小学生達の初めての宿泊活動Vol.6~二日目の後編~

決断するという経験が成長には不可欠と思っているひだち教室長の安藤です。

宿泊活動二日目のお話をしようと思います。

過去の記事については、下記をクリックください。

>>>初めての宿泊活動Vol.1の記事

>>>初めての宿泊活動Vol.2の記事

>>>初めての宿泊活動vol.3の記事

>>>初めての宿泊活動vol.4の記事

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宿泊活動をする理由

宿泊活動は時間があります。

だからこそ、普段出来ないことに時間をかけることができる。

・現在、どの程度の生活スキル力があるのか?

・どういうことを苦手としているのか?

・長時間親元から離れるとどういう心理状態になるのか?

・自立心がどの程度芽生えているか?

といったことが見えてきます。

こういった情報は、指導方針や環境設定を作る時に役立ちます。

また、宿泊活動をする別の理由があります。

・保護者に休んで欲しい

ほんの少しでも、育児から解放されるというのは大事。

それが良好な親子関係を維持するのに役立つからです。

我が子が宿泊活動している間に、飲みに行こうと計画を立ててた保護者もいました。

どうぞどうぞって感じです。

どこへ行こう?

宿泊活動二日目は、どこに行くか決まっていません。

私が決めるのは簡単ですが、それではせっかくの宿泊活動が勿体ない。

・どこに行きたいかを事前に考える

・話し合いをする

・折り合いをつけて決断する

ソーシャルスキル、ライフスキルの観点から、上記の3つはとても大事。

生徒達は初めての経験なので、時間はかかります。

でも、何度も経験していくことで出来るようになります。

その第一歩ですね。

因みに、二日目からは中学生のI君が合流します。

熱気を帯びる話し合い

行き先の候補は事前に生徒達から聞いています。

候補先を文字に起こし、それを見ながら話し合い開始。

何故そこに行きたいかを説明してもらいます。

話し合いは白熱しましたが、一向に決断にまで至らない。

本来なら私はノータッチで見守ります。

しかし、生徒達には決断に至るまでの道筋が分かっていませんでした。

話し合いで大事なのは、選択肢を絞るという行程。

その絞る方法を分かっていなかったので、教えることにしました。

選択肢は全部で7つ。

それらをいくつかに絞っていくために、挙手してもらいました。

何度でも手を挙げて良いというルールにして。

7つから5つへ。

5つから2つへと選択肢は狭まりました。

京都水族館か、京都鉄道博物館。

生徒達はどっちにするか、悩んでいました。

すると、中学生のI君が「両方行こう!」と言い出しました。

二択だったのが、三つ目の選択肢が生まれた瞬間です。

他の生徒達も、同意しました。

時間的に結構カツカツでしたが、それを承知の上での決断なので良いと思います。

この経験で、生徒達はどれほどの学びになったのか。

それはまた話し合いをした時に分かることでしょう。

おにぎり作りも経験の差が出る

昼食用におにぎりを作りました。

中身の具は、昆布と梅干しの二択。

のりを巻くか、ふりかけをかけるか、塩だけにするか。

決断は生徒達自身に委ねました。

その結果、全員、塩むすびを選びました。

これは意外ではありません。

これまでの生徒達も、共通して塩むすびを選択します。

のりを巻いたおにぎりを作った生徒は0人です。

不思議な共通点ですね。

小学生となると、おにぎり作りは誰もが経験しています。

簡単だけど、経験数は如実に表れます。

おにぎりを握る経験が多い生徒は、適度な固さと形になります。

経験が少ない生徒は、握りが弱い。

それ故、崩れやすかったです。

おにぎり作りは手の感覚の訓練にもなるのでお勧めです。

京都水族館

京都水族館は皆楽しんでいました。

思い思いで楽しむかと思いきや、共感しながら見て周っていたのが印象的。

オオサンショウウオの背比べを見ると、大きさにビックリですね。

クラゲの展示に、C君はとてもテンションが上がっていました。

ペンギンルームは独特な匂いがして、嗅覚が過敏な私は結構きつかったです。

生徒達は全然気にする様子がなく、皇帝ペンギンの大きさに驚いていました。

京都鉄道博物館

京都鉄道博物館は、ロマンを感じる施設。

電車好きにはたまらないでしょう。

しかし、電車に興味のない人にとってはつまらない。

Bちゃん「別に電車は興味ないんやけどね」

ボソっと私に言ってきました。

電車に興味がなくても、楽しめる体験がありました。

線路の上を自転車のようなもので漕いで走るというもの。

Bちゃんも嬉しそうに漕いでいました。

体感できるものがあるというのは、興味がなくても楽しめるから良いですね。

分けて食べるという選択肢と人生初の食べ物

鉄道博物館内には、レストランが入っています。

昼食はおにぎりだけだったため、お腹が少し減っている生徒達。

C君は普通にうどんを注文して食べていましたが、他の生徒達は違います。

お腹は少し減っている。

でも、普通に注文するとお土産を買えるか不安。

生徒達は悩んでいました。

そこで、私はこういう方法もあるんだと教えました。

私「皆で少しずつお金を出して、1つのうどんを分けて食べる」

私「そういう選択肢もある。どうするかは自分達で話し合って決めれば良い」

D君「良いかもね」

Aちゃん「そうする」

Bちゃん「そうする」

色んな場面で選択肢を増やすには、「なるほど」という経験があると増えやすい。

お腹はあまり満たされていないでしょうが、心は少し満たされた生徒達でした。

スタッフはうどん定食を注文しました。

定食にはいなり寿司がついており、Aちゃん、Bちゃん、D君に食べるか訊きました。

すると、AちゃんとBちゃんが食べると言いました。

予想外だったのが、偏食の強いBちゃんが「食べる」と言い出したこと。

そのチャレンジ精神は素晴らしいですね。

「なんじゃこれ?」といった表情をしながら、人生初のいなり寿司を食べるBちゃん。

私「どう?」

Bちゃん「普通」

普通と言いながら、二口で食べきりました。

Bちゃんにとって普通ではなかった事が普通になった。

これほど嬉しいことはないですね。

宿泊活動というのは不思議なもので、チャレンジ精神がわきます。

これだから、宿泊活動はやめられない。

生徒達の様子を観ながら、定期的に宿泊活動をしたいですね。

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