不登校の原因と復帰するための支援

中学で不登校をした子供への対応の続きです。こちらも併せて読んで頂けると幸いです。

不登校とは

不登校の定義は学校に登校していない状態のことですが、日本における不登校は研究者、専門家、教育関係者らの間に統一された定義がなく、多義的です。
いくつかある定義の中で、『学校に不安・恐怖を感じる何らかの心理的理由や、本人を取り巻く家庭・学校・地域社会の状況など、さまざまな要因が重なって、児童・生徒が登校できないでいる状態』を私はとりたいと思います。

登校拒否とは

平成9年まで文部科学省は、長期欠席をしている生徒を総じて登校拒否と扱っていましたが、登校を拒否する生徒だけでなく、登校できない生徒もいるので、現在の文の定義では登校拒否ではなく、不登校と改められています。

不登校と登校拒否を同じ意味合いにとっている方もいれば、不登校と登校拒否は別ものであると捉えている方もいます。

不登校と登校拒否は別ものと捉えている方は以下のように述べています。

不登校・・・『親への反抗や学校に馴染めないといったことが原因で、自ら学校に行かない状況』

登校拒否・・・『学校で嫌なことがありそれがトラウマになって、学校に行きたい意思はあるが拒絶反応が出てしまうという状況』

意味は分かるのですが、実は私はしっくりきません。馴染めないのが原因で拒絶反応がでる事もあるし、トラウマがあるから自ら学校に行かないと決意することもあるからです。

今回私が使う登校拒否は上記の意味合いではなく、単純に登校を拒否するという意味です。

不登校は『不登校とは』に書いてある通りの意味です。それを踏まえてお話しします。

不登校の原因

A君の不登校の原因は、学校の先生(特にクラブ顧問)とクラブ仲間の関係悪化が大きな原因です。不信感が積もりに詰まったA君は「登校拒否をする!」と言い出しました。話しは色々聞いていたので気持ちは分かるのですが、よくよく話しを聞くと『信じられなくて嫌になったから、とりあえず登校拒否をする』という考えでした。

その考えがダメというわけではありませんが、計画性がなくて復帰しにくくなると考えた私は、将来復帰しやすくなるよう布石を打つことにしました。

「積極的な登校拒否をしてみてはどうか?」A君は何のこっちゃといった表情をしたのが今でも覚えています。

積極的な登校拒否

聞き慣れない言葉だと思います。どういうことか、箇条書きで説明します。

・何故登校拒否をするか、明確化する。

登校できるようになる条件を決める。

・登校拒否をいつまでするか期限を決める。

・休んでいる間の1日の過ごし方の計画を立てる。

・フリースクールも視野に入れる。

休み中に、問題の多いクラブがどうすれば改革できるか一緒に考える。   

登校拒否をすることによるメリット・デメリットや心理状態の変化等を一緒に考える。  

それらを踏まえて、強い覚悟を持って登校拒否をするというのが積極的な登校拒否です。A君が納得するまで話し合いをしました。最終的な決断をする前に、親が決めるのではなく、自分が決断するようにと伝えました。これを言っておかないと、もし登校拒否が長引いた時に親のせいにする可能性があるからです。

積極的な不登校

A君をさらにその気にさせるために、これは普通の不登校ではなく、積極的な不登校だとも伝えました。『学校に不安・恐怖を感じる何らかの心理的理由や、本人を取り巻く家庭・学校・地域社会の状況など、さまざまな要因が重なっているのを変えるために、児童・生徒が強い意志を持って登校しない状態と説明すると、学校に行かないことに対してネガティブに捉えず、ポジティブに捉えられるようになりました。

※実際はもっと簡略化して説明をしました。

登校拒否開始

A君が決めた期限は10月末から翌年3月まで。

開始して一ヶ月、保護者と私以外に話す人がいないため、寂しいと感じるようになりました。

二カ月もすると行動や言動、好みの変化が起きました。YouTubeでグロイ動画をよく見るようになったり、外出する時はマスクの着用、世の中への憤りや、保護者や兄弟に対する不満といったネガティブな発言がとても多くなりました。不満は言うけど悪態をつくタイプではなかったので、登校拒否は心を荒ませるのだとつくづく感じました。

フリースクール

フリースクールは民間と市が運営する所に行きました。A君いわく、見た事のない現実を目の当たりし、軽くショックを受けたとのこと。

居心地は悪くないが、ここにどっぷり浸かったらダメになると心の底からA君は思い、あまり利用はしませんでした。この危機意識が後々復帰のパワーにもなります。

中にいてはダメだ

一日家の中にいるとストレスを感じるだけでなく、良くないことも考えるようになるため、保護者の誘いもあって定期的に散歩に出るようになりました。後にA君は、「不登校をしていても、外に出ないと余計にしんどくなる」と言っていました。

友人

クラブで仲の良い仲間が時々家に来ました。登校を促してくれていたようです。この仲間の存在が復帰の足掛かりになります。

私が行った支援

・A君が興味あることを話す。←話しをさせることで、発散と現在の状況から意識を遠ざけるため。

・A君がどんなに荒んだ言葉を発しても冷静に受け入れる。←発散させてスッキリさせる必要性があるため

・物事に対して、色々な見方を教える。←画一的な考え方をしてしまうので、今後の事を踏まえて、多面的な考え方が出来るようになる必要性があるため

・将来のことを自分から話してくるまで何も言わない。←プレッシャーになるため。

・励まさない、慰めない。←プレッシャーになるため。自分が惨めと感じてしまうため。

・時事ネタ、アニメ、ゲーム等の話をしながら、心の変化を観察する。←気持ちが上がってきているか下がってきているかを見極めることで、次の一手を考えるため。

・目標を定め、議論する。←目標を定め、目標達成に向けて議論することがとても好きなタイプだったため。

3月に、予定通り4月から学校に復帰するかと聞いたら、「復帰する」と言いました。本当に嬉しかったです。

「A君は有言実行できる人間になったな」と伝えました。復帰を褒めるのではなく、A君の行動と言動の成長を認めることを心掛けました。

何故なら、思春期の子どもは褒めるられるよりも認められることの方が喜びが大きいからです。

作戦

復帰するとクラブの問題があるので、どういう作戦で話し合いを進めていくかを話し合いました。この時のA君の目は輝いていました。はっきりと目標が見え、それに向けて考え議論するということは、A君にとってエネルギーになるようです。

登校した時に周りからどういう目で見られ、どう思われるかということを考えさせ、覚悟も確認しました。これに関しては、学年が上がりクラスが変わるのと、意識がクラブの話し合いの方に向いていたから、それほど苦にならなかったようです。

学校に復帰してからも色々ありましたが、無事中学校を卒業し、高校に進学。そして、現在は大学に通っています。この経験はきっとA君の人生にも役立つと思います。というか、A君自身が「人があまり経験しないような経験をしたから、本を書こうかな」なんてことを言っていました。強くなりましたね。

復帰できて思う事

登校拒否中、私は上記のような支援をしてきましたが、他に何か出来なかったのかと思うこともあります。しかし、A君は「話しを聞いてくれるだけで十分意味があり、助けになった」と言われたので、私も救われた気持ちになりました。

学校に復帰できたのは、色々な条件が重なったからだと思います。その中で、A君の中で危機意識が生まれたのと、クラブの仲間の存在は大きい要素だと思います。危機意識が動く原動力となり、仲間の存在が学校での拠り所になったのでしょう。本当に復帰できて良かったです。

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