発達障害の子供も興味を持つ方法

長年発達障害の子供に携わる仕事をしていると、子供の興味・関心の範囲が狭いという相談を受けることが多いです。

色んな体験をさせるけど、何をしても興味・関心を持ってくれない。と、嘆く方も多いです。

今回のブログは、そんな興味を持ちにくい子供が興味・関心を持ちやすくなる方法(パターン)をお話ししたいと思います。

※全ての子供に当てはまるわけではありません。

興味・関心を持つ方法(パターン)

興味・関心を持つ方法はいくつかあるのですが、心掛けて欲しいことが2つあります。

一つ目は、基本期待し過ぎないこと。

期待し過ぎるとその思いが言動や態度に表れて子供に伝わり、逆に興味を持たなくなることがあるからです。

興味を持ったらラッキーという気楽な考えが大切です。

二つ目は、保護者だけで何とかしようとするのではなく、他人に任せる。

保護者が関わって興味・関心を持つというのは低年齢児(幼児)には通用しますが、子供が大きくなると保護者の影響力が薄まります。

保護者には「体験する機会を提供する側」に立って欲しいです。

好きなものから派生して興味・関心を持つ

既に興味・関心のあるものから派生して、新しいものに興味・関心を持つ方法です。

好きなものと関連づける

好きなものと関連のあるものは、子供の食いつきが良いです。

例えば、電車が好き→乗りたい→旅行が好き。といった感じです。

この方法は意図的に行うことも可能ですが、成長するにつれて、子供自ら気が付くパターンが多いように見受けます。

人は成長するにつれて価値観が微妙に変化していくのが要因なのでしょう。

体験して興味・関心を持つ

興味・関心を広げるために、最も行われるのが体験活動です。

長年、体験活動の効果を目の当たりしてきたので、私は体験活動第一主義者といっても過言ではありません。

体験活動による効果は色々ありますが、子供全員が興味・関心を持つかと言えばそうではありません。

確かに体験をすることで興味・関心を持つケースは多いですが、色々な体験をしても興味を全然持たないというお話しもよく聞きます。

では、どうすれば良いのか?

それは子供自身の価値観によって変わっていきます。

意外と面白かった

体験したことが面白いと子供は興味・関心を持つものです。

しかし、興味・関心を持ちにくい子供は予想通りの面白さだけだと、興味・関心を持つまでに至らないケースもあります。

予想通りの面白さの中に意外性がないと興味・関心を持たないという子供も実際います。

では、意外性のある事を盛り込んだら全ての子供に通用するのではないのか?と思う方もいるかもしれませんが、逆のケースもあります。

ASD(自閉症スペクトラム障害)の子供の中には、予想外の事が起きるのが苦手なタイプもいます。

そういう子供の場合は、意外性という要素は盛り込まない方が良いです。

成功体験に繋がった

興味・関心の範囲が極端に狭い子供の話です。

教室で宿泊活動をした際、全員参加のゲーム大会を開催しました。

使用したゲームは地球防衛軍5。

ゲームにほとんど興味を示さないA君(中学3年)にも当然プレイしてもらいました。

プレイ前やプレイし始めは、「難しい」「無理!」「すぐ死ぬし」「こんなん面白くないわ」と拒否反応しかありませんでした。

ところが、進めていく内に意外と敵を倒すことができ、最終的には敵をたくさん倒して目標の第3ステージまでもクリアすることができました。

A君自身全く予想していなかった成功体験に繋がったのです。

すると、「これ面白いな」「またやりたいわ」と、そのゲームに強い興味・関心を持つようになりました。

A君みたいに体験して成功体験と感じて初めて興味・関心を持つタイプは、「何をさせても響かない子供」という誤解を受けやすいです。

単純に体験させるのではなく、成功体験と感じられるように環境を整えるというのが大人の役目だと思います。

もっとも、何をもって成功体験となるかは子供一人一人違うので、注意が必要。

大きな達成感を得た

大きな達成感を得ると、強い興味・関心を示すケース。

大きな達成感は自信や自己肯定感が高まるだけでなく、興味・関心にも繋がります。

一緒にびわいち(自転車で琵琶湖一周)をした生徒は大きな達成感を得て、そこから自転車に興味を持つように。

マイ自転車を購入してサイクリングをするようになったのだから驚きです。

他の生徒達は南湖一周をし、大きな達成感を得た生徒達は自転車というより、サイクリングに興味・関心を持つようになりました。

>>>南湖一周の記事

体験したことが活かされる

体験したことを他の場面・時期に活かされると自信がつき、興味・関心を持つことがあります。

ケイビング(洞窟探検)を教室の仲間と体験し、後日、保護者とでも同じ所へ行ってケイビングをした子供がいました。

今までに見た事がないぐらい自信に満ちた表情で保護者をサポート(?)したことで、ケイビングに興味を示すようになったとのこと。

ASDの子供は自分が体験していて、しかも勝手知る所だと自信を持って行動する様子をよく見かけます。

新しい刺激を求めるADHDのように同じ所で同じことをするのを嫌がる子供もいますが、ASDの子供は同じ所で同じ事をするのを好む傾向があるので、この方法は意外と活用しやすいです。

人の影響で興味・関心を持つ

人の影響力というのは大きく、一見人に関心が薄そうなタイプでも影響力を受けていることが多いです。

知っている人や信頼関係のある人

テレビで好きな芸能人がやっているのを見て興味・関心を持ったり、尊敬している先生が興味を持っているから興味を持つということは誰しも経験があると思います。

それは発達障害があっても起こりえることです。

コナン以外の漫画に全く興味を示さなかった子供が、信頼関係のある私が読んでいた漫画に興味・関心を持つようになり、読むようになったというのを目の当たりにしたことがあります。

異性の存在

一緒に体験している仲間内に異性がいるかいないかで、興味の度合いが変わってくることもあります。

好きな異性である必要はありません。

異性という媒体があることで、体験から得られる情報量と共感性に変動が起きます。

異性に依存しやすい傾向があるタイプには有効な方法。

以前こういうタイプの子供を担当しましたが、異性がいるといないとでは反応が全く違うので驚きました。

他人と比較されない、比較される

自己肯定感が低いと、他人と比較されるのを嫌います。それ故、比較されないことに興味・関心を持ちやすいです。

他人と比較されにくいサイクリング(競技スポーツは除く)が個人的にはお勧め。

逆に、そこそこ出来ることだと比較されるのを喜び、興味・関心を持つというタイプもいます。

このタイプには、ライバル関係のような切磋琢磨できる存在が必要です。

私は意図的にお互い経験したことがないことを一緒に体験して、私と生徒がライバル関係になるように仕向ける手法をとることがあります。

信頼関係が構築されているなら効果は絶大で、継続もしやすくなるので、高い確率で興味・関心を持ちます。

一緒に体験する人

体験活動をしても、一人でやったり、保護者とやっても(年齢による)興味・関心を持つ確率が低いというのが私の持論です。

友人や影響力のある大人(保護者以外)と一緒にやった方が、明らかにエピソード記憶として残りやすく、いくつになってもその思い出で共感し合えるので、楽しかったという感情が心に残り続けます。

そして可能ならば、同じ目線を持った人(同じ目線を出来る人)が良いですね。

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