ビワイチ(琵琶湖一周)が発達障害児・者にお勧めの理由
ビワイチは心を支える最高の要素だと考えているひだち教室長の安藤です。
先日、生徒達と共にビワイチをしてきました。
正直言ってかなりキツく、やろうと思う人自体少ないと思います。
では、何故わざわざ当教室の課外活動で行く必要があったのか。
それは得られるモノが非常に大きく、他の活動では得られないからです。
それらが以下の3点。
・しんどい限界値の認識が変わる
・半永久的に自己肯定感が高まる
・遅延型の達成感
今回はこれらについて、発達障害児・者にビワイチを勧める理由も含めてお話ししたいと思います。
サイクリングでビワイチとは?
滋賀県民にとってビワイチという言葉は馴染みのある言葉ですが、他府県の方は知らないことが多いです。
ビワイチとは琵琶湖を一周することで、基本的には自転車で一周することを指します。
しかし最近では、車やバイクに乗ってビワイチをしてきたと言う方もいるようです。
琵琶湖は琵琶湖大橋を境に北湖と南湖に別れていて、北湖は一周160キロ、南湖は一周50キロあります。
大部分を北湖が占めているので、北湖一周をしただけでビワイチを達成したと言っても良いようです。
今回北湖一周を達成した生徒達は、既に南湖を経験しています。
私は二湖とも達成したことを、『ビワイチ完全制覇』と勝手ながら呼んでいます。
しんどい限界値の認識が変わる
サイクリングに慣れている人にとっては、ビワイチはそれほど苦ではないようです。
しかし、サイクリングが日常ではない人にとっては苦行と呼べます。
体力的な限界、精神的な限界、筋肉の限界など、様々な限界が襲ってきます。
それら全てひっくるめて『しんどい』という言葉で言い表され、ビワイチ中に生徒達は何度も呟いていました。
発達障害児・者は様々な要因(例:感覚過敏)で定型発達の人よりも疲れやすい(しんどくなる)ことが多いです。
そんな土台にも関わらず、ビワイチ中に『しんどい』を何度も経験し、全て乗り越えるとどうなるか。
『しんどい限界値』の認識が変わります。
将来就職をした時、しんどい場面というのはたくさん出てきます。
歯を食いしばらなければいけない場面もあるでしょう。
そんな時に、自分の人生の『しんどい』の代名詞であるビワイチの経験を思い出し、比較します。
すると、
「あの時と比べたらまだ頑張れるな」
「あの時と同じぐらいのしんどさだから、誰かに手伝ってもらおう」
という考えをすることができます。
ビワイチ前までは60で『しんどい』と感じていた基準が、ビワイチで100以上の『しんどい』を経験したことにより、80~90で『しんどい』と感じる基準になるのです。
それを『しんどい限界値の底上げ』と私は呼んでいます。
半永久的に自己肯定感が高まる要素
発達障害のある人は定型発達の人と比べると、失敗体験が多いです。
それ故、自己肯定感が上手く育まれないケースがよくあります。
自己肯定感が高い人と低い人とでは、思考も行動力も全く違います。
いかにして自己肯定感を高めるか、多くの人が悩んでいることでしょう。
私は一つの答えとして、ビワイチが最も効果的な活動と考えています。
琵琶湖を自転車で一周したと誰かに話すと、必ず「凄いな!」と尊敬されます。
何故なら、琵琶湖の大きさ等が日本人の共通の知識としてあるため、経験が無くても大変さを容易に想像できるからです。
初対面であればあるほど尊敬を受けやすく、良い印象を持ってもらえるので、自己肯定感が高まりやすいです。
また、多くの人はビワイチの話に食いついてくるので、話しをするのが楽しいです。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の人は雑談が苦手でも、自分の体験談や知識を話すのは得意なことが多いので、仲良くなるためのキッカケとしてもビワイチの経験は活かされます。
いつでもどこでも、年齢関係なくどんな人にも通用するので、自己肯定感を高める要素として半永久的に使えます。
実際、私自身もビワイチを他人に話していると、良い反応が返ってくるので話をするのが楽しいです。
色んな人に話す度に「私って凄いことをしだんだな」と思えるので、自己肯定感が高まるのを感じます。
遅延型の達成感
「ビワイチをしたら達成感が凄いでしょう?」とよく言われますが、達成感はあまりありません。
終わった時は疲労感が強すぎて、むしろホッと安堵します。
生徒達も終わった瞬間は多少喜んでいましたが、安堵感からの喜びでした。
しかし、1週間、1ヶ月経過すると、ジワジワと達成感を感じるようになります。
まるでスルメを食べているような達成感。
自尊心も同時に高まってくるので、大きな達成感を感じるようになります。
すると、価値観が変わることもあります。
私と一緒に(別日)ビワイチを経験した生徒はサイクリングの素晴らしさに目覚め、クロスバイクを購入し、プライベートでも走り回るようになりました。
価値観が変わるほどの影響力を及ぼすのがビワイチです。
今回経験した生徒達はどんな形でビワイチの影響が表れるか、数ヶ月後、数年後が楽しみです。
ひだち教室では、生徒の「やってみたい!」という気持ちを大切にし、新しいことにもチャレンジしてもらいます。また、生徒達の今後の人生に大きな影響力を及ぼすと思われる事にも積極的に行い、サポートをしています。
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