八大神社は一乗寺下り松の決闘で有名です【京都市左京区一乗寺松原町】
宮本武蔵ファンにとっては聖地とも呼ばれる場所が京都市左京区にはあります。
私は特別ファンというわけではないですが、一乗寺下り松の決闘と聞けばすぐに分かります。
京都に住んでいても意外と来ることがなかったので、行ってきました。
古木がある八大神社情報
八大神社は住宅街を通り抜けた先にあります。
趣のある鳥居で歴史が感じられますが、その横にある宮本武蔵ゆかりの地であるといった案内板が、せっかくの雰囲気を壊してしまっている印象があります。
しかし、その案内板を見ることによって心が躍りだしたのも事実です。
八大神社は1294年に創建され、応仁の乱の兵火によって消失したが、1596年に再建されました。
700年以上歴史のある神社は由緒ある神社で、御祭神は素戔嗚命(スサノオノミコト)、稲田姫命、八王子命が祀られています。
見ても実感はわきませんでしたが、実は八大神社は八坂神社と同格で、皇居守護神12社の内の1つです。
都の表鬼門に位置しており、方除け・厄除け、学業・教育の神として厚く信仰されています。
鳥居をくぐるとゆるいカーブを描いた道をしばらく歩きます。
本当に静かな境内で、サクサクと自分の足音しか聞こえません。
社務所が見えてきて、その向かいには本殿が見えます。
この階段を登り、左を見ると、かの有名な一乗寺下り松があるとのこと。
早く見たい心を抑えて、まずはお参りです。
本殿の前には砂が盛られていたのですが、本殿に集中していたため、危うく蹴り飛ばすところでした。
本殿の脇に裏へと続く道があったので、お参りをした後で行ってみました。
グルっと本殿を周れるようになっているのですが、ちょうど本殿の真裏に、意味深げな丸い石が置かれていました。その石の上にお金が置かれていて、何か意味があるに違いないと、宮司さんに訊くと意外な答えが返ってきました。
夜中に本殿の周りをぐるぐるとまわって願かけをする風習が昔からあり、電気がない時代は提灯を持ちながらまわっていました。
お参りなので手を合わせることがあるのですが、その時に提灯を持ちながらだとやりづらいので、その提灯を置けるようにと石が設置さたのです。そのため、お賽銭のようにお金を置いても意味はないそうです。説明しながら何故かブフっと苦笑いされたのが強く印象に残りました。
宮本武蔵と吉岡一門
お待ちかねの一乗寺下り松の古木と宮本武蔵の銅像。
古木がこれ以上朽ち果てないよう、しっかりとガラスケースに入れられていました。
宮本武蔵と吉岡一門の決闘を見てきた木の一部と思うと、感慨深いものがあります。
宮本武蔵の銅像のすぐ右横には、小説家の吉川英治さんの文章が書かれた石碑がありました。
この方は宮本武蔵をとても愛しており、宮本武蔵を一躍有名にした「宮本武蔵」の作者です。
石碑によると、宮本武蔵は吉岡一門との決闘の前に八大神社に寄り、「勝たせたまえ、きょうこそは武蔵の一生の大事」と祈ろうとしました。しかし、祈ることなく決闘の地へと赴き、見事勝利したのです。
「我神仏を尊んで神仏を恃まず」という信念は、この時生まれたようです。
神仏を尊びますが、神仏に頼らないという宮本武蔵の考えに共感を覚えます。
鳥居の側に「宮本武蔵開悟(さとり)の地」と書かれていた看板があり、意味が分からなかったのですが、この石碑を読んで繋がりました。
御朱印やお守りだけでなく御朱印帳も個性がある
社務所にはたくさんのお守りやお札、宮本武蔵の絵馬などが売られていました。
宮本武蔵関連のお守りとなると、やはり勝負事です。
宮本武蔵が吉岡一門が決闘した当時の一乗寺下がり松の木片の一部を御守りとして授与。
何事にも打ち勝つとお守りとして、「勝守(かちまもり)」というお守りが売られていました。ここだけでしか買えないお守りです。
若き日の宮本武蔵が表面に、鍔が裏面に描かれた「武蔵開運御守」もここだけしか買えないお守りです。
御朱印は宮本武蔵の印が押されていて、実に個性あふれる御朱印です。外国人のウケが良さそうです。
ここ最近は気分を害する御朱印が続いたので、久しぶりにありがたさを感じる御朱印です。
写真の御朱印は通常タイプですが、特別御朱印というものもあります。
それは見開き二頁の大きなサイズの御朱印で、八大神社の御神輿、剣鉾、御神紋の印が押されているのが特徴です。
それを買うか迷いましたが、通常よりも少しお高い500円という値段と、宮本武蔵印の方が魅力的に感じたので、通常タイプにしました。
神社へお参りをする度に御朱印を貰う方は、たいてい御朱印帳を既に持っていると思うのですが、八大神社の御朱印帳を見たらもう一冊買うか迷うかもしれません。
何故なら、宮本武蔵と下がり松をイメージした絵が描かれていて、他にはないカッコ良さがあります。
値段は1500円と少しお高いですが、個性的な御朱印帳を欲している方はお勧めです。
アクセスと駐車場情報
叡山電鉄:一乗寺駅から徒歩10分。
京都市営バス:5・65・北8系統にて、一乗寺下り松で下車し、徒歩7分。
京都バス:55系統にて、一乗寺下り松で下車し、徒歩7分。
駐車場は、詩仙堂拝観と共通の有料駐車場があり、1時間500円です。
ご祈祷を受ける方や結婚式に出席する方は、境内敷地内の駐車場を無料で使用できます。
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