発達障害と箱館山スキー場~活動中の出来事~

スキー場で走り回って足がパンパンになったひだち教室長の安藤です。

箱館山スキー場でスキー体験をした生徒達。

活動中は色々なハプニングが起きました。

そして、障害特性による影響も様々な場面で観られました。

今回はそんなお話しをしたいと思います。

走り回った箱館山スキーの思い出

外で活動をしていると、メインとなる活動(今回ならスキー)以外で様々なことが起きます。

それが発達障害の難しさでもあり、予測できない部分。

そして、学びのチャンスでもあります。

今回私はスキー場を右往左往と走り回りました。

おそらく、誰よりも汗をかいた気がします(笑)

こだわりが視野を狭くする

大学生の生徒達には、基本的に自分達の判断で動いてもらうようにしています。

年齢が高い場合は、出来る限りノータッチの方が自己肯定感を維持しやすいため。

集合場所と集合時間を決めて、私は大学生達を待っていました。

ところが、4名中2名が集合時間になっても来ない。

さすがに何かあったと思い、様子を見に行くと、ロッカーの前で生徒達は立ち尽くしていました。

・ロッカーが壊れていて、使えない

・道具をレンタルするための用紙を無くした

これら二つが原因。

私が確認すると、ロッカーは壊れていませんでした。

生徒はお金をコイン投入口ではなく、コインの出口に入れようとしていたのです。

経験の少なさと、「ここから入れるもの」というこだわりが視野を狭くしていたのでしょう。

レンタル用紙は、ウェアの下に着てる服のポケットから出てきました。

無意識に入れていたのでしょうね。

発達障害があると、無意識な行動というのはよくあります。

それを理解することが、生徒には必要でしょう。

自分で解決する力を身に着けることは大切。

でも、もっと大切なのは、本当に困った時に他者に助けを求めること。

二人とも、私に電話をしませんでした。

社会人になったら、他者に助けを求めるスキルは必要です。

二人にはヘルプスキルを習慣化して欲しいですね。

大混雑の食堂で意識がぽわんぽわん

発達障害のある人の中には、感覚が過敏な人がいます。

嗅覚や聴覚過敏は有名な話ですね。

視覚や聴覚、嗅覚といった複合的に過敏さがあると、混雑した所では気持ち悪くなることも。

理由の一つとして、感覚が過敏故に情報過多状態になっている事が挙げられます。

今回参加した小学生の生徒は情報過多状態になりました。

イスに座っていても、視点が定まらない。

しだいに、目がトロンとなりました。

頭の中がポワンポワンしているのが、見て取れました。

箱館山スキー場の食堂は常に混雑しています。

感覚過敏のある人は要注意です。

持ち方が分からない

初めてスキーを経験する子供が苦労するのは、当然滑ること。

実はそれ以外にもあります。

それは、スキー板とストックを同時に持つこと。

両方とも長く、結構重たい。

生徒達は持ち方が分からず、何度も落としました。

定型発達の子供にも、持ち方が分からない子供はいます。

だから、発達障害の有無はあまり関係ないと思います。

ただ、違いを挙げるとしたら、工夫して持とうという意思の有無。

定型発達の子供は、色々試行錯誤する姿勢が長いこと見られます。

発達障害の子供、とりわけASD(自閉症スペクトラム障害)の子供は違います。

・諦めが早い

・分からなくて動かなくなる

・似たような持ち方にこだわる

勿論、全てのASDの子供に当てはまるわけではありませんが、多いと感じます。

実際、今回参加した低学年の生徒達は、上記のいずれかに該当しました。

とはいえ、そのような様子が見られるのは低学年までが多い。

・色々な体験をしてきた

・自己肯定感が一定の高さにある

年齢を重ねつつ、上記のことが該当する。

そうすると、試行錯誤する姿勢が見られるようになります。

指示は聞けど待てない理由

スキー練習は、初心者にとってはかなり体力を使います。

4人の初心者達は、悪戦苦闘しながら頑張りました。

最後まで頑張る生徒もいれば、そうでない生徒もいました。

