サイコロの旅~実はこんな事がありました前編~

水曜どうでしょうが好きなひだち教室長の安藤です。

「サイコロの旅は面白かった」

生徒達はそのような感想を言っていました。

確かに生徒達は楽しんでいました。

でも、私はただ楽しいだけでは活動をしません。

ねらいを持って活動をし、それが生徒達の糧になるよう働きかけもしました。

今回はサイコロの旅の詳細について、前編後編に分けてお話しします。

サイコロの旅をする意義

サイコロの旅は非日常な活動ですが、同時に日常的な活動と言えます。

求められる知識やスキル等は日常生活で頻繁に使うからです。

サイコロの旅をするにあたって、私は下記のねらいを設定しました。

・知らない世界に触れる

・社会性を養う(例:折り合いをつける)

・調べるスキルを養う

・違う視点から物事を考えることを知る

・勇気を出して行動をする力を養う

・「ま、いいか」精神を身に着ける

・共感力を高める

長い付き合いのE君とF君は、上記のいくつかはクリアしています。

しかし、付き合いの短いL君は全て難しさがあります。

L君は今回の活動で色々と困り感や苦労が発生すると予想。

そして、その予想が的中した活動となりました。

白黒だけが答えではない

生徒達は水族館というカテゴリーから、スマホを使って行先を調べました。

海遊館やニフレルといった有名観光地はすぐに出ます。

生徒達は5つの項目を比較的早く埋めました。

問題は6つ目。

ルールとしては、必ず6つの項目が埋めることになっています。

生徒達はなかなか見つからず、難儀していました。

そこで私は「吹田市役所」を書きました。

当然、生徒達の頭には「?」マークが浮かびます。

私は水族館の定義を生徒達に調べてもらいました。

水族館とは、

「水中や水辺で生活する生物を展示・収集している施設」

厳密には市役所は水族館に該当しません。

私が生徒達に求めていたのは、折り合いをつける力や「ま、いいか」精神。

ASDの人は、白黒はっきりしないと気が済まない特性があります。

でも、社会にはグレーな答えがあり、それを言語化して認めるという思考も大事。

少しだけ水族館の定義に触れているからOKにするか?

生徒達は話し合いました。

E君とF君は認める派、L君は認めない派。

しばらく話し合っていると、E君はこんなことを言いました。

E君:「厳密には水族館じゃないけど、認めていかないと進まへんのちゃうか?」

この一言で認めない派だったL君は、認める派になりました。

L君は折り合いではなく、状況を受け入れたようですね。

他人の分まで責任を負うのが怖い!

サイコロの旅は自分だけでなく、他人にも影響が出ます。

それが面白さでもあり、怖さでもあります。

自己肯定感が平均以上ある人は、面白いと感じます。

逆に、自己肯定感が極端に低い人は怖いと感じます。

E君は自己肯定感が非常に高く、F君はそこそこあります。

だから、面白いと感じていました。

L君は自己肯定感が非常に低い。

だから、怖いと感じていました。

L君は恐怖のあまり、二投目を拒否。

どうなるかと、私は黙って様子を見守りました。

E君とF君は、L君をしばらく励まし続けました。

すると、L君はおっかなびっくりな様子で投げました。

どんな目が出ても、誰も文句は言いません。

それでも、L君は私に確認をしてきました。

L君:「この目で良かったのかな~?」

私:「別に良いんじゃね」

こういうケースは、支援者は不安を受容し過ぎるといけません。

下手に「大丈夫大丈夫」と言葉をかけると、自分の中で折り合いをつけられなくなるから。

軽く流され、誰にも文句言われないという体験こそが、意識の変革を促すことに繋がります。

本場の串カツを初体験!

E君とF君は大阪府民。

意外なことに、本場の串カツ屋には行ったことがなかったそうです。

串カツの美味しさを知った生徒達は、新しい世界を知ることができたようです。

お酒が大好きなE君は、プライベートでも来て、お酒と一緒に食べようかなと言っていました。

ぜひ、プライベートでも行って欲しいですね。

自分の思いはハッキリと伝えよう

海遊館は全員行ったことがありますが、海遊館のバックヤードは観たことがありません。

海遊館のバックヤードの案内看板があり、L君はそれに興味を示しました。

L君:「バックヤードに行ってみたい」

L君は私に伝えてきました。

私:「皆と話し合ってきめて」

L君:「バックヤード興味ある?」

E君とF君「う~ん、興味ないかな」

L君は二人の発言を聞いて、そこで諦めました。

ここで会話のズレが発生したのです。

L君が本当に伝えたいのは、「自分は行きたい」という強い思い。

ところが、L君は二人はバックヤードに興味あるかを聞いてしまった。

E君とF君にとっては、興味あるなしを答えたに過ぎません。

裏の言葉として、「自分はバックヤードに行きたい」というのは読み取れます。

ASDであるE君とF君は、そういった裏の言葉を読み取りにくい。

だから私はL君に伝えました。

私:「自分はバックヤードに行きたいとハッキリ言わないと伝わらないで」

それを知ったL君は、それでもマゴマゴしていました。

そこで私は、話し合いの機会を作りました。

私:「ちょいちょい二人共。L君が何か言いたいそうやで」

背中を押されたL君は、再度二人に言いました。

L君:「バックヤードに行きたいんやけど、どう?」

E君:「そうなん?じゃあ別に良いで」

F君:「じゃあ行こうか」

あっさりと、L君の提案を受け入れた二人。

私はこうなることを予想していました。

L君にとって、自分の気持ちと提案を受け入れて貰えたという成功体験になりました。

ストレートに伝えるって、本当に大事だなと再確認した出来事でした。

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