仲間意識を高める

9月の課外活動で能勢にある冒険の森に行きました。

冒険の森は刺激的で面白く、生徒達は大興奮の活動でした。

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また、その後に行った「るり渓温泉」では、ゆったりできてリラックスも出来ました。

動と静が混ざった今回の活動に、生徒達は楽しめたようです。

生徒達からしたら、単純に楽しむという活動だったかもしれませんが、実は私は別のねらいを持って活動していました。

仲間意識とは

仲間意識とは、行動を共にする集団の人達が互いに持つ仲間としての連帯感。

その仲間意識というのは、学生であろうと社会人であろうと求められるため、社会生活を送る上で欠かせない部分でもあります。

仲間意識というのは多かれ少なかれ人には持ち合わせていますが、仲間意識が希薄なタイプもいます。

今回活動に参加した生徒の中にも仲間意識が希薄なタイプがおり、友人がなかなか出来なくて凹んでいます。

そんな生徒にどうにかして仲間意識を芽生えさせ、一緒に行動している他の生徒を仲間と感じられるようにしたいと思い、今回の活動を企画しました。

仲間意識が強い人と活動する

仲間意識が希薄な人には、仲間意識が強い人と行動することで仲間意識が芽生えやすくなります。

そこで、仲間意識が強い生徒達と活動を一緒にすることにしました。

仲間意識が希薄なA君はASD(自閉症スペクトラム障害)で、他の生徒達も同じくASD(傾向含む)のある子供です。

ASDの人は仲間意識が希薄だと言い切る人を見かけたことがありますが、生徒達を見るとそれは嘘だと思わざるを得ません。

仲間意識が強いといっても、ガツガツいくタイプではないので、A君にウザイと思われにくい生徒達です。

仲間意識が強い生徒達は言語面が少し低いということもあり、会話は成立しますが流暢というわけではないので、会話が途切れ途切れになってしまいます。

その部分を補完するために何か媒体が必要で、その媒体が今回は冒険の森でした。

仲間意識がない人はいない

冒険の森は難易度の高いアスレチックで、運動能力が高いA君にとってはうってつけです。

そういう出来ることをしている時、刺激的なことをしている時というのは高揚状態になるので、普段は心の壁をつくっていても心がオープン状態になりやすくなります。それを期待して、活動を見守りました。

活動開始時は生徒同士で会話というのはほとんどなく、私を経由しての会話が多かったです。

アスレチックはしていく内に、生徒達は興奮状態になりました。

すると、生徒達は大声で独り言を言うようになり、次第に生徒同士で言葉を交わし始めました。

「めっちゃ怖いやん!」「怖いやろ~!」といった刺激的なアスレチックに共感し合う発言は、心地良い会話のように聞こえました。

会話のやり取りも徐々に変化が起き、「そこしっかり持ちや!」「分かった」といった、アスレチックから人へと関心が移り始めました。

A君の目線も変化が起き、最初はアスレチックだけだったのが、人の顔を見るようになりました。

仲間意識が希薄だと思われていたA君は、実は仲間意識があったということが見ていて分かりました。

仲間意識が無いと言われる人は世の中にたくさんいると思いますが、実は仲間意識を持つキッカケが無かったり、仲間意識を持つアプローチ方法や環境がその人に合ってないだけであって、仲間意識が無い人はいないと私は確信しています。

活動を終えた生徒達は仲間意識が芽生えたようで、私がいない状態でもしばらく楽しく会話をしていました。

そう「しばらく・・・です」。

本当の意味で仲間意識を高めるには

るり渓温泉でプールに入り、温泉でまったり過ごすと興奮状態が収まってきました。

すると、A君は他の生徒達を意識するが仲間意識というのが徐々に薄れてきて、積極的な会話も減っていきました。

A君の態度も若干よそよそしくなりだしたのには驚きました。

まるでアスレチックという魔法が解けたかのようです。これがA君が抱える難しさなのでしょう。

しかし、仲間意識が芽生えたのは間違いなく、A君とその他の生徒達の関係性は少し前進したようです。

というのも、帰り際の車内で生徒同士で会話をしていたからです。

本当の意味で仲間意識を高めるには、まだ時間がかかると思いますし、一緒に活動する機会をもっとたくさん作る必要があります。

そしてなんと言っても、お互いを本気で助け合わなければいけない状況(環境)を作ることが重要です。

その機会と環境を設定するのは私の仕事なので、また考えていきたいと思います。

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