「しんどいから早く終わらせたい」という、強い思いが芽生えることもあります。

そのような思いが芽生えると、指示は聞けても、待てなくなります。

障害特性として、待つのが苦手な子供は尚更待てなくなります。

その結果、自分勝手に滑り出し、正しい滑り方を習得するのが困難になりました。

少人数での指導とはいえ、最低でも2人は指導者が必要です。

今回は私がいたから事なきを得ましたが、もしスキー講師だけだったら・・・。

きっと、スキー教室自体がグダグダになっていたことでしょう。

疲れたら遊ぼう

スキー練習で疲れたら、心身の癒しが欲しいところ。

箱館山スキー場には、うってつけのエリアがあります。

それが、雪遊びエリア。

低学年の子供は、遊びで心身を癒せる力があります。

低学年の生徒達は、雪遊びエリアで遊ぶことで、心身を回復させていました。

羨ましい力ですね。

楽しいものと思い続けるために

チャレンジすることは良い事です。

でも、チャレンジばかりでは心身にかかる負担は大きい。

それを理解している大学生の生徒がいます。

その生徒は少し難易度の高いコースにチャレンジをします。

また、自分に見合ったレベルのコースも滑っていました。

そうすることで、スキーは楽しいものと思い続けられるようです。

素晴らしい考えですね。

暗示をかけるのも役に立つ

完璧思考があると、動けなくなるケースがあります。

高校生の生徒は「ちゃんと滑れないとダメ」という思いが強い。

その思いがあるため、1人で練習するのに躊躇している様子がありました。

そこで、私はアドバイスを送りました。

「足を開けるを言い続けてみ。滑れるから」

私と生徒との信頼関係の強さも相まって、生徒は実践しました。

生徒:「足を開ける、足を開ける、足を開ける」

生徒は言い続けたことで、足が開いた状態になり、滑れました。

後日談として、生徒はこのような事を言っていました。

「スキー練習はしんどかったけど、それ以上に楽しかった。言い続けたら滑れたから」

はたからみたら、決して綺麗な滑り方ではありません。

でも、生徒にとっては大きな成功体験になりました。

ASDの子供を勇気づける手法として、具体的ですぐに実践できる事をさせるというのがあります。

私はそれを「暗示」と言っています。

「暗示」は不安に対する意識を逸らす効果があるので、不安の強い子供ほど効果的です。

今回は、「暗示」が上手く働いたと言えるでしょう。

感謝の言葉はどんな時でも言えるように

発達障害のある子供の中には、「ありがとう」を言えない、言わない子供がいます。

そういう子供に対して、SST(ソーシャルスキルトレーニング)が行われます。

手伝ってもらったら「ありがとう」、何か交換した時も「ありがとう」。

色々なパターンを想定して行います。

ただ、2つ難しいことがあります。

・般化されにくい

・経験のない状況によっては言えない(言わない)

小学生の女の子は、日常生活では「ありがとう」を言えます。

ただ、肝心な時ほど言えない(言わない)傾向があります。

今回の活動で、女の子は気付かない内に3DSを行きのバスに落としてしまいました。

帰りになって3DSがない事を思い出しものの、どこに落としたかは分からない。

女の子は泣くほどショックを受けていました。

ここで奇跡が起きました。

帰りのバスは偶然同じバスだったのです。

心配していた小学生の男の子が座席の下を探したら、3DSを発見!

まさに奇跡ですね。

女の子はとても喜んで受け取りました。

ところが、ゲームに意識がいきすぎて、感謝の言葉がありませんでした。

「ありがとう」のスキルは、どんな状況でも言えることが大事。

私は女の子に促したことで、女の子は「ありがとう」を言いました。

今回は言わせた感がありますが、私は学びの機会として捉えています。

今後、似たようなことはまた起きる可能性もあります。

その時に備えて、まずはビデオを見せて自己の行動を客観的に観てもらおうと思います。

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