先が読めない宿泊活動~思いつきを叶える理由とは?~

旅は寄り道してなんぼと思っているひだち教室長の安藤です。

就労移行支援で日々頑張っているG君。

久しぶりに私と共に遠出をすることになりました。

今回は長島スパーランドと周辺の観光地巡りがメインです。

そのはずでした。

今回は思いつきによる行動がどのような結末を迎え、学んだかをお話しします。

思いつきに振り回された宿泊活動

ある日、G君は大きなプールに行きたいと私に要求してきました。

さらに、車内泊もしたいとのこと。

私は生徒の希望は出来るだけ叶えたいので、希望を叶えることにしました。

どこのプールに行き、どこで車中泊をするかなどを念入りに調べて計画しました。

活動当日。

私とG君は京都の駅で合流し、一般道を使って三重県に向かいます。

その道中、美味しそうなうどん屋があったので寄りました。

かつ丼も人気だったので、私は思わず注文。

食べると絶妙な味付けで、大満足な昼食となりました。

うどんしか注文しなかったG君は、そんな私の様子をじっと見てきました。

G君:「またこの店に来たい」「リベンジする」。

よっぽど羨ましく思ったようですね。

実はその後、私はかつ丼を注文したことを後悔します。

長島スパーランドは人が多かった。

でも、敷地が広すぎるので窮屈感はありません。

プールも大盛況で、人でごった返していました。

※プール内は撮影できないので、プール内の画像はありません。

関西随一の巨大なプールには、数種類のウォータースライダーがありました。

G君はウォータースライダー初体験。

スライダーの高さにビビッていましたが、見事滑り降りることができました。

G君:「目に(水が)入って痛いけど、面白かった」

プチ成功体験になったようです。

その後も、ファミリー向けのスライダーを滑って楽しみました。

プールを楽しんだ後は、車内泊をする所に向かう予定でした。

ところが、G君は待ったをかけてきました。

車内泊では、車のエンジンを止めて寝るということを知ったため。

G君は夜の暑さを心配したのではなく、携帯を充電できないことを危惧したのです。

そこで、急きょ宿をとることになりました。

まさかの名古屋宿泊!その理由とは?

G君が提案してきた宿泊地は名古屋。

長島スパーランドから車で1時間の距離です。

その地を選んだ理由は、「味噌カツを食べたいから」とのこと。

私は昼間かつ丼を食べているので、まさかの展開に驚きました。

私はかつ丼を食べた事を後悔しながら味噌カツ丼を食べました。

でも、G君が味噌カツ丼を美味しそうに食べているのを見ると、良かったとも思えました。

宿はカプセルホテル。

外観はお世辞にも綺麗とは言い難いですが、カプセル自体は凄く綺麗でした。

カプセルホテルで携帯を充電できて大満足のG君。

それほど、G君にとっては携帯の充電は死活問題なようです。

予想外の出費が重なって、G君の予算はオーバー。

私が立て替えることになったのですが、条件をつけました。

朝食、昼食はそれぞれ300円以内で探すこと。

私としてはおにぎり程度を想定していたのですが、G君は凄いのを発見しました。

松屋のモーニングは、300円以内でお腹いっぱいに食べられるのです。

G君はとても喜びました。

3回連続で食事が丼ものになった私は、内心複雑でした。

二日目は名古屋港水族館に行って楽しみました。

イルカの餌やりを間近に観れたり、イルカショーなんかも観ることができました。

全体の活動を振り返ると、G君はしっかりと楽しんでいました。

しかし、G君は「リベンジをしたい」と言い出しました。

リベンジというのは、全く同じ行程で問題なく過ごすという事。

G君の中では納得いかない部分があったようです。

実は私は予測していました。

そしてそれがG君の思いつきを叶えた理由でもあります。

思いつきを叶えた理由とは?

G君は失敗体験で終わるのが許せない性格。

それは一種のこだわりの領域にまで達しています。

私はそれを活用することで、G君の行動や価値観に変化が生じると思っています。

G君の名古屋に行くという突然の思いつきは、必ず何かしらの失敗が起きる。

私はそう踏んで、G君の思いつきを叶えることにしました。

予想通りG君は失敗体験をし、同時に学ぶことができました。

・お金が足りなくなる→予算を考えた上の行動の必要性

・熱中症の症状が出る→水分補給の大切さ

G君は「名古屋で泊まる」と言い出した時は、残りの予算に全く無関心でした。

しかし、お金が足りなくなるということに直面して初めて、関心を持つようになりました。

この失敗経験は次の活動で活かされ、予算を意識して活動に取り組んでいました。

熱中症の症状は私としても予想外でした。

移動は車、観光も冷房の効いた水族館だったので大丈夫と思っていました。

ただ今にして思えば、G君は水分を摂取する回数が少なかった。

G君は嘔吐が激しかったので、急きょ私の自宅で泊まることになりました。

随分心配しましたが、G君は休むとすっかり元気になり、出された夕飯は完食。

その後、私は熱中症を防ぐために定期的な水分補給の大切さをG君に教えました。

しんどさを身をもって知ったG君は、しっかりと聞く耳をもっていました。

思いつきの行動は失敗体験になりやすい。

しかし、学びのチャンスでもあります。

学んだことを成功体験に繋げれば、人は大きく成長します。

だから私は思いつきの行動も大切にしたいと思っています。

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