ゲームを上手く活用する方法

ゲーム大好きのひだち教室長の安藤です。

私が関わってきた発達障害のある子供達は、ほぼ全員ゲームをやっています。

それほど発達障害のある子供達にとっては、なくてはならない存在です。

今回はゲームの存在意義、発達障害のある子供達がゲームを上手く活かせていないお話をします

ゲームの存在意義

ゲームの存在意義は人によって違うと思います。

・楽しむために

・暇つぶしとして

・自分を支える物として

・話のネタを作るために

・コミュニケーションツールとして

この中で焦点を当てたいのは、ゲームはコミュニケーションツールとして優秀だということ。

特に昨今ではオンラインゲームが盛んなので、ますますコミュニケーションツールとして活用できます。

ひだち教室でも、たまにテレビゲームを教材として使用することがあります。

ゲームで能力を高めるといった類ではありません。

人と仲良くなるために後押ししてくれるツールとして使用しているのです。

アイスブレイキングとしてゲームを活用した成功事例

なかなか生徒同士の距離が縮まらないグループがありました。

ある日、アイスブレイキングの一つとして、ゲームを持ってくる事を許可しました。

皆ゲームが好きなので盛り上がるだろうと私は予測していました。

ところが、生徒達は一緒に遊びませんでした。

何故なのか?

・一人でゲームをするのが当たり前で一緒にプレイする楽しさを知らない

・遊びに誘うというスキルが身についていない

・遊びに誘っても断られるケースを体験しすぎて誘えなくなった

私は上記のことを推測しましたが、どのパターンも支援としてやることは同じです。

それは大人(指導者)の介入。

強制的に、全員で同じゲーム(3DSのマリオカート)をプレイすることにしました。

初めは強制なので、快く思わない生徒もいました。

しかし、私も一緒にプレイしていくと生徒達の表情が良くなっていき、私を介して生徒同士で会話をするようになりました。

しばらくして私は途中から抜け出し、生徒達だけでやらせてみました。

すると、皆ゲームを通して会話をし始めたのです。

コミュニケーションをとるのが苦手な生徒達が自然と言葉を交わす様子を見た私は、鳥肌が立つほど感動しました。

生徒達の距離感が縮まり、ゲーム以外の場面でもコミュニケーションを図る様子が見られるようになりました。

ゲーム自体はオーバーアクションで生徒達を盛り上げようとしてくれます。

そのアクションに生徒達は反応し、背中を押されるようにして言葉が出ます。

それが他の人と言葉を交わすキッカケになっているのだと私は考えています。

ゲームに懐疑的な保護者に、生徒達がゲームをしている時の動画を見せると、ビックリしつつ喜んでいました。

保護者のゲームに対する見方が変わって、嬉しかったのを覚えています。

余談ですが、仲良くなりやすいと感じたのは、ルイージーマンションやWIIのマリオ(名前忘れました)といった協力プレイのゲームです。

ゲームが好きでも上手く活かせていない

ゲームを通して上手くいった事例を書きましたが、上手く活用できていない事もよく耳にします。

その一例をご紹介したいと思います。

私が実際関わった生徒達です。

押し付けてくる小学生

他の子供と遊ぶことが苦手な生徒。

学校では自由帳に何か絵を描いて昼休みを過ごすことが多かった。

そんな生徒はある時を境にマリオ好きになりました。

自分が考えたオリジナルステージをノートに描きだすほどマリオゲームに夢中になりました。

そして生徒はマリオメーカーを購入してもらい、オリジナルステージを大量に作成。

作ったステージを他の子供達にプレイしてもらいました。

生徒はステージの絵を見せながら思い描く世界を長々と説明するのがとても楽しい。

しかし、聞かされる側は楽しいというより、戸惑いの方が大きく、若干引き気味になります。

生徒はASDの特性故に引かれている事に気づかず、作成したステージをプレイさせます。

はたから見たら、押し付けるような強引さがありました。

その結果、生徒と他の子供達との心の距離が開くようになりました。

興味が広がるキッカケのない中学生

中学生になると、プレイするゲームの好みが変わります。

バイオハザードなどの大人向けなゲームもその頃にやり始めます。

良いか悪いかの賛否はあると思いますが、見方によっては世界観が拡がる機会になっています。

プレイしている人も多いので話しがかみ合いやすく、共感性を得られやすいと思います。

好みが変わる要因として心の成長というのもありますが、友人の影響を受けて変わることが多いです。

では、友人がいない場合はどうなるか?

人によって違うとは思いますが、昔私が担当していた生徒は我が道を突き進みました。

その生徒は中学生になってもマリオシリーズしかしませんでした。

一人で楽しむ分には全然OKです。

しかし、同じ年代の子供達はあまりマリオをしなくなっているので、話しがかみ合わない。

他のゲーム(例:ゼルダ)の話を振られても知らないため、友人を作るのに難儀しました。

ゲーム好きを公言するなら、かじった程度で良いので、色々なゲームを知っておくのも必要ですね。

関連記事

  1. 信じたいのに信じられない原因とは
  2. アスペルガー症候群の対人関係の難しさ
  3. サバゲーと発達障害~特性を活かしながらトレーニング~
  4. 発達障害者の一人暮らし体験~見えてきたものとは?~
  5. 正義と悪の違いを教えるのは簡単なようで難しい
  6. チャレンジは心が育つだけじゃない~ADHD編~
  7. ハロウィン~カボチャのランタン作り①~
  8. ADHDへの対応と活かし方

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ひだち教室 Facebook

PAGE TOP