人狼ゲームのルールは簡単だが奥が深い

先日レッスンのチャレンジ体験で、人狼ゲームを楽しめるという巷で噂の人狼ゲームハウスに行ってきました。

一時、何人かの生徒がオンラインの人狼ゲームにはまっていて、テレビでも紹介されているのを見てると、これはコミュニケーション能力を高めるのに良いかもと思い、面と向かい合って行うリアル人狼ゲームを体験させることにしました。

今回の人狼ゲーム参加者は私含めて4人。その内2人はオンラインの人狼ゲーム経験者。

しかし、面と向かい合ってするのは初めてです。

全く知らない人達と面と向かい合ってゲームをするとあって、生徒の1人は緊張しっぱなしでした。

大阪難波にあるビルの一角に、人狼ハウスがあります。

周りは飲食店ばかりなので、本当にこんな所にあるのか疑問でしたが、生徒達と一緒に探してなんとか見つけました。

店内に入ると、想像と違ってこじんまりとした空間です。そこに10人以上の大人達がイスに座ってくつろいでいました。

あまり換気されていないのか、少し息が詰まる感じがありました。

そんな密閉された空間なので、何かを食べると食べ物の匂いが部屋中に充満してしまい、鼻が良い私には少しきつかったです。

人狼ゲームの説明

ルール自体はそれほど難しくありません。村の中に潜む人狼を推理と話し合いで見つけ出して処刑するというシンプルなルールです。

勿論人狼も黙ってはいません。人狼は人々を騙しながら夜になるのを待ち、夜毎村人を襲います。

一人また一人と殺されるので、村人はいかにして早く人狼を見つけるか、そのために巧みな駆け引きや情報戦が展開されます。

私ともう一人の生徒は全くの初心者だったので、スタッフが説明をしてくださいました。

流れとしてはこんな感じです。

村人陣営と人狼陣営に分かれる→役職カード配布→はじまりの夜(スタッフが役職を確認する)→昼の時間(話し合いの時間)→夕方の時間(処刑する人の投票を行う)→夜の時間(人狼が村人陣営を襲う)→昼の時間へ。この繰り返しです。

