自然の中で馬と生活

世の中には色んな生活スタイルがありますが、商業目的以外で馬と生活を共にしている方がいます。

幸運にもそういう方と出会うことができた私は、生徒達にそういう生活を体験して欲しいと思い、体験出来ないかお願いしたところ、快諾して頂けました。

そして先日、生徒達と行ってきました。

大自然の中での暮らし

普通に生活を送っておられるので場所は伏せておきますが、滋賀県の山奥にお住まいがありました。

自然に囲まれているので空気が澄んでいて、実にリラックスできる雰囲気です。

川もすぐ側にあり、大自然の暮らしを満喫するにはもってこいです。

敷地内は動物達が自由に動き回りつつ、脱走できないように柵で囲まれています。

下見の時も今回も、私の犬を一緒に連れて行っていたのですが、安心してリードを外して自由に走らせられます。

門扉まで近づくと、私の車を覚えてくれていたのか、犬がお出迎え。

尻尾を振りながら、物凄く歓迎してくれました。

大型犬なので、生徒達はびびるかと危惧していましたが、尻尾を振りながら近寄ってくる姿を見て、笑顔がこぼれました。

ただ、尻尾は固くて太いので、尻尾が腕や体に当たると生徒達は痛がっていました。悪気はないので仕方ないですね。

馬と生活しているだけあって、馬は自由に歩き回っています。

ゆったりと歩いている姿を見て、ノンストレスな生活とはこういうことだなと感じました。

犬は二匹飼われていて、その内の一匹は拾ってきた犬だそうです。

拾われてきた犬は白内障を患っており、高齢ということもあって、ヨタヨタと動いていました。

私が近づくと、匂いを覚えていてくれたのか、クンクンと何度も手の匂いをかいでくれました。カワイイです。

数匹の猫も一緒に住んでいるのですが、人間に対して警戒心が強く、私達がやってくるとサッと隠れてしまいました。

そのため、写真に収めることは出来ませんでした。残念。

因みに、倉庫内にいる可能性が高いそうです。

大人数でゾロゾロ行くと馬が怖がる可能性もあるので、少人数で訪問しています。

A君(小学生)はあっという間に馬と打ち解けていました。

サラブレッドなので結構な大きさなのですが、物怖じしない生徒に驚きです。

幼児は怖がっていて、少し離れた所から様子を見ていました。

馬のお世話と触れあい

馬のお世話+触れあい開始。

馬のボロ拾いは熊手とチリトリを使って拾います。拾ったボロは専用のゴミ箱があるので、そこに溜めておきます。

ある程度溜まると、畑の肥料として使うそうです。

Bちゃん(幼児)は最初ボロがどういうものかというのは分かりませんでしたが、教えてもらうと一気に拒否反応を示しました。

「やりたくない」と言って、それを受け入れるのは簡単ですが、子供は「勇気づけ」されると出来るようになることが多いです。

そこでまず私がしたのは、選択をしてもらいました。「ボロを全部拾うか、一つだけ拾うかどちらが良い?」

子供(特に幼児)は嫌な事でも少しぐらいなら頑張ろうかなと思いやすく、「一つだけやる」と言いました。

Bちゃんは熊手を受け取り、恐る恐る私の手を握りながらボロに近づきます。

その間、私は「私も手伝う」「Bちゃんなら出来る」と言い続けました。

すると、見事ボロをチリトリに入れることが出来ました。

意外と簡単に出来たのと、周りから「すご~い」と言われたことで、Bちゃんは自分の意思で全てのボロを拾い始めました。

Bちゃんにとっては、大きな成功体験になったことでしょう。

次に行ったのは蹄の手入れです。

蹄の手入れをしているところを見学するというのはよくありますが、子供自身でやるというのはなかなか出来ない体験です。

蹄の手入れをしないと病気になってしまう等の話を聞きながら、生徒達(サポート付き)は手入れをしていました。

馬の毛のブラッシング。

大人数で来ると、ブラッシングは数回擦っただけで終わるのですが、少人数なので、ガッツリと出来ました。

A君は左側、右側、上部、下部と全て擦っていました。

Bちゃんは、同じ箇所をひたすらブラッシングしていました。

