段ボールハウス作り~片付けを子供自身でするのは将来役立つ~その2
準備と片付けスキルは仕事に役立つと実感しているひだち教室長の安藤です。
前回は準備とその過程をお話ししました。
今回はその続きです。
Contents
段ボールハウス作りの意義
段ボールハウスは簡単に済ませようと思えば、いくらでも簡単にできます。
段ボール、ガムテープ、ハサミを用意すれば作れます。
しかしそれでは教育的意義がありません。
私は将来を踏まえたことをねらいとして設定しました。
・一から準備をする大切さを学ぶ
・社会を知る
・社会性を養う
・自己責任を養う
・出来ることを増やす
・片付けの仕方と大切さを学ぶ
段ボールハウス作りをするなら、想像力を養うようなものがあります。
しかし、今回は想像力関係は外しました。
生活で実用的なことを優先したいと思ったからです。
イメージを形にする
イメージしたことを形にする力というのも大事です。
Bちゃんがイメージしたのは、自分の部屋。
部屋なら、本棚があるでしょ!
ということで、手頃な段ボールを使って本棚にしていました。
Bちゃんは可愛くしたいという思いは常日頃あります。
Bちゃんは教室にある可愛いシールを貼りまくりました。
しばらくすると完成。
Bちゃんは可愛くなった本棚に漫画を入れ、満足気な様子でした。
話し合って決断していく
段ボールハウス作りの過程で、必然的に話し合いが発生します。
持参したシールや教室のシールをどうするか?
誰が使うか?
何を使うか?
3人は日頃の活動の効果もあって、話し合いは決結構スムーズ。
しかし、生徒達は決断しにくいこともあり、何度か困った表情をします。
「使っていいのかな~?」
そんな時、生徒達は遠まわしに私に使って良いか訊いてきました。
でも、私は決断力を求めているので、あえて突き放しました。
「これ使ったらいいんちゃう」
そんな私の態度を見て、最終的に生徒達は決断を下していました。
居心地の良い秘密基地
完成した段ボールハウス。
私としては、もっと立体的なハウスをイメージしていました。
どうやら、違ったようです。
段ボールで区切っていく感じのハウス。
ハウスというより、むしろ秘密基地っぽさがありますね。
また機会があれば、段ボールで立体的なハウスの作り方を教えようと思います。
それにしても、3人ともリラックスしすぎでしょ(笑)
片付けは力になる
片付けは別日に実施しました。
片付けをするに当たり、ルールを設けました。
ルールを設けないと、途中で集中力が途切れて、動きが止まると予想したからです。
ルールをホワイトボートに書いたのは効果てき面。
全員、作業が止まることなく進めていきました。
段ボールは適度なサイズに切る必要があります。
口頭では理解が難しいので、見本となる段ボールを予め用意。
視覚的に提示したことで、生徒達は悩むことがありませんでした。
片付けも自然と協力プレイが発生します。
社会性を養えつつ、効率的な動きも学べる。
1人でやるべきか、複数人でやるべきか。
そういった判断も学べます。
片付けは面倒ですが、学びは多いです。
カッターの扱いに自信がついた生徒達
2日目となると、カッターは全員が自信を持って使えるようになりました。
怖がることなく、協力しながらサクサクと切っていく生徒達。
頼もしい光景です。
手先が不器用でも、出来るという手応えを掴んだら出来るようになります。
不器用さが改善されたとは違います。
出来るという確かな自信が、その動きが出来るようにするのです。
足を使うは意外と知らない
片付け中に、大きな段ボールをどう処理するか。
段ボールを半分に畳めば良いのですが、生徒達はカッターで切ろうとしていました。
それも一つの手。
もっと楽な方法として、足を使って半分に折るというのを教えました。
足を使うという発想は、意外と子供にはありません。
家庭でそういう場面を見たり、体験する機会がないからです。
生徒達に見本を見せると、「なるほど」といった表情をしていたのが印象的。
実際やってもらうと、そう簡単なことではないようです。
見て理解するのが苦手なタイプの生徒は苦戦していました。
片手で段ボールの端を持って斜めにした状態で、段ボールの真ん中を踏む。
この同時作業が難しい様子でした。
協力して紐を切る
段ボールを結ぶための紐も切ってもらいました。
見本となる紐を用意したので、それを参考に協力して切ります。
紐と紐の端を持つ×2人、ハサミで切る人。
お互いイメージしていることを言い合いながら、作業を進めました。
紐を結ぶ
ちょうちょ結びは全員出来なかったため、練習するいい機会になりました。
Cちゃんは言語化すると理解しやすいので、言語化しながら指導。
D君は見て理解する力があるので、比較的早くできました。
Bちゃんはなかなか出来なくて泣きそうになっていましたが、根気よく指導。
最終的には全員ちょうちょ結びを出来ました。
1人で出来るようになるには、それだけの経験値が必要。
またちょうちょ結びをする機会を作りたいですね。
新しい遊びを学ぶ
大きな段ボールがあったら、子供は入りたくなるものです。
ところが、生徒達は段ボールに入るという遊びが起きませんでした。
そういう遊びをしたことがないのかもしれません。
そこで、私がおどけながら段ボールに入って手本を示しました。
その様子を見た生徒達はテンションが急激にアップ!
そこからは、子供特有の遊び方が行われました。
段ボールを被ってノコノコ歩き。
段ボールに入って上から別の段ボールを被せる。
こういった遊びは新鮮だったようで、とても楽しげでした。
段ボールハウス作りの活動は、3日に分けて行われました。
生徒達は遊びの中で、将来役に立つ力も養えたことでしょう。
もしまたやる時は、立体的な段ボールハウスの作り方を教えようと思います。
ひだち教室では、生徒の「やってみたい!」という気持ちを大切にしつつ、自信に繋がる活動も行っています。また、将来役に立つ力を養えるようなこともプログラム内に組み込んでいます。
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