村人陣営の勝利条件は、人狼を全て見つける。

人狼陣営の勝利条件は、村人の数と人狼が同数以下になったら勝ちです。

役職が描かれたカード

村人は能力がなく、多くの人がこの役職です。

占い師は夜中に1人を占って、人狼か人間かが分かる。

霊能者は、処刑した人が人狼か人間かが分かります。

騎士は指名した人を人狼の攻撃から守ります。

ハンターは、死んだ瞬間に誰かを道連れにできます。

共有は、お互い初めから仲間だと知っています。

人狼は人狼仲間を把握し、毎夜村人を1人だけ襲います。

狂人は、能力はないが、人狼の味方をする。勝利条件は人狼陣営と同じ。

第三陣営は、襲撃でしなないが占われたら死亡。

これらカードは、ゲームを始める前に配られますが、実はこの時点から駆け引きや推理が始まります。

ハンドサインなんかもありますが、初心者はあまり使うことはないとのことでした。

説明を一通り受けてから、ゲーム開始です。

全員裏切り者に見えてしまった1ゲーム目

1ゲーム目は12人で開始。私達以外は経験豊富な方ばかりです。

カードを配られた私は、いきなり霊能者の役職にあたりました。

思わず二度見。ゲーム後に教えてもらったのですが、その無意識な行動が他の人達に怪しいと思われたようです。

てっきり役職を隠しながらやると思っていたら、突然役職を明かすように言われたので、慌てました。

これも駆け引きかと疑心暗鬼になり、全員が裏切り者に見えてしまいました。

冷静に考えるとそんなはずはないんですが、皆の圧をヒシヒシと感じて冷静になれませんでした。

後で生徒から聞きましたが、オンラインではこういう圧を感じないから、リアルならではとのこと。

話し合いはスピード感が凄かったです。喋りが早いのではなく、話す人が次々と変わるのです。

また、専門用語もよく飛び交っていて、日本語だけど全く理解できない状態。理解できないから発言もできない。

ゲームをしながら、私はこう思いました。LDやADHDの心理的疑似体験プログラムみたいだと。

分かるようで分からない、発言したいけど出来ない、そのため自己肯定感が低下して自己嫌悪に陥る。

そんな発達障害のある人のしんどさや気持ちを体験できました。

発達障害のある人のしんどさを本当の意味で知りたいなら、リアル人狼ゲームを体験すると良いと思います。

オンライン人狼ゲーム経験者の生徒は、積極的に発言していました。始まる前は過度に緊張していただけに、とても驚きました。

この生徒に対して、初めて心の底から「スゲ~」と感心しました。

最初の投票と2度目の投票をする時は理由を言ってから投票するのですが、話についていけない私は、人の仕草や表情で判断するしかありませんでした。

そういうのは私だけかと思ったのですが、他にもそういう人がいたので、こういうやり方もありなようです。

ゲーム中盤あたりで私は人狼に殺されてしまいました。

本来なら悔しいと思うのでしょうが、私はゲームから開放されてホッとしました。

それほど、話し合いについていけなくてしんどかったのです。

しかし、話し合いの様子を外野から見ていると、非常に面白く感じました。

誰が人狼か分かっているので、それを踏まえた上でやり取りを見ていると、かなり高度な駆け引きが行われていると感心すると同時に勉強にもなりました。

1ゲーム目は人狼陣営の勝利。

MVP等を投票で決めるのですが、よく発言していた生徒は敢闘賞みたいのをゲットしていました。凄いです!!

騎士が大活躍の2ゲーム目

参加人数が増えて14名。

2ゲーム目は騎士が村人を何度も守ったので、その度に「おお~」という安堵の声が部屋中に響き渡りました。

私は村人だったので今回は変な行動をとらなかったのですが、相変わらず発言はできず。

それがかえって怪しいと思われたようで、ある人に「発言がないから怪しいと思っています」と言われました。

濡れ衣とはこういう誤解から生まれるんですね。

私自身が疑われるのは何も思わなかったのですが、私と同じく発言が出来ない生徒も疑われだし、最終的に処刑されてしまいました。

ゲームと分かってはいますが、証拠もないのに疑われて処刑されたことに腹が立ってしまいました。

2ゲーム目は1ゲーム目と比べて、参加者達の発言のトーンや相手を追い込む時の圧のかけ方の変化にまで意識がいくようになりました。

少しだけ情報収集力がついたのかもしれません。

結局、私を含むひだち教室の生徒は全員処刑されてしまいました。

発言するとボロが出ることもありますが、発言が少ない又は出来ないと疑われます。発言の匙加減が難しいゲームです。

今回の体験で初心者は初心者同士でやるべきと気づく

私は色々な事を体験してきましたが、全く参加出来ないという状態は生まれて初めてで、初心者と経験者がこれほど如実に現れるゲームとは思いもしませんでした。

実は、未経験者ばかりのグループを後日連れてこようと考えていたのですが、考え直しました。

理由は経験の差というだけではありません。

私は今回人狼ゲームをしながら、何がそんなに難しいのか分析しました。

一見、高い言語能力が求められるものと思われますが、体験してみて言語能力は平均~平均以下でも十分出来ます。

それよりも、視覚からの情報収集力、視覚記憶、選択的注意、感情のコントロール、聴覚記憶、情報の統合力、分析力等がかなり求められるものと感じました。

これらを踏まえると、経験者の中で生徒達がやるのは難しいです。

まずは仲間内で練習を踏まえて、楽しみながら経験を積むのが良いです。

人狼ゲームは難しいですが、慣れによる効果が間違いなく表れますので、スモールステップで生徒達に経験させていこうと思います。

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