自閉症スペクトラム障害とアルバイト~適応してイキイキする編~

生徒と一緒に仕事をするのが好きなひだち教室長の安藤です。

発達障害のある人のために、就労移行支援といった就労に関する支援はあります。

ひだち教室でも就労支援をしています。

といっても、公的なものよりももっと寄り添った支援です。

それは一緒に登録バイトをするというもの。

今回は、自閉症スペクトラム障害のある生徒が私と一緒にバイトをしたことについてお話しします。

自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人こそバイトをした方が良い理由

大学に通いだすと同時に、バイトを始める大学生は多いです。

ところが、発達障害のある人の中には、大学生活でいっぱいいっぱいになる人は意外と多い。

特に自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人は、下記の特性があります。

・新しい環境に適応しにくい(時間がかかる)

・不安が強くて新しいことに踏み出しにくい

新しい環境に適応するために全エネルギーを使っているので、バイトをする余地がない。

経験のないことは良いイメージがわかず、二の足を踏む。

しかし、逆の視点で見ると、知っている環境であれば動ける特性でもあります。

自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人こそ、バイトを経験しておいた方が良いです。

何故なら、バイト経験は将来の仕事を考えるための情報として、非常に有用。

また、定型発達の人以上に、ASDの人は『知っている』が大きな武器になり、動機づけになるから。

知らないことに不安の強い生徒とバイト

自閉症スペクトラム障害(ASD)のある生徒は、強気な態度をとるが、実は非常に不安の強いタイプ。

周りの人間はバイトをして欲しいと願うものの、生徒は不安で一歩を踏み出せません。

しまいには、「仕事をしたいと思うまで、ずっと養ってくれ!」という発言をしました。

このままでは何も進まない。

そこで、私と一緒にバイトをせざるを得ない状況(環境)を作りました。

生徒はしぶしぶですが、私と一緒にバイトをすると言いだしました。

出来るを実感!

仕事はイベントの設営や撤去がメイン。

詳しい内容は当日まで分からないという欠点はあります。

しかし、だいたいイスや机等を並べたりといった内容が多い。

生徒は特別なスキルが必要がないということを、実際目の当たりにして不安が払しょくされました。

現時点の自分でも出来るという事を実感できた生徒。

仕事をしながら、自信がついていく様子が見られました。

無駄じゃなかった運動

生徒は野球をずっとやってきました。

大学では途中で退部しましたが、身体を動かすことに抵抗はない。

生徒は体力に自信がないと言うが、私からしたら体力は十分あります。

身体を動かす事の抵抗感のなさ+体力がある。

この二つの要素は、仕事をする上で大いに役立ちました。

やはり運動をしておいて損はないですね。

合理的な思考と特性がマッチ

IQ的には高い部類に入る生徒。

数学が好きということもあって、合理的な思考が得意。

仕事で大量のイスを並べた際、生徒はイスの配置がおかしいことにいち早く察知。

この察知の早さは、変化に敏感なASDの特性が発揮されたのでしょう。

生徒はイス配置の修正を図るために熟考。

それから、私やその他のスタッフに指示を出し始めました。

生徒の合理的な思考力が発揮された瞬間ですね。

指示を出している時の生徒の表情は、とてもイキイキしていたのが印象的でした。

私は生徒とは長い付き合いですが、そんな姿を見れて嬉し泣きしそうでした。

ストレスは私で発散

仕事はどうしてもストレスがかかるもの。

それをいかにして発散できるかが、仕事を続ける上で大事です。

生徒は非効率的な現場監督の指示にイラついていました。

それを私に話す(愚痴)ことで、ストレスが溜まるのを抑え、発散しました。

私はそういう役割でもあるので、ドンドン言って欲しいなと思っています。

強い人間関係が求められないから安心

自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人にとって、登録バイトの利点が2つあります。

・人間関係でもめにくい

・仲良くする必要がない

決まった場所に行かない、決まった曜日に行かない、毎回メンバーが変わる。

このような環境のため、全体的に人間関係は希薄。

実際、私は何度も経験していますが、誰一人として名前を憶えていません。

それでも、何ら仕事には影響がありません。

人間関係が希薄でも問題ないという雰囲気は、生徒にとって安心感を持てる要素だそうです。

最初は私と一緒でないとバイトをしないと生徒は言っていました。

しかし、生徒は数回バイトを経験してからは、考えが少し変わりました。

「会社からこの日に入ってくれないかと頼まれたら、1人でも入ろうかな」

良い傾向ですね。

この調子で、少しずつ私から離れていければ良いなと思っています。

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