友達を作る方法と実践
先日のレッスンは、教室ではなくテーブルゲームを専門に扱うお店で部屋を借りて行いました。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)の意味合いもありますが、今回は人見知りの強い生徒と、あるグループの生徒達が仲良くなるというねらいの方が強いです。
Contents
友達をつくるには
発達障がいのある子供は社会性が低い、言語性が低い等の理由で、友達をつくるのが苦手としています。
そのためにどうすれば友達が作れるか、保護者は悩まれると思うのですが、方法とキッカケ作りが重要になってくると私は考えています。
友達を作る場所
友達をどこで作ったら良いかと質問されることがありますが、理想は学校ですが、学校以外でも良いです。
ただ、友達になりやすい雰囲気とキッカケを与えてくれる場所でないと、なかなか友達は出来ないのではと思います。
塾で友達が出来るということもありますが、発達障がいのある生徒は勉強でいっぱいいっぱいになっている事が多く、友達を作る余裕がありません。実際、塾で友達が出来たというのは耳にしたことがありません。
勉強という結果を強く求められる習い場は、発達障がいのある子供にとっては、友達を作る場所としてはあまり相応しくないと、個人的には思います。
スポーツの習い事は、イベントもよく開催されるので、友達作りのキッカケは多いと思います。
ただ、スポーツの種類によっては、その子の特性に合う合わないがはっきり出てくるので、注意が必要です。
デイサービスや(当教室のような)変わった教室に通うのも良いです。何故なら、一人一人に合った目標(例:友達をつくる)をたて、実践できるからです。
友達を作るのが苦手な人にお勧めの方法
アプリやゲーム
友達を作るための方法として、もっともやりやすいのはスマホ等のアプリやテレビゲームです。
昨今の子供はipadで遊んでいる子供も多く、テレビゲームにいたっては学年が低ければ低いほどやっている子供が多いので、楽しめます。ゲームを介して、会話を交わすシーンはよく見られます。実際、宿泊活動でみんなとテレビゲームをする時は会話を交わす頻度は高いです。
ただ一つ問題なのは、画面ばかり見て、お互いの顔を見て会話をすることが少ないこと。それ故、表情から相手の感情を推測するというスキルはつきにくいです。
友達を作るためのサイト
同じ趣味の人を募集しているサイトは数多くあります。これを活用するのも一つの手です。しかし、問題が2つ。
発達障がいのある人(全てではない)は自己PRが苦手ということが多く、全く知らない人にメールを送ろうとすると極度に緊張するので苦痛だったりします。
そういった事を教えてくれる人が身近にいれば出来るかもしれませんが、そういうサイトを使う人はある程度年齢が高い人なので、自分から親に聞きに行くというのはなかなか難しいと思います。
サイトを利用するなら、サポートを受けながら行うことをお勧めします。
目的の場所へ一緒に向かう
ハイキングのような歩きではなく、私はサイクリングを強く勧めます。
サイクリングはADHDの人にもASDの人にも相性の良いスポーツです。
目的の場所が明確化されているので、ASDの人のとっては分かりやすく、とっつきやすい。
景色が変わりやすく、ひたすら漕ぐのでADHDの人にとって飽きないというメリットがあります。
必要最小限の会話、必要最小限のサポートで同じ目的の場所にたどり着けるので、平等な達成感を得られます。
また、同じ事を達成したという思いが生まれるので、共感性も高まり、友達になりやすいです。
余談ですが、当教室では、サイクリング特化型のSSTクラスを創ろうと考えています。
社会人にも有効なテーブルゲーム
テレビゲームと違い、基本的に対人間のゲームしかありません。
テレビゲームでは難しい、他者の表情を読み取る、他者の動きに注意を払う、一部分だけでなく全体をにアンテナを張るといった能力を楽しみながら高められます。こういった能力は人と直に会ってでしか高められません。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)として、友達作りとしても有効で、私は重宝しています。
子供だけでなく、社会人にもお勧めです。ゲームの種類によっては、社会人あるあるがあったり、自己開示を要求されるゲームもあったりします。
社会人になるとなかなか友達はできにくいですが、テーブルゲームをやるとお互いを知るキッカケとなり、友達になれる可能性が高まります。
仲良くなるためのテーブルゲームを実践
先日のレッスンでは、数種類のゲームをし、その中で生徒達のウケが良かったものといまいちだったものを紹介します。
HANDS。
手札に書かれた指の形と同じ指の形(どれか1枚を選ぶ)にして、同じ指の形をした人を見つけるというゲームです。
細かいルール説明はやめておきますが、このゲームは様々な能力を高めるのに良いです。
他者の指の形を認識し、自分の形と同じかを比較する力。周りを見る力。周りにアピールする力。指の巧緻性。といった能力を楽しみながら高められます。また、同じ形の生徒を見つけるととても嬉しいようで、共感性が高まります。
生徒達は最初こそ遠慮がちでしたが、続けていく内に強くアピールできるようになりました。
人見知りが強い生徒はなかなかアピールできませんでしたが、後半になって徐々に身振り手振りでアピールするようになりました。この時点では、他の生徒に声をかけることはありませんでした。
テレストレーション。
絵の当てっこゲームに少しルールを加えた感じのゲームです。
絵が苦手な生徒が多かったので、なかなか正解はしませんでした。笑いもありましたが、絵が下手という劣等感の部分に触れてしまったので、あまり笑えていない生徒もいました。
人見知りが強い生徒も絵が苦手でしたが、他の生徒の絵を見て安心感が出てきたようで、私に対して大きな声で突っ込みを入れるようになりました。
そっとおやすみ。
5歳からできるゲームなので、ルールはいたって簡単です。
同じ色の帽子or同じ形の帽子のカードが揃ったら、気づかれないようそっと机にカードを置きます。それを見た人達(カードが揃っていなくても良い)も同じように置いていき、最後に置いた人が負けというルールです。
カードが揃うのが嬉しいのでしょう。揃った人は「揃った!」と言わんばかりにバン!っとカードを机の上に置くので、皆気が付きやすく、慌ててカードを置く人が続出しました。最初に揃えた生徒はその様子を見て、優越感に浸っていました。
数回すると、静かに置くようになりました。
人見知りの生徒は、隣の生徒と話をする様子が見られるようになりました。
ウミガメの島。
一番生徒達にウケたすごろくゲームです。
ルール自体は簡単なのに、エンドレスで楽しめるゲームです。
ゴールしたら終わりではなく、ゴールしたら得点が入るという形式なので、何周もする必要があります。サイコロは3つあるのですが、出た目によっては、一回でゴールまで行けます。
他の生徒が止まっているマスに止まると、他の生徒のコマの上に乗ることができ、他の生徒と一緒に進むことができます。
このルールは生徒達のツボにはまり、上の写真のようにコマが6個重なる現象が起きると、生徒達は「絶対王政や!!」といって全員で爆笑していました。
この頃になると、人見知りの強い生徒は全員と話しをするようになり、一緒になって爆笑していました。
またこういう機会をつくって、仲良くなり、友達にまでなって欲しいと思っています。
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