発達障害者が仕事を続けるためのヒント~車の見張り番編~

家庭内での掃除力はどんな仕事にも役立つと思っているひだち教室長の安藤です。

ひだち教室のレッスンの一つに、生徒と一緒にバイトをするというのがあります。

色々な現場で共に働くことで、こういう仕事してたら、生徒はこういう反応をするんだ。

という場面も沢山見てきました。

前回は、ゲーム制作でのお話しをしました。

>>>ゲーム制作編の記事

今回は、車の見張り番をした時のお話しです。

見聞きした情報から考察

今回お話しする車の見張り番は、生徒とは一緒に働いていません。

私が経験した情報を踏まえて、下記のことを書こうと思います。

・どんな困難が予想されるか

・どうすれば続けられるかを推測

お子様の将来の参考になると良いなと願っています。

※私の体験談と個人的な見解です。

※私が見た現場の話です。違ったシステムやルールの現場もあると思います。

※ASD、ADHD、LDといっても、タイプは様々なので、全ての人に該当するわけではありません。

車の見張り番というお仕事

本来なら貯水タンクの清掃or清掃のサポートという予定でした。

ところが、車の見張り番を言われました。

狭い道路に会社の車を止めざるをえなくなった。

いわゆる路駐というやつですね。

そのため、交通整理をする人が必要になったからです。

ヘルメットをかぶり、誘導灯を持って準備完了。

会社の車の横を通る車や自転車に会釈しながら誘導灯を振り続けました。

とはいえ、通る車が少ないので、立つだけの時間が長かったです。

予想される困難

【ASDの場合】

頻繁に車が通るところなら集中できると思います。

しかし、今回行った現場のように車があまり通らない所だと集中力を保つのは難しい。

また、動きある物(例:蟻の行動)に目が移ってしまい、過集中してしまう可能性がある。

いつの間にか車や自転車が通り過ぎてしまうということが起きると思います。

【ADHD場合】

ADHDでも特に多動の強いHDDタイプは、車の見守りはかなり苦痛だと思います。

動ける範囲が狭いだけでなく動かなければいけない機会も少ない。

ひたすら車の周りをソワソワと落ち着きなく動き回るでしょう。

はたから見たらあまりにも無駄に動き回って見えます。

ちゃんと仕事をしていないと思われて評価を落としかねません。

続けるために必要なこと

車の見張りに関しては、専門的な知識はいりません。

では、何が必要か?

言語性、社会性、環境から考えてみたいと思います。

言語性

【状況を説明できる】

仕事中に、知らない方々から質問を何度か受けました。

・他の従業員はどこにいるか?

・何時までその作業をするのか?

・何階の貯水タンクを清掃しているか?

簡単で良いので、状況を説明できるというスキルは必要です。

それ以外は他人と話す機会がありませんでした。

最低限の伝えるスキルさえあれば出来る仕事なので、話すのが苦手な人に適していると思います。

社会性

【挨拶ができる】

社会人としては基本ですが、意外とできない方がいます。

挨拶をすることに慣れていないと、大きな声で言えなかったりします。

小さい内からクセづけたいですね。

【分からないことを自ら聞ける】

清掃の進捗状況というのは外からでは分かりません。

でも、そんなことをお構いなしに、知らない人は私に進捗状況を聞いてきます。

そんな時は、

「分からないので、確認してきます」

自らスタッフに進捗状況を聞きに行くという姿勢が大事ですね。

どんな仕事もそうですが、人に質問するというスキルと物おじしない態度は大切です。

【「ありがとう」を言える】

飴や唐揚げ、水を頂く機会がありました。

そういう時にさりげなく感謝の言葉を言えるのは大切。

小声にならないよう、慣れておきたいものです。

【趣味を持っている】

移動時間や休憩時間に仕事の話はあまりありませんでした。

代わりに、好きなテレビ番組や音楽等の趣味について質問を受けました。

趣味を持っていないと会話が弾まず、微妙な空気が流れてしまいます。

コミュニケーションを円滑にするために。

そして、少しでもその場にいやすくするためにも、何かしらの趣味を持くと良いです。

【時事ネタを知っている】

コミュニケーションを円滑にするには、会話のネタとなる情報が必要。

ニュース等から世の中の事を知っておくと、会話が成立しやすくなります。

相手が関心を持っていることに関心を持つ

休憩時間や待機時間が長いと、話すことがなくなり、静かになってしまいます。

そんな時は、相手が関心を持っていることに関心を持つと、少しは沈黙が解消されます。

また、相手が関心あることに触れることで、心の距離感が近くなります。

その後のスタッフの反応が全く変わるので、やってみることを推奨します。

環境と能力

【立ち続けるための工夫】

何もせず立ち続けるのが大丈夫なタイプは問題ありません。

ADHDのように動き回ってしまうタイプの場合は苦行です。

激しく動けないので、多動をどう発散させるかの工夫が必要でしょう。

例えば、突起のついたボールを持参する。

ボールをポケットに忍ばせて、動きたくなったらボールをニギニギして落ち着かせる。

普通のボールだと地面に叩きつけて遊ぶので、突起付きが良いと思います。

【優先順位を決めておく】

車の見張り番は簡単で、特別な知識も必要ない。

ただ、一つだけ困ったことがありました。

車が前後から同時に来た時です。

どちらの車を止めて、どちらを先に行かせるか。

優先順位を自分の中で決めておかないと困ります。

発達障害のある人は優先順位を瞬時に決めるのが苦手です。

でも、事前に自分の中で優先順位を決めておくと問題ありません。

自分にとってやりやすい環境を整える(パターンを決める)力が必要でしょう。

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