少しは慣れてきたとはいえ、まだ恐怖心があったようで、その場から動こうとしませんでした。

乗馬体験。

A君は馬にまたがり、お爺さんが馬を引いて広い庭をグルグルと歩き回りました。

馬の揺れ、馬の上から見る景色は楽しかったようで、A君は終始笑顔でした。

その様子を不安そうに見ていたBちゃん。

私の手をとりながら、いざ乗ってもらおうと跨ると、ギャン泣きしました。

これは無理強いをしない方が良いと判断し、Bちゃんは乗るのを止めました。

少し残念ではありますが、もう少し馬に慣れたらまたチャレンジしてもらいたいなと思います。

焼きおにぎり作り

庭にカマドがあるので、焼きおにぎり作りをすることに。

新聞はありましたが、松ぼっくりも燃料になるということを学んでもらうために、裏庭に自生している松の木へ向かいました。

A君はまだ木についている松ぼっくりをとり、Bちゃんは落ちている小さめの松ぼっくりを拾い集めました。

ある程度集めると、次は火起こしです。

Bちゃんはこの頃になると、疲労が見え始めたので、一休み。火起こしはA君に全て任せました。

マッチをつけるのは初体験のA君。擦り方はどこかで見た事があるようで、簡単につきました。

ただ、そこから新聞に火を移すという行為に苦戦していました。苦心しながらも、どうにかつくことができました。

火力を強めるために、竹筒を使って空気を送り込みます。

風が自分の所へ吹いていたため、煙がA君を覆います。何とか煙を避けようと位置を変えながら、空気を送り続けました。

お昼ということを察知したのか、馬や犬の行動が変わります。

家の中でおにぎりを作っていた奥様に、窓から顔を覗かせて催促していました。

ほのぼのとした光景ですね。

ほのぼのと言えば、犬の様子も面白かったです。

ご飯を食べている幼児と私の奥さんをジ~と見る犬。無言の催促です。

やはり動物との暮らしは癒されます。

焼きあがったおにぎりは温かくてほのかに香ばしく、美味しかったです。

スーパーで購入したお惣菜も併せて、大満足の昼食となりました。

食べていると、馬が寄ってきました。

そろそろ我慢がきかなくなってきて、おにぎりを持った私の手に顔を近づけ、何度も食べようとしてきました。

そこで、ニンジンを上げることに。

ニンジンはそのままだと喉に詰まる恐れがあるので、食べやすいように切ります。

細く切ったニンジンを手にのせてあげるのですが、お腹を減らした馬はむさぼるようにして食べました。

身体全体でグイグイと押すようにして食べてくるので、圧が凄かったです。

A君や私はあまりの圧に何度か逃げてしまい、それを追いかける馬。

Bちゃんはそんな様子を見て大爆笑。それが逆に安心感を生んだようで、馬に餌をあげると言い出しました。

Bちゃんの手の平にニンジンをのせ、私はBちゃんの手の平を支えるようにして下に手の平を広げました。これも勇気づけの一種です。

すると、食べさせることに成功。しかも2回も成功しました。後にBちゃんの母親に伝えると、とても驚いていました。

昼食も食べ、帰ろうかと思っていたら、奥様が面白いものが見られると、ある事を提案してきました。

軽トラの後ろに私達が乗って車を走らせ、犬に車を追ってきてもらうというもの。

孫が来た時によく催促される遊びだそうです。

そんなに面白いものかと思っていたら、面白かったです。

車を走って追ってくる犬の姿は躍動感が溢れ、なかなか見ることが出来ないものです。

生徒達もその様子を見て面白がっていました。

残念ながら、私の犬は全く追いかけてくることもなく、「何事?」という顔でポカーンと眺めるだけでした。

飼い主としては、少しは追いかけて欲しかったです。

今回の体験が生徒達の人生にどういう影響を及ぼすかは分かりません。

しかし、ふとした時に思い出し、こういう生活スタイルも有りだなと思ってくれたら大成功と言えるでしょう。

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