子供の運動不足はポイボールで解消しよう
非常事態宣言が解除されてから最初に行ったグループレッスン。
久しぶりのグループレッスンなので、少し特別なことをしたいと思い、考えた末にポイボール作り&ポイボール投げをすることにしました。
Contents
ポイボールの紹介
ポイボールは聞いたことがありますでしょうか?おそらく多くの方は聞いたことがないと思います。
それもそのはずで、ハワイの原住民が武器として使っていたもので、日本ではほとんど知られていません。
本来は、紐で石を括り付け、ブンブン振り回して放ち、鳥に当てるというもの。
ハワイ旅行に行った時、偶然ポイボールをオモチャとして売られていたのを見つけました。
見た瞬間これはレッスンに使えると思い、即決で購入。
帰国後、生徒達と一緒に振り回して遊んだら、予想通り大好評でした。
と同時に、ポイボールは色々な面で有能なボールだと気づかされました。
ポイボールの効果
ポイボール作りの材料は、全て百円ショップで揃えられます。
千切れにくい太目の糸、新聞紙、ペットボトルのカバー、アルミホイル(無くても良い)。
たったこれだけの材料で作れるのに、ハワイで購入したポイボールは1セット(2個入り)1000円でした。
それを勢いで4セットも購入したものだから、奥さんには呆れた顔をされました(笑)
簡単にできる共同作業
各自で紐を切ってもらうことも出来ましたが、ソーシャルスキルトレーニングも意識する必要があります。
見本となる紐を予め用意していたので、それを参考に紐の長さを決め、切ってもらうことに。
その際、紐を持つ役、紐の長さを調整する役、紐を切る役と役割を決めてもらいました。
話し合いの結果、切る役はAちゃん(幼児)、B君(小学生)は紐を持つ役、長さを調整する役はCちゃん(小学生)となりました。
ハサミで切るのが得意とはいえ、Aちゃんはまだ幼児。上手く切れるか少しドキドキしましたが、問題なくクリア。
長さの調整では、紐がすぐにダランと垂れ下がるので、意外と難しかったです。
切る箇所はどこか、ちゃんと持っているのかといった確認作業が必要で、声の掛け合いは頻繁にありました。
途中で役割を交代し、やいのやいのと言い合いながらも作業を無事終えました。
巧緻性と視機能のトレーニング
紐を編む工程に入ります。
紐を編むという経験は、紐結び以外はなかなか経験することがありません。
お手本として指導者が編んでみせると、生徒達はとても不思議そうな表情をしていました。
私も試作品を作った時は、紐が編みこまれていくのが魔法のようだと感じました。
編み方を理解できるまでは本当に難儀します。しかし、逆の見方をするとトレーニングになります。
指先を使うので巧緻性のトレーニングとして。
紐を編んでいくには、紐の重なり具合を知覚する必要があるので、視機能トレーニングにもなります。
特に視機能の中の「図と地」という部分が求められ、どの紐が必要な情報で、どの紐が不必要な情報かという判別能力が養われます。
B君は手先が器用な方ではないので、苦戦するかと思っていたのですが、スモールステップで指導していくと、徐々に動きが自動化されていき、それほど苦労することなく編むことができました。
ただ、同じ作業を長時間し続けたため、途中でゲシュタルト崩壊を起こしたようで、突然編み方が分からなくなるということがありました。
これは私も経験したので、同じ作業をし続けるのが苦手な人は、休みをはさみながらすることをお勧めします。
Aちゃんにもやってもらいました。当然指導者のサポート付きですが、幼児でも出来なくはないです。
因みに、翌週のレッスン時に編み方を覚えているか確認したところ、忘れた箇所もありましたが、少し指導すると徐々に思い出し始め、問題なく編めていました。
頭で思い出したというより、身体が思い出したといった印象で、子供の可能性というのを垣間見た瞬間です。
新聞紙を丸め、アルミホイルで包んでボール状にします。
それを紐でくくりつけ、ペットボトルカバーに入れて完成。
わずか1時間程度の作業でした。出来上がると、生徒達は満足げな表情をしていました。
作って終わりだとポイボールの面白さが分かりません。ポイボールを持って、琵琶湖沿いの公園に向かいました。
ストレスの発散と感覚トレーニング
ポイボールをブンブン振り回して空高く投げるという動作は、非日常的で快感(爽快)です。
自粛で鈍った身体を起こすにはうってつけで、生徒達はとてもはしゃいでいました。
ストレス発散にも繋がったことでしょう。
遠くへ投げるには後回しが出来なければいけませんが、幼児は意外と出来ないことが多いです。
Aちゃんも上手く後に回すことができず、途中から前回しで投げるようになりました。
それでは遠くへは飛びませんが、投げられたという満足感はあるようでした。
後回しが出来ても、紐を放すタイミングが分からなければ後に飛んでいってしまいます。
昔、ポイボール指導をした時、タイミングが分からず、何度も後に飛ばしてしまう生徒(小学生)がいました。
その生徒は感覚と視機能に問題を抱えており、ポイボールはその両方に効果があると思われるので、感覚と視機能トレーニングとして使っていました。
出来るようになると、目に見えて遠くに飛ばせるので、その生徒は自信にも繋がっていました。
新型スポーツで体力向上
ポイボールは老若男女、障害の有無関係なく、全ての人達が楽しめます。
また、使い方とルール次第でどんなスポーツにもなりえ、屋内と屋外問わず使えます。
5年前に、視覚障害・聴覚障害の子供達が通う(入所者含む)施設でポイボール大会を開催したことがあります。
この時は飛距離の合計を競うルールにし、スタッフ(前の職場)総出でサポートにつきながら行いました。
視覚障害があると楽しめないのではと思うかもしれませんが、ポイボールは上手く飛ばせると、フワっとした感覚が身体に伝わるので楽しんでもらえました。参加者全員の笑顔は今でも忘れられません。
これまでに多くの子供達とポイボールを使った活動をしてきましたが、必ずといって良いほど自然発生する遊びがあります。
それがポイボールを振り回しての戦い。
一見危険と思うかもしれませんが、中身は新聞紙で、周りをペットボトルのカバーに覆われているので、顔面以外は全く痛くありません。
そんな遊びは止めなさいといっても、子供は楽しいから必ずします。
それならルールを設けてスポーツにすれば、子供の欲求を満たせ、危険度も下がります。
身体の部位に風船をつけ、風船にポイボールを当てた者が勝ち。顔面に当てたら、当てた側が即負けといったルール。
いざやってみると完全な全身運動で、体力向上にも繋がりました。また、高学年になると駆け引きが発生し、まさにスポーツチャンバラ状態。
因みに今回のレッスンでも、最後の方になると私VS生徒達(小学生)という構図の戦いが始まりました。
ポイボールを使った遊びやスポーツはいくらでも考えられるので、もっと認知されて欲しいと思う、今日この頃です。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。