幼児の友達作りの方法~介入と見守りはバランスが大切~

見守りと介入の判断を得意としているひだち教室長の安藤です。

前回のブログでは、皇子が丘公園でBちゃんの行動の変化について書きました。

>>>皇子が丘公園でチャレンジ活動の記事

今回はもう一つのねらいについて書きます。

皇子が丘公園での活動のねらいを再確認すると、

・できる行動(遊び)を増やす

・公園内にいる子供達と上手く関わる

不安先行タイプのBちゃんは練習の結果、3種類の行動(遊び)が増えました。

その練習の最中、ある女の子と出会うことで2つめのねらいを達成することになります。

子供同士が上手く関われる方法

子供(特に幼児)は初対面の子供とでも、自然と一緒に遊びだすことがよくあります。

しかし、子供のタイプによってはなかなか難しいことも。

では、Bちゃんはどういうタイプか。

・誰かと一緒に遊びたいという気持ちがある

・気になる子供がいたら近づく

・近づくが「一緒に遊ぼう」とは言えない

・キッカケがあれば仲良く遊べることもある

・遊びから勝負ごとになると上手く関わりにくくなる

女の子ということもあってか、遊びから勝負ごとに発展することはあまりありません。

気になる子供がいたら近づきますが、声をかけられないので側で遊ぶだけという感じになりやすい。

しかし、ちょっとしたキッカケがあれば一緒に遊べる力があります。

そのキッカケを大人である私が作ることにしました。

子供同士が上手く関わって遊べるようにするには3つの方法(段階)があります。

・大人が仲介者になる

・仲良くなるまで大人も一緒に遊ぶ

・見守りながらも学びを与える

大人が仲介者になる

私達が皇子が丘公園に行った時は、たくさんの幼児が遊んでいました。

誰かと仲良くなれる可能性は高いですが、Bちゃんに「誰かと一緒に遊んできたら」と言うのは酷な話し。

私はBちゃんに指導をすると同時に、仲良くなれそうな子供を探しました。

私は長年の経験で、仲良くなれそうな子供探しの基準というものがあります。

・子供が子供(Bちゃん)の周りをウロチョロしている回数

・子供が子供(Bちゃん)を見ている回数

・私と子供の目が合うか合わないか

・私と子供との距離間

全ての子供は、気になる子供がいたら無意識に気になる子供の近くに寄ります。

また、離れていても見ていることが多いです。

発見するには時間がかかりますが、今回は意外と早く発見しました。

Bちゃんが巨大ジャングルジムで練習をしていると、頻繁に私の視界に入る子供がいました。

その女の子はBちゃんの練習する様子をじっと見ており、Bちゃんを指導している私とも目がよく合いました。

疑問から確信に変えるために、私とBちゃんは別の遊具へ移動しました。

隕石が落ちた跡のような遊具。

Bちゃんは怖がることなくしばらく遊んでいると、女の子がやって来ました。

しかもわざわざ私の近くでズリズリと滑り落ちて遊びだしました。

そこへBちゃんがやってきたので、私は蟻地獄のようにBちゃんと女の子の足を掴んで底へ引き摺り落としました。

顔を見合って喜ぶ二人。

共感しあえた二人はお互いを意識し、一緒に遊びだすようになりました。

引き摺り落とすというたったこれだけのことですが、上手くキッカケ作りになって良かったです。

仲良くなるまで大人も一緒に遊ぶ

女の子はカナちゃんという名の4歳児。

カナちゃんはマイペースでそれほど遠慮している部分はありませんでしたが、Bちゃんは年上ということもあってか、どう関われば良いかを模索しながら関わっている印象でした。

模索するのは良いですが、考えすぎて遠慮しだすと上手く関われなくなることもあります。

そこで二人に混じって私も遊ぶことにしました。

二人は一緒に遊ぶけどまだ上手く関われていない様子。

むしろ私を介して遊ぶ方が上手く関われていました。

しばらく遊んでいると、急な階段を下りるのがBちゃんには出来て(出来るようになった)カナちゃんには出来ないことが発覚。

その事実を知ったBちゃんはお姉ちゃん気質を発揮。

「こうやって下りるんだよ」

と言って、私から学んだ下り方をカナちゃんに教えだしました。

Bちゃんはカナちゃんに対する関わり方のコツに気が付いたようで、そこから遠慮しなくなりました。

それ以降、二人は私の存在を気にする様子がほとんどなくなったので、私は見守ることにしました。

一般的に、子供同士で遊んでいると大人は見守ることが多いと思います。

遊んでいれば勝手に仲良くなると思いがちですが、そうでないこともあります。

出来れば最初の内は大人が介入(一緒に遊ぶ)し、徐々に見守りに移行するというのが理想です。

見守りながらも学びを与える

本当の意味で一緒に遊びだした二人を、私とカナちゃんの祖母は見守りました。

見守りは大切です。

子供の自主性を育むだけでなく、子供を信頼をしているという態度でもあります。

見守るだけでも十分意義はありますが、学びの機会を設けるのもお勧めです。

というのも、子供は同じことを学ぶと共感性が高まり、より一層仲良くなるからです。

学ぶことが多いと記憶として残りにくいので、1~2個程度が良いと思います。

私は主に下記の2つを教えることが多いです。

・安全に遊ぶ方法(危機回避スキル)

・助け合いの方法

二人は幼児なので、助け合いの方法を教えると逆に危険な状態に陥ることが考えられます。

幼児にはまず危機回避スキルを指導すべきですね。

どんな事を教えようかと考えていたら、カナちゃんは縄はしごを上っている時に突然両手を離してしまって地面に落ちました。

幸いケガはありませんでしたが、何故そうなったのか本人には自覚がありませんでした。

私はBちゃんとカナちゃん二人に安全な上り方を指導しました。

その指導により、二人は縄はしごを上りきるまで気を抜かないようになりました。

また、お互いの動きを見る頻度が多くなったのは印象的でした。

クールダウン中の二人は実に仲睦まじい様子で、とても初対面には思えません。

また会う機会があったら良いなと思いながら、帰路につきました。

ひだち教室では、子供同士が上手く関われるようキッカケを作ったり、さりげなくサポートをします。それが子供の成功体験にもなり、心の安定や自信にも繋がります。

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