凧揚げをする理由とコツ

先日、レッスンで生徒と共に凧揚げをしました。

凧揚げをわざわざレッスンでやるからには理由があるはず。でも、分からない。

そんな声を耳にしましたので、今回は凧揚げをした理由と凧揚げのコツについてお話ししたいと思います。

子供にとって簡単ではなかった

凧揚げなんて簡単だと言う人もいますが、それは子供によって変わってきます。

手先の不器用さや体の使い方、メンタルボディマップといったものが上手く形成されていないと、高い難易度と感じます。

今回指導した生徒はそれらが上手く出来ていない部分もありましたが、それらを高めるというよりも、自己肯定感を高める手段として用いました。

自己肯定感を高めるには、ある程度苦労して成功体験に繋げればいけません。

こちらが全て用意して教えるだけでは、成功体験としては薄く、自己肯定感は高まりにくいです。

今回は苦労してもらいました

まずはモチベーションを上げるために、凧を一緒に購入するところからスタートしました。

勿論単純に購入するだけではありません。

ソーシャルスキルトレーニングを意識して活動しています。>>>テスト(検査)では見えない認知特性の記事

凧を購入した時は想定していたよりも苦労したので、一緒に買いに行った意味は十分あります。

凧を購入してモチベーションを上げてから、次は凧揚げの仕方を生徒と一緒にYouTubeを見てチェックしました。

チェックをする時は注意点があります。

注意の散漫があったり、見ているところが違うタイプの場合は、言語化させながらチェックをしてもらう必要があります。

そのやり方は手間がかかりますが、生徒がどこを見ているのかが分かるという利点と、注意が向きやすくなるという利点があります。

そのため、動画を見ながら逐一言語化してもらい、理解を深めてもらいました。

そういうやり方に慣れていないので、子供にとってはしんどかったかもしれません。

でも、そのしんどさ(苦労)が自己肯定感を高める要素の一つになります。

凧作りもしてもらいました。

骨組みである棒を一本設置するだけの実に簡単な作業で、直観的に分かるかもしれません。

でもあえて説明書を読みながら作ってもらいました。

面倒くさいですが、目的が凧揚げることではなく、自己肯定感を高めることなので、苦労してもらいました。

場所は浜大津なぎさ公園

凧の揚げ方を動画で確認し、凧が上がる理屈も学びました。

後は場所を見つけ、実践あるのみです。

凧を揚げるには、広くて電柱が周りにない公園が適しています。

風がよく吹くと尚良いのですが、そんな理想となる公園が教室から徒歩5分の所にありました。

浜大津なぎさ公園という琵琶湖沿いにある公園です。

広くて、風もよく吹く理想の公園です。

滋賀県に教室をつくって良かったと思える瞬間でした。

まずは生徒一人でやってもらいました。どういう行動に出るかを知るためです。

すると、調べた事をすっかり忘れている様子で、自分の好きなようにし始めました。

何度やっても揚がらないので、そこでヒントを言いました。

私「糸は何メートルが理想と書いてあった?」

生徒「5m」

何が書いてあったかは覚えていました。

予め用意しておいたメジャーを取り出して測ることに。

勿論自分で測ってもらいます。

メジャーを持ちながら糸も伸ばしていくので、やりにくそうにしていました。

長さは決まりましたが、次は風が吹く方向を意識出来ていなかったので、風はどの方向に吹いているかを質問。

「こっちからこっち」と、指で風の流れを表しました。

風の流れが分かった上で再びチャレンジしましたが、なかなか揚がりませんでした。

何がダメなのか、じっくりと生徒のやり方を見ていると、分かりました。

凧を持って走ってる時に、風を十分受け切っていない状態で凧の糸を離していたため、上に揚がらなかったのです。

揚力とか難しい言葉を言っても分からないので、「凧が自分の頭よりも上に揚がったら糸を離し」と伝えました。

その説明は分かりやすかったようですが、タイミングは分からなかったので、しばらくは私の合図で揚げるという練習方法をとりました。

練習していく内にコツが分かるよになり、一人で揚げられるようになりました。

最終的には私が揚げた凧よりも高く揚がり、内心悔しかったです(笑)

ここ最近にはなかった喜び

凧を揚げられた生徒は、物凄く喜びました。

生徒は凧揚げの楽しさを知っただけでなく、色々なことを学べたようです。

風には流れがあり、方向が変わること。知識としてはあったが、それを意識して体感できたのは初めてのようです。

凧揚げをしていると、多くの人が注目してくれる。

これは私も予想してませんでしたが、たくさんの人々から注目を浴びました。

子供は多かれ少なかれ、人の注目を浴びたいという思いがあります。

良い意味で注目をしてもらえていることに気が付いた生徒はテンションが上がり、保護者に何度も伝えていました。

自己肯定感を高めるという当初の目的は達成できました。それは生徒の様子と目の輝きを見たら分かります。

凧揚げと言えども、目的をどこに設定するかで凧揚げをする理由は大きく変わり、効果にも違いが出てきます。

次はどういう事をして自己肯定感を高めるか、考えていきたいと思います。

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