新しい体験と継続すべき体験

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

おかげさまで忙しく、あっという間の一年でした。

ふりかえってみると、前職では出来なかった新しい体験や試みを数多くできたと思います。

新しい体験や試みの意義や必要性の再確認が出来ただけでなく、継続すべき活動を発見できた年でもありました。

新しい体験だけでなく継続性も

様々な体験をするというコンセプトの当教室は、未体験なことを出来るだけするようにしています。

何故なら、新しい体験をすることは「人生の選択肢が増える」からです。

その選択肢は職だけでなく、趣味などの生活部分にも影響が及びます。しかし、これは一つ欠点があります。

それは力をつけるためのキッカケにはなっても、本当の意味で自分の力として身に付かないというものです。

力を身に付けるつけるには継続性が必須です。

昨年の新しい体験と試み

なんといっても関東へ生徒達と行けたのが、一番の思い出として残っています。

関東自体は生徒達は知っていますが、それに行くための手段として夜行バスを利用しましたが、夜行バスという存在を初めて知った生徒も多かったです。

また、夜行バスのしんどさを身をもって体験したことで、全員の共通の思い出として強く残っており、共通の話題として今でも出てくることがあります。その時の話が出ると皆反応が良く、共感しているのが分かります。

コミュニケーションを円滑にするには、共感性と共通の思い出が必要です。

その目的を達成できたのは良かったです。

テントを利用しての宿泊。

ひだち教室のテントを持参して、長野県の妻籠宿で宿泊活動をしました。

一緒に行程表を作っている時に、スマホ使用を制限するというルールをつくろうとしたら猛烈な反対を受け、長い話し合いの末、最後は納得してルールが適用されることになりました。

ASDの生徒には、嫌がることでも納得させることが出来れば、嫌な事でも受け入れられるのだと改めて知った瞬間です。

生徒と2人だけの旅。

様々なハプニングが起き、テント内で言い合いをしたりもしましたが、今では良い思い出です。

新しい試みとしては、登録バイトに生徒と一緒に行ったことです。

ゲームのデバック作業は2人の大学生を連れて行きましたが、同じ職場なのに全く正反対の感想になったことが印象的でした。

良い指導者にあたった生徒は最高という感想だったのに、圧を感じる喋り方をする指導者にあたった生徒は最悪だったという感想でした。

仕事を続ける上で、人って本当に大切な要素だと私も生徒も感じました。

ピッキングなどのいわゆる軽作業も、能力によっては難しいということも学びました。

荷物が崩れないように荷物を積むという、はたからみたら簡単な作業と思われがちですが、空間認知が弱いととても難しいのです。

実際、自分の仕事をしながら生徒を見ると、生徒はどう積んだら良いか分からず、止まっていました。

能力にあった仕事をするという必要性を、生徒は身をもって学んだ瞬間でした。

先生が生徒と一緒に働くなんて、前代未聞かもしれませんが、発達障害者にとってはとても心強いことのようです。

フットワークが軽いひだち教室だからこそ出来ることだと思います。

今後も続けていきたいですね。

知らない仕事(世界)を知るための活動。

年齢の高い生徒もいるので、仕事を意識した活動も必要になってきます。

一般的に知られているような仕事だと学校で職業体験できるので、あまり意味がないと思っています。

こういう生き方(仕事)もあるということを示すことが、当教室の役割だと信じています。

そこでは私は、極力変わった仕事(世界)を出来るだけ体験させたいと思っています。

昨年特に反応が良かったのは、3Dモデリングと3Dプリンターを使って物を作るという体験でした。

物を作るのが好きな生徒もおり、その生徒達はこんな方法で物を作ることが出来るのだと、とても驚いていました。

将来、この体験がどう役に立つかは分かりません。

しかし、就職で悩んだ時に何かしらの判断材料になることは間違いないと思います。

継続すべき体験

昨年、継続できる(しやすい)活動を見つけられたのは大きな発見です。

継続しようとすると、まずは飽きないという要素が必要なのですが、発達障害のある子供はタイプによって反応が違うので難しい部分があります。

ADHDの場合は飽きっぽいので、常に刺激が必要です。

ASDの場合ははまったらとことんはまりますが、新しい事にチャレンジすることが苦手なので、最初はとても嫌がるケースもあります。

それらを全てクリアするのは、サイクリングという結論に至りました。

常に自転車をこぎ、風景も変わるので常に刺激がある。自転車という慣れた乗り物を使うので、イメージがわきやすく、嫌がることが少ない又はない。

昨年、課外活動で琵琶湖の南湖(45キロ)を走りましたが、すこぶる好評でした。

45キロという途方もない距離を走ったので、達成感も半端なかったようです。

またやりたいという言葉を生徒からよく聞き、後日保護者からも「またやってください」という言葉を頂きました。

サイクリングの良いところは、年に数回でも力が身につくことです。

やった分だけ力(身体の体力と足の体力)が身につくので、課外活動に継続して入れ込んでいこうと思っています。

また、単にサイクリングをするだけでは勿体ないので、今年はソーシャルスキルトレーニングも織り交ぜていこうと考えています。

今年は新しいことを探しつつ、継続できる活動ももっと見つけたいと思います。

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