大人のためのSST~人に頼ることができない原因を考える~

大人になっても学びの場がいると思っているひだち教室長の安藤です。

大学生と社会人の2人。

たまたま似たような問題が生じて、困り感が出てきました。

そこで、臨床心理士のスタッフにお願いしました。

大人向けのSSTをして欲しいと。

先日、実施したので少し触れたいと思います。

今回は根っことなる原因を考察します。

大人のためのSSTは何故必要?

ひだち教室には、15年以上関わりのある生徒が複数人います。

15年も関わっていると、目の当たりにすることがあります。

それは、困り感が変わっていく様子。

特に大学生と社会人は、これまでの学生時代とは違った困り感が出てきます。

また、私はひだち教室の活動で、大人ならではの要求を生徒達に求めています。

そうすると、さらに隠れた困り感が見えてきます。

その困り感の一つが、人に頼れないということ。

心を病んでいれば、まずはカウンセリングでしょう。

でも、生徒達は心を病んでいるわけではありません。

なので、原因や仕組みづくりといったことを、SSTを通して学んでいく必要があります。

人に頼ることが出来ない原因を考える

子供の内は人に頼ることが出来ても、環境によっては人に頼ることが出来なくなるケースがあります。

実際、今回参加した大学生の生徒がそうです。

幼児~中学生の間は、人を頼ることが出来ました。

むしろ、頼り過ぎと思ったぐらい。

しかし、高校時代の環境によって、人に頼ることが出来なくなりました。

その他に、心理面や障害特性が原因となることがあります。

今回はその辺りについて触れたいと思います。

頑張り過ぎる人ほど人に頼らない思考になる

今回SSTを受けた生徒は、高校時代はとにかく勉強勉強という学校でした。

そこで凄く頑張った生徒は成績が上がり、結果が出ました。

一種の成功体験です。

そんな学校環境に身を置き、成功体験を積んだことで、頑張ることの大切さに気付きました。

そこまでは良い。

問題は、頑張り過ぎていること。

頑張り過ぎる人は、人に頼ることを良しとしない思考に陥ります。

恥ずかしいというより、

・頑張れば出来るという思い込み

・頑張らなければいけないという強い思い込み(強迫観念に近い)

その思い込みが、人に頼るという選択肢を消してしまうのです。

学生の間はそれで良くても、社会人になると報連相の欠如にも繋がります。

プライドの高さから人に頼れない

プライドの高さ故に、人に頼れないという人もいます。

プライドは生きる上で大事です。

根拠のあるプライドを持ち合わせていれば、実は人に頼れます。

根拠のないプライド、中身が伴っていないプライドを持っている人ほど人に頼れません。

今回参加していない生徒に、このタイプがいます。

社会人になった時に、より顕著に生きづらさが出てくると予想しています。

取捨選択ができない

自分のキャパを超える情報量が一度に入ってくると、取捨選択が出来なくなることがあります。

この事案は人に頼って、この事案は自分で解決するといった取捨選択です。

知的障害がある人、ワーキングメモリーが低い人はそんな状態に陥りやすいです。

人に頼るスキルがあっても、脳内でパニックが起きているので、実行機能が上手く働かないのです。

失敗体験を積み過ぎて不安が強化される

失敗体験を積み過ぎた事で不安が強化され、人に頼れなくなったというケースもあります。

今回参加した社会人の生徒はこれも当てはまります。

失敗を積み重ねるのは何かしら理由があるので、一つに絞ることはできません。

あくまで複合的な理由。

失敗すれば人に頼れば良いと思うかもしれません。

それは適度に失敗をし、自己肯定感がある程度ある人が思うこと。

障害特性があると、失敗の数は定型発達の人と比べると圧倒的に多い。

失敗を恐れるようになるというより、周りの人間の反応を恐れるようになるのです。

失敗した時の周りの人の怒った表情、呆れた表情、蔑んだ表情。

こういった表情を嫌というほど見るので、怖くなります。

そして、怖いが積み重なり、不安が強化されていきます。

次回に続く。

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