こえキャッチで声が大きい子供の改善【スマホアプリ】
発達障害のある人の中には、声の大きさを調整するのが苦手な子供がいます。声の調整指導として視覚的に分かる教材が数多く作られてきましたが、昨年スマートフォンのアプリとして「こえキャッチ」というアプリが配信されました。
現代の子供達はスマホゲームは身近な物なので、画期的です。
Contents
発達障害のある人が声の調整が難しい原因
いくつかのケースが考えられます
・自分の声は聞きなれているため、声が大きいと気づいていない。(ASD、ADHDの子供でよく見られます)
・他者の反応や表情を正しく捉えられないため、この声の大きさで良いと思っている。(ASDの子供でよく見られます)
・大人の関心を向かせるのに、大きな声を出したら振り向ていくれるからという誤学習。(ASD、ADHDの子供で見られます)
・何度も注意を受けているが、つい声が大きくなってしまう。(ADHDの子供でよく見られます)
・軽く興奮状態になると、声が大きくなる。(ASD、ADHDの子供で見られます)
・心理的要因により、声の調整が難しくなった。(ASD、ADHDの子供で見られます)
声の調整が難しいというと、声が大きすぎることに着目しがちですが、声のボリュームが小さくなるケースもあります。
私が担当している生徒はまさにそのケースで、以前は声のボリュームに問題はなかったものの、今では意識しないと小さくなってしまいます。
学校で色々としんどい思いを経験してしまい、話すことに心理的負荷が必要以上にかかるようになったのが要因です。
こえキャッチ情報
LITALICOが開発したアプリで、配信からわずか2ヶ月で35万を超えるダウンロードがあり、日本だけでなく、海外からも高い評価を受けています。
そういった噂を聞きつけて今回ダウンロードをし、実際プレイしてみました。その特徴と感想を書きたいと思います。
こえキャッチの特徴
スマホに向かって声を出すことによってカワイイ絵柄の動物(ネズミ、猫、ライオン)達を出現させ、落ちてくる食べ物をカゴで拾うゲームです。拾った食べ物の数で得点が加算され、高得点を目指します。
声の大きさが小さければネズミ、中ぐらいで猫、声を大きく出すとライオンが出現し、落ちてくる食べ物を拾います。
時折、星の形をした物が落ちてきて、それを拾うと熊が出てきてボーナスタイムとなり、高得点のチャンス到来です!
このクマが出てくるとテンションが上がりますね。
必死になって声を出して食べ物を拾うのですが、たくさん落ちてくるので、なかなかしんどいです。
現時点で、534点が私の最高点です。一定の得点をとると、アイテムをゲットできます!今回ゲットしたアイテムはチョコやイチゴがのったアイスクリームでした。
これをコンプリートするのが最終目標なのでしょう。コンプリート魂に火が付きます。
ゲームの総評
今回やってみて、良かった点と良くない点、付けて欲しい追加機能が見えました。
良かった点
・色分けしたメーターがあり、声の大きさが視覚的に分かりやすかった。
・ゲーム感覚で声の大きさを学べる。
・アイテムをゲットできることで、ゲームをするモチベーションが上がり、飽きにくい。
・声の大きさ指示をする時に、ネズミの声、猫の声、ライオンの声と言ったらすぐに理解して調整できるようになると思われる。
良くなかった点
・過呼吸を経験している人間には、過呼吸状態を思い出し、しんどくなる危険性がある。
・声は小さいのに、声が長かったらライオンが出現した。
・「あ」や「う」など、一文字言うだけで良いので、声の調整トレーニングになるかは疑問。
・同時処理型タイプ仕様になっているので、継次処理型タイプには声の調整が分かりづらいかも。
付けて欲しい追加機能
・単語やセリフを指定すると、より一層練習効果が上がりそう。
・現在の色分けメーターは同時処理型タイプには理解しやすいが、継次処理型には理解しづらい。なので、色分け(同時処理型は理解しやすい)と数値(継次処理型には理解しやすい)のどちらかを選択できると良いなと思いました。
・声の適切な大きさは場面によって変わるので、様々なシチュエーションを作ってほしい。
感想
学ぶため、気軽にできるツールとして良いと思います。
ただ、これをしたらどんな所でも声の調整が効くようになるかは懐疑的です。声の適切な大きさはシチュエーションだけでなく、生活環境、心理状態等によっても変わるので、期待しすぎない程度でやることをお勧めします。
私の経験上、どんな場面でも声の調整が効くようになるには、声の調整を体験、友人、環境、成功体験の4つです。
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