遊園地でソーシャルスキルトレーニング
例年だとひらかたパークへは1月か2月に行くのですが、今年度は12月。
冬休みまではまだ間があるためか、お客さんは思っていたよりも少なかったです。
アイススケートを練習してからアトラクションを楽しむというのがいつものコースですが、今回はアイススケートの練習をする必要性がなかったので、アトラクションを楽しみます。
とはいえ、ソーシャルスキルトレーニングを絡めるのが当教室のやり方なので、普通に楽しんでもらうつもりはありません。
遊園地はソーシャルスキルが要求される
遊園地は単純に楽しむことができますが、使い方によってはソーシャルスキルトレーニングの場としても使えます。
話し合いながら短期的な計画を立てる、一人で行動をしない、列に並ぶ、持ち物は自分で管理する、皆とはぐれないように行動する、指示通り動く、はぐれた場合は誰かに伝える、誰かを励ます、助ける、人に合わせる、自己決断ができる等の目標設定をしやすいです。
また、ソーシャルスキルとは違いますが、人と遊んだり、将来仕事をするには心を鍛えておく(理不尽な事への耐性)ことも必要なので、苦手な事にチャレンジする、(可能な限りの範囲で)アトラクションに対する怖さの克服も設定しました。
出来ることと出来ないことの狭間(最近接領域)を指導する
活動の大まかな行程は私が決めますが、お昼ご飯のタイミング等は道中の車内でCさんに決断してもらうことに。
自己決断や計画を立てるのを苦手とするCさんは突然言われて、戸惑っていました。
計画を立てるには、自分や他の人の状態、時間、環境、自分の意思(欲求)等、様々な要素を加味して考える必要があります。
Cさんは行程の案が思い浮かばなかったようなので、選択肢を複数提示しました。
その上で、何故それを選択したかの理由を問い、決断してもらいました。
ミラーごしでCさんを見ると、自己決断したことにドキドキした表情をしていました。
ひらかたパーク入口前にはお客はほとんどいませんでした。
前回行った時はすごい混雑だったので拍子抜けです。
課外活動全般に言えることですが、出来ることは自分でやってもらいます。
混雑していなかったので、まとめて買うことはせず、各自でフリーパスを購入してもらいました。
自分で遊園地のチケットを買う機会がほぼない幼児(Bちゃん)にとっては、フリーパスを自分でお金を払って購入するという事は新鮮な体験です。フリーパスを買わなければという思いが強すぎて、他人が購入しているところに割り込もうとしました。
一つの事に意識がいきすぎると、他の部分(列にちゃんと並ぶ)を忘れてしまうという典型的な行動です。
おつりを貰うという意識もまだまだ低く、チケットを購入してすぐに出発しようとし、慌てて他の生徒(Cさん)に止められていました。
経験を積んでいけば、こういった行動は無くなります。
小学生のA君はフリーパスの購入は問題ありませんでしたが、不器用さ故にフリーパスの腕輪を自分では巻けず、Cさんに巻いてもらっていました。
A君に合った巻き方を考え、自分で巻けるように指導していこうと思います。
フリーパスを購入した時、カウンターに自分の手袋を置いたのを忘れていたA君。
こういうミスは策を考えて減らしていきたいですが、似たようなケースを完璧に無くすことは難しいです。
周りが完璧を求めれば求めるほどプレッシャーになり、自己肯定感を下げる要因になります。実際、そういう子供を見たことがあります。
むしろ、ミスをした時に「どういう行動をとるべきか」と「仕方ないね精神」を教えていくことの方が、後々役に立ちます。
今回は、別の人が置き忘れていることをすぐに指摘してくれたので、ミスをした後の行動を教え、実行とまでは出来ませんでした。
また起こる可能性はあるので、その時に教え、実行してもらおうと思います。
お客はまばらだったので、アトラクションの待ち時間は一部を除いてほぼなかったです。
生徒達には、今回の目標は全てのアトラクションに乗ることを伝えました。
生徒達は私に何から乗ったら良いか訊いてきたので、生徒同士で話し合い、自分達で決断するように伝えました。
すると、マップを持たずに話し合いを始めようとしたので、「話し合いをするにはどういった情報がいる?」と私が質問したら、マップがないことに気が付きました。それから、お土産屋でマップを手に入れ、話し合いを始めます。
話し合いで平行線を辿ることはありましたが、最終的に妥協点を見つけ、行動開始。
苦手なアトラクションにもチャレンジ
木製コースター エルフ。
最初に向かったのは、木製のジェットコースターのエルフ。
ひらかたパーク屈指の怖い乗り物です。まさか一番怖いアトラクションを初めに選ぶとは予想外でした。
これを選んだ理由は、「1人1~2つは苦手なアトラクションにチャレンジしましょう」というルールがあったので、早いとこ苦手なアトラクションを終えて、好きなアトラクションを楽しみたいという思惑があるからだそうです。
Cさんはジェットコースターは平気ですが、A君は苦手。でも、A君は逃げることなくチャレンジしたことは素晴らしいです。
無事乗り終えたA君は「メチャクチャ怖かったと」興奮状態でした。
絶叫の滝バッシュ。
急流すべりも意外と怖いアトラクションで、A君は最初こそ嫌がっていましたが、Cさんの誘いで乗りました。
高い所から滑り落ちるのは思っていたほど怖くなかったらしく、平気でした。
それよりも、A君は悔しがっていました。
というのも、大きな叫び声を上げると、得点が出る装置があり、TOP5にランクインしなかったからです。
そのリベンジもしたかったようで、2回目を要求。
その意見を他の生徒に受け入れられ、帰る間際に再度乗船。
そして、見事TOP5にランクインができ、大満足で終えることができました。
レッドファルコン。
これはさすがにA君は腰がひけたので、指導者とCさんだけが乗りました。
見ているだけでゾッとする乗り物なので、三人して「よう乗るな~」と言い合いました。
乗り終えたCさんと指導者は物凄く楽しかったとのこと。
カイトフライヤー。
スーパーマンが飛ぶ感覚を味わえるアトラクション。
非常に面白いので、生徒達に勧めました。「え~」といった表情をしましたが、生徒達は乗りました。
Cちゃんはグルグル回る系のアトラクションは酔うようで、終わった時はしんどそうな顔をしていました。
あたま系アスレチック ヤッテミ~ナ。
頭を使ってクリアしていく面白アスレチック。他にはない遊具で非常に面白いです。
A君は「地獄や~」と言いつつも、楽し気にやっていました。
途中で、幼児のBちゃんが一人でクリアするには難しい難所がありました。
Bちゃんが困っているのにも関わらず、自分のことを優先しているA君を呼び止め、助けながら進むよう指示しました。
自分は出来ても、他の人は出来ないこともある。そういう時に助けると、ポイントがアップしてお得だと伝えました。
誰かを励ます、助けるというソーシャルスキルが楽しい場でも発揮されると、コミュニケーションも変わってくるので、課外活動を通して身に着けていってもらいたいですね。
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