重要文化財の宝塔寺【京都市伏見区深草宝塔寺山町】
外国人に人気の観光スポットである伏見稲荷大社。
多くの人達はそこへ参拝しますが、伏見稲荷大社から南へ15分ほど歩くと、重要文化財である宝塔寺があります。
日蓮宗の宝塔寺情報
室町時代に建立されたという総門は趣があり、通りかかる人達はつい見てしまいます。
そんな門くぐると、お寺へと続く石畳の参道が表れます。
参道の両端には大雲寺、圓妙院、直勝寺、霊光寺といった塔頭(たっちゅう)があります。
足を止めながら進むので、100mほどの距離なのに意外と長く感じます。見通しも良く、子供だと間違いなく走りたくなります。
私が参拝した時も幼児が走っていました。
藤原基経が発願 宝塔寺(山号:深草山)
仁王門。
写真では分かりづらいですが、鮮やかな朱色をしており、両脇には迫力ある仁王像が立っています。
仁王門をくぐると、宝塔寺が見えてきます。
宝塔寺。
観光スポットではないので人もほとんどおらず、しんと静まり返り、厳かな雰囲気を漂わしています。
落ち着いてお寺の雰囲気を味わいたいという人にはうってつけです。
寺伝によると宝塔寺の歴史は古く、899年に藤原基経が発願し、藤原時平が大成した極楽寺(真言宗)が起こりと言われています。
当初は真言宗でしたが、鎌倉時代に日蓮宗に改宗し、宝塔寺と名を変えました。
真言宗から日蓮宗へと宗派が変わった当時の人々は、どういう思いだったのでしょうか?
全ての人がすんなりと受け入れられたのか、争いはなかったのか、そんなことを思い馳せながら参拝しました。
多宝塔と七面宮
多宝塔。
1439年(室町時代中期)以前の建築で、京都市に現存する最古の多宝塔。宝塔寺と同じく重要文化財にも指定されています。
高さは11.4mと低めですが、行基葺(ぎょうきぶき)と呼ばれる独特な屋根の形が印象的です。
この行基葺に関する知識を有していると、美しさをより強く感じるそうです。
境内を歩いていると鼓楼があり、その下に七面宮へと続く七面宮参道があります。
参道はナラ枯のため、枯枝の落下や倒木の危険があるので、強風や大雨の時は通行しない方が良いでしょう。
七面大明神と書かれたのぼりに導かれるようにして、急な石段を登っていきます。
七面宮を参拝するなら、運動に適したスニーカーで来ることをお勧めします。
見た目以上に傾斜があり、距離が長いからです。
途中で、鬼子母尊神が祀られた千仏堂や三十番神堂を参拝し、さらに登ります。
七面宮の石の鳥居が見えた頃には、じんわりと汗をかいていました。
冬でこの汗の量だから、夏場に登ると汗だくになっていることでしょう。
七面宮までもう少し。
七面宮。
1666年に勧請された七面大明神が祀られています。
七面大明神は鬼門を封じ、七面を開く七面山に降り立った吉祥天で、右手に鍵、左手に宝珠を持っておられるそうです。
そんな方が祀られている七面宮を見た瞬間、なんて特色のない建造物なんだと思ってしまいました。
ただ、悪い意味ではありません。色鮮やかな物も悪いわけではないですが、こういう地味なものは民衆に親しみやすく、好きです。
熊鷹大明神。
七面宮の裏には、熊鷹大明神が祀られています。
社の北側には、鷹義大明神の小社、清鷹姫大神、義正明神の石碑がありました。
初めて聞く名なので調べてみましたが、良く分かりませんでした。
七面宮のすぐ近くに妙見社があるのですが、その側に阿羅漢を模した石像がありました。
阿羅漢とは、仏教において最高の悟りを開き、民衆から尊敬されるにふさわしい聖者のことをさします。
仏教に詳しい母は画像を見て「へ~」と感動していましたが、詳しくない私は「なんだこりゃ?」という感想でした。
アクセスと地図
京阪線:龍谷大前深草駅から徒歩10分。
JR奈良線:稲荷駅から徒歩10分。
駐車場:10台駐車できます。無料。
拝観時間:自由。
定休日:なし。
電話番号:075-641-1859
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2024年 9月 08日
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