発達障がいの子どもに自己決定力を!

1月20日の朝日新聞に、発達障がいについての記事が掲載されていました。

「自己決定する力」という実に興味深い記事だったので、自己決定について触れたいと思います。

発達障がいのある子どもをどう育てるか

明石洋子さんが自らの体験を踏まえ、発達障がいの子どもを育てている人を応援する「思いを育てる、自立を助ける」という本を出されました。

子どもを育てるにあたり、重要なキーワードとして「自己決定する力」が挙げられていました。これは当教室の目標にも掲げており、共感しました。

記事には、自己決定できるようにするために、選択肢を設け、選んでもらうことを繰り返した。そうすることで本人の「思い」を育ててきたことで、自ら目標を設定できるようになったと書かれていました。まさに私が目指す道です。

自己決定できる力を育てるのは簡単ではない

自己決定なんてうちの子どもは簡単に出来ると思われる保護者は多いと思います。特に子どもが小さい内は。しかし、年齢を重ねていく内に難しくなります。

それは何故か。私がよく聞く原因を紹介します。

保護者が先にやってしまう

発達障がいの子どもは思考から行動に移すまでに時間を要することがあります。そのため、保護者は待てずに保護者が何でも決めてしまい、子どもは自己決定する経験が減り、自己決定しなくなります。そうなると、肝心な時に決めて欲しくても、「なんでもいい」と子どもは言うようになります。

拒否され続ける

子どもが小さい内は自分で何でも決定していたが、小学校に上がってからは出来なくなったという話をよく聞きます。集団生活では自分が決定しても拒否されることは多々あります。その頻度が多過ぎると心がくじかれ、自己決定することが怖くなり、自己決定することができなくなります。

言われた通りにしないと怒られる

発達障がいの子どもは特性故の行動や言動により、健常の子どもよりも怒られる頻度は多いです。そのため、子どもは二極化していきます。とことん反発するか、従順になるか。

反発するということは、問題もありますが、自己決定する力と言う観点はOKです。しかし、従順のタイプは、親に言われた通りにすれば良い、無駄に怒られないからこれでいいやという思考に陥り、自己決定する力が無くなっていきます。

自己決定する力は環境によってとても左右されます。自己決定できるようになったと思ったら、何かが原因で出来なくなることもあります。出来るようになることを目標にするよりも、その先のどうやったら自己決定力を維持できるかを最終目標にしていく方が良いのではないでしょうか?

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