京都精華大学展2020

芸術とは程遠い人間にとって、京都精華大学は未知の領域。

マンガ学部があることで有名ということぐらいしか知りません。

しかし、発達障害のある子供と関わっていると、芸術関係に興味を持つ人も少なくないので、一度は行ってみたいと思っていました。

そんな折、卒展が開催されていることを知ったので行ってきました。

京都精華大学の卒業・修了発表展情報

警備棟から本館まで距離があるのに、窓に貼られた京都精華大学展の文字が遠くからでも読めました。

本館前に設置された受付のテーブルには学生が立っていて、卒展の案内を配布していました。

軽く会釈してから案内を受け取り、さっそく中へ。

※芸術のことはよく分かりませんので、詳しいことは書けません。個人的な感想を列挙するだけになりますので、ご了承ください。

本館ではマンガ学部の学生による作品が展示されていました。

絵のレベルは特別に高いとは思いませんでしたが、表現が斬新なものもあり、面白かったです。

観覧者は学生が多いですが、時折保護者と思われる人もチラホラといました。

本館から光彩館へ向かう途中、謎のオブジェが階段に設置されていました。

ガラクタの上に遠吠えしている狼の像。一体何を表現しているのか・・・。

こういうのを見ると、美大に来たのを実感します。

校内を歩いていると、捨てられた作品が所々で見かけました。

もともとはどんな作品だったのか気になります。

どこか寂し気ではありますが、これも美大ならではの光景ですね。

子供ウケしそうな作品

糸(?)を紡いで作られた鳥達が羽ばたく様子の作品。

鳥好きなら食い入るように観てしまいます。

こんなに大きな物を手作業でやったのなら、気が遠くなるような作業だったことでしょう。

建物に入ると、ロビーに小人の家のようなものがドンと展示されています。

見た目が可愛く、間違いなく子供は小屋の中に入ります。

作品なので、保護者は内心ハラハラしながら喜ぶ我が子を見守っていたことでしょう。

これは龍とすぐに分かる作品。

観た瞬間カッコイイと思えるので、子供からの評価は高いでしょう。

身体が描かれていない部分は、観覧者自身で想像して一匹の龍を完成させます。

私は仕事柄、欠所補完の問題プリントを思い出してしまいました。

淡い色彩のクワガタ達。

淡い色のせいか、儚さを感じる作品。

虫好きなら歩みを止めて観覧してしまいます。

3Dプリンターで作られた飛行機。

昔課外活動で、3Dプリンターを使って小さな猫の形をしたランプを作ったことがありますが、それとら規模も質も違います。

おそらく子供が観たら一番喜ぶ作品なのではないでしょうか。

こういう作品を観ると、自分も作れるようになりたいと思いますね。

どの世代も、剣は男の心を揺さぶります。

柄がヨーロッパというより、オセアニアの人達が好みそうな柄をしています。

触れてはいけませんが、持って振り回したくなりました。

テレビで放送されそうなしっかりとしたアニメもありました。

学生の内に、こんなにも技術が身に着くのかと驚きです。

子供ウケよりも女性ウケする作品。

女の子なら間違いなく食い入ることでしょう。

ここまでピンクピンクしていると、逆に清々しいです。

一般ウケはしないでしょうが、一定の人達からは高い支持を得られそうです。

魔法少女をコンセプトにした作品。

4種類ほど描かれていて、友達と来たら誰推しかという論争になるでしょう。

この作者はどこかの雑誌に使われそうな力を既に持っていると思います。

良くも悪くも不気味な作品

迫ってくる鬼は迫力があり、幼児が見たら泣くでしょう。

鬼の後ろにある別の手は鬼を掴まえようとしているのか、一緒になって観る者を襲おうとしているのか、色々と想像できますね。

何を表現しているのか、私にはさっぱり分かりません。

しかし、その作品を前にジッと観ている人がいました。

作品よりもその人はどういうことを感じ、何を考えているのかが気になります。

美術の教科書で見たことがあるような作品。

有名なオジサンではありませんが、何故か親近感を感じました。

駅のホームに動物と人間が一緒にいます。

画風のせいで不気味な感じに見えますが、もっと明るくすれば印象もガラっと変わるでしょう。

真っ白な室内に、宇宙服のような服を着こんだ人形が3体。

不気味ですが、印象が強く残る作品なので、芸術としては良いのでしょう。

ただ、生で見ると本当に不気味で、夢に出てきそうです。

じっくり観たくない作品。

パッと観る分にはそうでもないのですが、よくよく観るとグロテスクな作品。

若干やりすぎ感がありますが、芸術に制限はない(多分)ので、ありと言えばありです。

お気に入りの作品

観覧車と言えばもっと明るい感じですが、あえて暗い感じに描かれています。

そのせいで妙な不気味さの中に新鮮さを感じました。

家に飾りたくはないが、嫌いではない。個人的にそういう作品です。

素人目からもこれぞ芸術と思える作品。

実際見て描いたのなら、相当な観察力だと思います。

アニメの背景なんかを描かせたら、素晴らしい出来栄えになりそう。

立体的な作品で、観た瞬間ラピュタを思い出しました。

こういう作品は何故かワクワクさせられます。

階段の踊り場周辺にちょこんと置かれていた作品。

単純にカワイイというだけで、これといった特徴がありません。

しかし、他の作品があまりにも個性が強いので、逆に個性の強い作品になっています。

それを分かってやっているなら、相当な知恵者です。

日常の風景を描いた作品。

現実では古びた倉庫で決して綺麗とは思わないでしょう。

それなのに、温かみを感じる作品になっている。素晴らしいです。

作者は何気ない風景が美しいと思える感性を持ち合わせた人間のような気がします。

ブラックライトを当てると、黄緑色の明かりが窓から漏れ出します。

中世ヨーロッパのような建物もあいまって、幻想的でいつまでも観ていられます。

影絵好きとしては、欲しいと心から思えた作品でした。

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