ミニ水族館作り~一年生の夏休み工作に最適な理由~

夏休みの自由課題は歴史本作りしか経験のないひだち教室長の安藤です。

小学一年生になったBちゃんの希望で、レッスンでミニ水族館作りをしました。

今回のブログでは、その時の様子と一年生の夏休みの工作に適している理由を書きたいと思います。

ミニ水族館作りの意義

Bちゃんは手先が器用です。

しかし、ASDの特性故に興味の範囲が狭い。

それでは宝の持ち腐れ状態でもったいないです。

色々な物を作ることでBちゃんの強みをより高めたいと私は考えています。

・発想力を養う

・手先の器用さをより高める

・色々な経験を積むことで興味の範囲を拡大する

・手本を見て1人で最後まで作り上げる

上記のねらいをもって、Bちゃんにミニ水族館作りをしてもらいました。

Bちゃんが希望したというのもありますが、ミニ水族館作りを採用したのには3つの理由があります。

・ミニ水族館作りは小学一年生には適度な難易度である

・大人のサポートを受ける事なく、最後まで1人で作れる

・見た目や面白さという点でも、夏休みの工作にうってつけ

ミニ水族館の作り方は、YouTubeを見ながら作ってもらいました。

私による指導となると、特別な物を作るという認識になるからです。

私は1人で作れる力をつけて欲しいので、あえて動画を使いました。

ミニ水族館作りスタート!

ミニ水族館作りの材料は以下の物。

・ペットボトル(押したら凹みやすいもの)

・魚型の醤油さし(正式名称はランチャーム)

・油性マジックペン

・6mmのナット

・絵具

・紙コップ

ナット以外は100均一で手に入ります。

材料集めも学び

ひだち教室で工作をする時は、可能な限り材料を用意しません。

生徒達にはライフスキルを獲得して欲しいからです。

また、社会勉強にもなります。

私はBちゃんを連れてコーナンと100均に行き、Bちゃん自身で買ってもらいました。

Bちゃんは不安から1人で買い物に行けないため、買い物が一番緊張した様子でした。

不安を取り除くには、経験は重要な要素。

少しずつ、1人で買い物に行けるようにしたいと思っています。

マジックで個性のある魚作り

魚型しょうゆさしのキャップをとり、ナットを取り付けます。

それから、魚型しょうゆさしに油性マジックで色を塗っていきました。

Bちゃんは魚の色を塗りながら、これまで培ってきた知識を私に説明してくれました。

Bちゃん:「ベタ塗りした方が良いんだよ」「模様とかつけるなら薄い塗りが良い」

そんな話を私としていると、突然Bちゃんは閃きました。

上半分を赤色、下半分を赤色に塗り分けると言い出しました。

こういう発想は大事ですね。

塗る時の注意点として、しょうゆさしを持っている手には軍手をつけた方が良いです。

塗りたてだと油性マジックが手につく可能性があるからです。

かき混ぜる術を学ぶ

ペットボトルに青色の絵具を入れて、かき混ぜます。

最初は割り箸でかき混ぜていましたが、なかなかうまく混ざらない。

私:「割り箸短いから上手くかき混ざらないな。どうしたらいい?」

Bちゃん:「テープをつける」

そういって、割り箸と割り箸をテープで巻いて長くしました。

巻いて長くなったので、少しはかきまざるようになりました。

そこでBちゃんはある事に気が付きました。

失敗体験も学び

青色を入れすぎて、ペットボトルの中が全く見えない。

試しに魚型のしょうゆさしを入れてみると、何も見えません。

困り果てるBちゃん。

私:「青色を入れすぎたな。どうする?」

Bちゃん:「作り直す」

洗面台に水を捨てました。

Bちゃんは失敗するのを嫌がりますが、やり直せるなら問題ないようです。

水を捨てたタイミングで終了時間がきたので、一日目を終えました。

ペットボトルに海の世界を表現!

二日目はペットボトルに海の世界を表現するところからスタート。

Bちゃんは海藻や魚、波といったものをマジックペンで描きました。

Bちゃんは自分が思い描く世界を表現できるので、本当に楽しそうでした。

よく見ないと分かりませんが、実はカクレクマノミのニモが隠れるように描かれています。

失敗体験から成功体験へ

Bちゃんは絵具をペットボトルに入れる時は少量ずつ入れました。

しっかりと一日目の失敗経験を活かしていますね。

前回、割りばしでは上手くかきまざらなかったので、私はあるやり方をBちゃんに教えました。

ペットボトルをシャカシャカ振って混ぜるという方法。

Bちゃんはこんなやり方があるんだと、驚いていました。

ペットボトル内の水は、ちょうど良い感じの色になりました。

一日目は失敗体験になりましたが、二日目は成功体験になりました。

どんな事でもそうですが、失敗体験をしても、その後成功体験になれば問題ありません。

むしろ一度失敗しているからこそ、成功した時は自己肯定感に繋がることもあります。

動く魚たちにビックリ!

ペットボトルをギュッと握って圧を加えると、中に入った魚は浮き沈みします。

その様子に私達はテンションが上がりました。

動画では知っていましたが、生で見ると驚き度は全然違いますね。

出来栄えを見ると、このまま夏休みの工作として提出できるレベルです。

このまま提出しても良いでしょう。

でも出来ることなら、夏休みになったら、自宅で1から作って欲しいとも思います。

きっとその方がよりレベルの高い作品に仕上がるでしょう。

次は何を作るか、Bちゃんと相談したいと思います。

関連記事

  1. 出来ない理由に気が付く方法
  2. アスペルガー症候群の対人関係の難しさ
  3. 人柄が良いことは重要です
  4. 発達障害の子供に自己決断力を~自己決断力が育まれる環境づくり~
  5. 発達障害児がコミュニケーションの取り方を学べるテレビゲーム
  6. 自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴~頑張り過ぎに要注意~
  7. 自閉症スペクトラム障害とアルバイト~適応してイキイキする編~
  8. 発達障害児と先生

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ひだち教室 Facebook

PAGE TOP