略すべき点などが見えました。

サイズをもう少し大きくすれば作りやすいのですが、大きくするとちゃちく見えるとのこと。

1/100スケールのこの大きさが丁度いいサイズなんだそうです。

さすがプロの世界、計算尽くされていますね。

低学年でも作れるよう、私も考えていこうと思います。

そして、出来れば秋頃に他の生徒達にも体験させたいですね。

本格模型作りを体験した生徒達

生徒達に感想を訊くと、驚きの感想が聞けました。

E君:「大変だったけど、達成感がある。また作りたい」

F君:「めっちゃしんどかったけど、不器用な自分が作れたのに驚いた」

K君:「やっぱ物作りって面白い」

Y君:「楽しかった。紙一重に切るところが特に楽しかった」

あれほど、大変だったのにポジティブな感想ばかりでした。

やってみないと分からないものですね。

生徒達にとって、貴重な体験になりました!

ひだち教室では、生徒の「やってみたい!」という気持ちを大切にしつつ、自信に繋がる活動も行っています。興味・関心の範囲が拡がるよう、プロの業に触れる機会も提供しています。

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