敦賀市で海釣り~誰も気づかなかった誤学習の発見~
釣り具一式を貰って活動に釣りという選択肢が増えて喜んでいるひだち教室長の安藤です。
最近私とのマンツーマンによる宿泊活動を希望しているG君。
非日常感を味わえるからか、教室で宿泊することが楽しいようです。
向上心の強いG君は海釣りをしたいというので、敦賀市にある港まで行くことに。
そんな宿泊活動で、G君は生活にも影響が出る可能性のある誤学習をしていることが分かりました。
私も他の誰も気が付いていなかった誤学習。
今回はG君が学んだことと誤学習について書きたいと思います。
Contents
ライフスキルを意識した活動
今回の活動は海釣りがメインですが、釣りの上達は二の次です。
G君に学んで欲しいことは以下のこと。
・自分で荷物を準備できる
・体調管理の仕方
・釣りの準備の仕方を知る
一人で荷物を準備できるようになりましたが、忘れ物が全くないわけではありません。
肝心な物を忘れるということがしばしばあります。
G君は何とかしたいと思っているので可能な限り完璧を目指します。
体調管理は服装に限定したものにしました。
何を着るべきかを示された情報から推測し、自分で服装を選ぶというもの。
今回は『防寒着』という単語と『港は物凄く寒い』という情報を行程表に記しました。
適した服装を選んだら自分の判断が正しいと自信を持て、間違えたら良い学びの機会になると思います。
これまでの活動で釣りの経験はあるG君。
しかし、自分で釣り竿に糸をつけ、釣り針をつけるといった準備を経験したことがありません。
釣りは釣り竿があれば出来るという認識だったので、その認識を修正を図ります。
また、釣りの仕組み(例:リールの装着方法)を知ることで日常生活に活かせる場面があります。
敦賀市の海釣りスポット
敦賀市にある人気海釣りスポットは敦賀新港にあります。
無料の駐車場やトイレがあり、使用料もかからないので釣り人にとっては非常にありがたいスポット。
人気スポットなだけあって、午前3時~4時ぐらいから釣り人が集まりだします。
確実に釣りを出来るために、夜遅くに敦賀新港へ向かい、車内で仮眠をとってから釣りをすることにしました。
G君は大事な物をグループホームに忘れてくるというトラブルがありましたが、それ以外は順調。
大津の教室から車で3時間もかからない内に到着しました。
予定よりも早く着いたので驚きです。
大津はそれほど寒くありませんでしたが、港なだけあって海から強風が吹いてきて寒い。
しかし、車内はそれほど寒くなかった(むしろ二人の体温で暖かい)ので問題はありませんでした。
午前3時に起床し、朝食をとってから釣りをスタートしようとG君が決断。
たくさん釣れるか、私達は期待を胸に仮眠をとりました。
そして3時間後、あることが判明して全ての予定が狂います。
結局釣りをスタートできたのは9時をまわってからになりました。
強い風が吹いていましたが、気温は比較的高めで心地よかったです。
心地良いけど、魚が釣れやすい時間帯は過ぎています。
一匹も釣れないかもしれない・・・。
そんな覚悟をしていましたが、見事小さなカサゴをゲット!
「釣れないかもしれない」と私に伝えられていたG君は、とても喜びました。
G君:「釣れて成功体験になった」
生徒の口から「成功体験になった」と聞いたことがなかったので少し驚きました。
2時間釣りをして釣れたのはその一匹だけでしたが、成功体験を積めて良かったです。
釣りを終えてから、『日本海さかな街』という市場とお土産屋が合体した施設に行きました。
新鮮な魚介類を安くたくさん食べることができます。
詳細はまた別の記事に書きたいと思います。
誤学習を含んだ3つの学び
活動はハプニングの連続で活動しがいがありました。
そのため、前述した3つの学びはある程度達成したと思います。
・自分で荷物を準備できる
・体調管理の仕方
・釣りの準備の仕方を知る
失敗体験から次に活かせるタイプのG君にとって、今回の活動はさらなる意欲にも繋がりました。
G君はどのような失敗があり、何を学んだのでしょうか?
置きっぱなしも大切(自分で荷物を準備できる)
スマホの充電ケーブルを再び忘れてきました。
前々回の活動では、忘れたことに対して軽くパニックになりましたが、今回G君は比較的冷静。
おかげで忘れた理由を尋ねることができました。
活動やおでかけをした後は、ケーブルをカバンから出して部屋のコンセントにさしてある充電器にさして使っている。そういう習慣が身に着いているために、すっかり忘れてしまったそうです。
習慣を変えることは難しいし、忘れることを完全に無くすのは難しい。ならば逆転の発想です。
忘れても良いように、置きっぱなしにすれば良いのです。
そこで、100均の安いケーブルとポーチを購入。
これらは活動中専用にし、活動後もポーチ(ケーブル入り)をカバンから出さないというルールを設けました。
G君:「今度から出さないようにする」
活動後はカバンの中身を全て出すように教えられてきたG君にとって、この発想は驚きだったようです。
特別な努力が必要ないので出来そうという感覚もあるようでした。
フード付きの服が防寒着?(体調管理の仕方)
午前3時に起床し、G君は朝ごはんを食べてからカバンから防寒着を取り出しました。
出てきたのはフード付きの薄手の服。私はまさかの物に愕然としました。
早朝に海釣りを長時間できる格好ではありません。
間違いなく風邪をひくので、暖かくなる午前9時以降に釣りをすることになりました。
教室で防寒着を持ってきたかの確認をとった時、G君は「持ってきた」と自信たっぷりに答えながらカバンをパンパンと叩いていました。
自信たっぷりの顔だったのでうっかり間違ったというわけではありません。
これを選んだ理由を尋ねると、
G君:「フードがついてたら防寒着と思っていた」
明らかに誤学習をしていました。
誤学習をしてしまった要因はたくさん考えられるので、推測の域から出にくいです。
それよりも修正を図ることが優先。
私:「防寒着はフードがついていて中がモコモコしている物」
G君:「フードがついていてモコモコしている物・・・分かった」
ダウンジャケットなど名詞で伝えるのも考えましたが、おそらくすぐに忘れる。
というのも、G君にとって興味がなくて馴染みのない言葉だからです。
そこであえて馴染みのある言葉を使うことにしました。
釣りの準備って難しい(釣りの準備の仕方を知る)
G君はールのついた釣り竿は何度か経験していますが、着脱はしたことがありませんでした。
私が見本を示し、一度試してもらいましたがなかなか上手くはめられない。
パッと見て構造を理解出来なかったようなので、一つ一つ確認をとりながら教えると装着に成功。
スムーズにつけられるようになるまでかなり時間を要しました。
糸を通す、釣り針をつける、サビキ釣りなのでマキエカゴをつけ、サビキを入れる。
こうしてようやく釣りの準備が整います。
G君はこんなに準備が大変だったとは思っていなかったようで、釣りよりも準備に神経を使っていました。
釣りを嫌がるかと思いきや、その難しさ故に出来るようになりたいとより一層強く思うようになりました。
G君の向上心の強さは尊敬に値しますね。
ひだち教室では、生徒の「やってみたい!」という気持ちを大切に、一般的には「それは大変だな~」「面倒くさい」と思われがちなことも率先して行います。普段の生活では気づかない誤学習も、外に出ることで誤学習していることを発見できることがあります。
活動に関する質問、お問合せもお気軽にどうぞ!
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