対応力が身に着くと、仕事や日常生活能力が向上してくる

前回、対応力を身に着ける、向上するために『自己理解』が重要とお話しましたが、今回は『外での体験』の重要性についてお話します。

外に出るのが一番

外は部屋の中とは違い、変化に富んでいます。予想だにしないことが起きる可能性があります。発達障がいのある子ども(特にASD)は、そういう予想だにしないことが起きることを苦手とし、どう対応すればいいか分からないため、休日になっても外に出ず、部屋でゲーム三昧というお話をよく聞きます。

恐怖心

部屋にずっといては対応力が身に付かないと保護者は考え、「どっか一人で出かけて遊んでこい」と言う方が時々います。親心からなのでしょうが、それは恐怖心を与えているにすぎません。

子どもの気持ちとしては、「なんで行かなあかんねん」「面白くないやん」です。それはごく当然の気持ちだと思います。子どもが自ら外に出たくなるような環境を整えることが必要ですね。

友人

外に出ようと思える一番のキッカケは友人の存在です。友人が一緒にいれば予想だにしないことが起きても対応してもらえるし、楽しいです。しかし、発達障がいの子どもは、学校内限定の友人はいるがプライベートで遊ぶ友人がいないというケース、全く友人がいないといったケースもよく聞きます。そのような環境下で対応力が身に付くはずがありません。では、どうするか。

大人と外に出かけよう

子どもが小学校低学年ぐらいなら保護者と外に出かけても意味はありますが、大きくなると保護者の影響は受けにくくなるので、他人(大人)と出かける方が良いです。

当教室は課外活動にも力を入れており、色々な場所に生徒を連れていきます。単純に連れていくのではなく、意図的に生徒が苦手としている課題(例:人に道を尋ねる、地図を見ながら目的地へ向かってもらう)を与えて、様々な場面・環境での対応力を身に着けるように仕向けています。

子どもは不安からすぐに「あの人に聞いて良いのかな?」「今聞いて良いのかな?」と私に聞いてきますが、「自分で決めて」と敢えて突き放します。対応力を身に着けるには、まずは自己決断が出来ないといけないからです。子どもはオドオドしますが、見守られているということもあって、最終的には実行できます。適度な試練を与えることは対応力を身に着ける、向上する最良の薬です。

一つ気を付けなければいけないことがあります。発達障がいの子どもには柔軟な対応力を最初から求めるとパニックに陥りやすいです。まずは固定された対応方法をしっかり学ばせることが重要です。その対応方法が身についてから、その他にも選択肢があるという事を教え、実践していきます。それを繰り返していくと柔軟な対応力が身についていきます。

ある生徒ですが、課外活動で対応方法を学んだことで、一人で外出できるようなった生徒がいました。一人で外出することで時々ハプニングに見舞われることもあるらしいのですが、対応できているとのこと。みせかけではなく、本当の意味での対応力が身に着いたのだと思います。外での体験がいかに大切かが分かりますね。

仕事でも

発達障がいのある人は、仕事の際に色々な面で不器用さがでます。中には予め忠告を受けていても上手く対応ができないこともあります。しかし、そういう人は実際体験し続けると対応できるようになります。

私が上司の方に求めたいのは、発達障がいのある人が上手く対応できなかったとしても、叱らずに、どうすれば良かったのかを伝え、練習させ、また同じような体験をさせて成功体験へと導いてほしいです。一歩ずつなら着実に成長できます。時間はかかりますが、長い目で指導して頂きたいなと願っております。

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