こだわりが強い子供の行動を変える方法

発達障害のある子供達に関わる仕事をしていると、保護者から子供のこだわりをどうにか出来ないものかという相談を受けることがよくあります。

こだわりによってしんどい思いをしている保護者が多いからでしょう。

今回はそんなこだわりについてお話したいと思います。

発達障害とこだわりが強い人の特徴

発達障害の中でも、ASD(自閉症スペクトラム障害)のある子供は障害特性としてこだわりが挙げられます。

数多くのこだわりのあるASDの生徒を見てきましたが、こだわりの対象は千差万別です。

ある幼児のケースでは、電車の並べ方や走らせ方に強いこだわりがあり、いつもと違うパターンをするとパニックを起こすということがありました。

ある小学生のケースでは、勝ち負けに対して強いこだわりがあり、負けるとパニック、勝てるまでゲームを続けるといったこともありました。

中学、高校のケースでは、同じ服しか着ない。違う服を用意しても、前日着用した汚い服を再び着るなんてこともありました。

ASDの人は変化を好まない・苦手という特徴があり、それ故にこだわりとして表に出ることがあります。

前述したケースでも、変化が苦手故の行動だったりします。

短所

こだわりは短所として見られることが多いです。発達障害に詳しくない人は特に短所しか目に映らないようです。

こだわりによって起こるパニック状態の様子を見かけたり、こだわりによってグループの話し合いの場面が台無しになってしまったという話を度々聞きます。

講演会等に参加しても、やはりそういう事を事例として挙げられることがあるので、短所として捉える人が多いのだと思います。

確かに短所となることもありますが、声高にして言いたい。長所としても活かせることがあります!

長所

完璧を目指すこだわりの場合、最後まで諦めない強い意志を支える原動力となり、健常の人には真似できないぐらい研究に没頭することができます。

細部まできちっとするこだわりの場合、面倒くさいけど、結果的にお客様を喜ばせることに繋がるなんてこともあります。

私の体験談ですが、リーフレットの折り方に強いこだわりを示し、ピシっと伸ばさないと許せないというこだわりを持った人(その時は診断はなかったが、自他ともに認めるASD)が職場にいました。

私はとりあえず折れば良いと思っていたのですが、それではダメだと叱責を受け、何度も練習させられました。

なんでそんなにこだわるかな~と当時は思っていましたが、ある日、「リーフレットをピシっと伸ばしていて素晴らしいですね」とお客様にお褒めの言葉を頂きました。こだわりがあったからこそのお褒めの言葉です。

こだわりは収まるのか?

こだわりは収まるのか?と質問されることがあります。

年齢が上がるにつれてこだわりの程度が軽くなるケースもありますが、無くなることはありません。

こだわりは短所にも長所にもなりえるので、基本的にこだわりをなんとかするというのは賛成致しかねます。

ただし、こだわりの内容によっては周りの人達に迷惑や不快に感じさせるケースもあり、そういうこだわりは何とかするべきだとも思います。

最近、こんなことがありました。

こだわりの行動が変わった男の子(高校生)の事例

A君という男の子は歯と歯の間に異物が挟まると、指を突っ込んでとろうとします。

一見こだわりではないように思えますが、手の届くところに爪楊枝があるのにも関わらず、必ず指でとるというこだわりです。

挟まっているのが気になるのは理解できるのですが、他人が目の前にいるのにも関わらず、何のためらいもなく突然口の中に指を突っ込むので、非常に他人を不快に感じさせていました。

保護者や周りの人達がいくら注意をしても効果がありません。

そこで、私はA君のこだわりを受容した上で、周りの人達を不快にさせていて、どういう風に思われているかをズバっと伝えました。

伝えるととても驚いた表情をしましたが、それでも指でとりたいようでした。

今回のケースでは、こだわりを抑えるのではなく、行動自体を変えた方が良いと判断しました。

「止めなさい」ではなく、「やっても良い」と言い変えてみると、「良いの?」と驚きの声をあげました。

不快に感じさせるというのは相手が近くにいるから成立するのであって、周りに人がいなかったら行動自体は問題ないのです。

A君はやっても良いというお墨付きを頂いたことで嬉しくなり、人の声に耳を傾ける姿勢ができました。

「周りに人がいなくて、すぐに指を洗えるトイレなら、他人を不快に感じさせることがないから大丈夫だし、すぐに指を綺麗に出来るからお得やん」と伝えると、それ以降は人前で口の中に指を入れることがなくなり、トイレでするようになりました。

こだわりを無くそうとするのではなく、こだわりが発揮できて人に迷惑をかけない方法を模索する方が、本人も周りの人も有意義だと思います。

こだわれるタイミングを示すことでこだわりの行動が減少した男の子(小学5年)の事例

言葉の理解がある程度出来る生徒には、上記のように行動を変えると「お得感」があると説明できるので、比較的容易です。

しかし、言葉の理解が難しい生徒にはそうはいきません。こだわりの強いB君のお話です。

知的障害を伴ったASDのB君のこだわりは、勉強の課題を一つ終えるごとにプリントの裏に単語(3つ以上)を書くというもの。

課題を終えるごとに必ず単語を書くので、遅々として勉強が進みませんでした。

そこで私はこだわり行動が起きるパターンを分析し、ホワイトボードに今日する課題を書き、最後の課題の部分に「文字を書く」と書きました。

最初はそれでも課題ごとに書こうとし、それを何度も私は制止したので、殴る、蹴る、ひっかくといった強い反発がありました。

しかし、最後に書いて良いという態度を示し続けた結果、最後に書けるんだと思うようになり、反発はなくなりました。

その後、ホワイトボードに書かなくても、文字を書くのは最後だけになりました。

文字を書くというこだわりは無くなりませんでしたが、回数は激減したので、成功と言えます。

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