大学の学園祭と発達障害~発達障害のある子供が楽しめる方法~
学園祭はそこそこ楽しめるタイプのひだち教室長の安藤です。
前回は、発達障害のある子供が大学を楽しめない理由について書きました。
今回は、発達障害のある子供が学園祭を楽しめる方法について書きます。
Contents
京都精華大学の学園祭に参加した理由
京都精華大学は、日本で唯一のマンガ学部があります。
そういった特徴のある大学には、特徴のある人々が集まる。
だから、面白い物や催しが行われると予想しました。
・ゲームやマンガといったものが好きな生徒が多い
・自分の好みを肯定的に捉えられるようになる
・世の中には色んな趣味を持った人がいることを知る
・知らない世界を知る
・興味関心が拡がる
こういった理由やねらいを設定できたので、京都精華大学に参加しました。
発達障害のある子供が学園祭を楽しめる方法
生徒達の反応は2種類に分かれると、私は事前に予想していました。
ポジティブとネガティブな予想をです。
いざ活動をすると、予想通り2種類の反応を示しました。
同じ発達障害があるのに、どうして人によって反応が違うのか?
これまでは分かりませんでした。
今回、京都精華大学の学園祭に参加したことで、その理由が分かりました。
※これ以降の文は、京都精華大学のやり方を批難するものではありません。
生徒達の様子から考察したものです。
事前にHPを確認する
当日に配られるチラシには、店の名前だけが書いてありました。
しかし、学園祭のHPには画像付きで店が紹介されています。
どんな物が売られ、どういうことができるのか?
見て理解しやすかったです。
事前にHPを見ていれば、ASDの生徒の困り感はだいぶ違ったと思います。
誰かとマンツーマンで行動する
初めての場所、初めてのイベント。
不安が強いタイプにとっては、きついです。
1人で行動となると、尚更不安が強まります。
そういう所には、誰かと一緒にいくと、不安はだいぶ和らぎます。
誰かというのは、親、友人、先生、ガイドヘルパーといった人が挙げられます。
そして、マンツーマンが理想。
何故なら、マイペースで行動できるから。
ASDの人にはとても大事な要素です。
目的の明確化
学園祭を楽しめた派と楽しめない派には、大きな違いがあります。
それは、目的の明確化。
私の提案により、目的がサバゲーに絞れた生徒達は全員楽しめました。
逆に、1人行動した生徒は目的が曖昧になってしまい、楽しめませんでした。
楽しめる店は沢山あるのだから、自分で目的を設定すれば良いのでは?
そう考える人は多いと思います。
ASDの特性上、それは意外と難しい。
・イメージしにくいから目的を設定しにくい
・「とりあえず、ここに行ってみよう」という一歩を踏み出す力が弱い
だから、同行者が視覚情報を提示したり、目的を提案するというのは必要です。
制限が行動範囲を拡げる
目的を明確化することは、ある意味行動範囲に制限がかかるとも言えます。
「制限がかかり、自由に行動できないなんて可哀そう」
そんな声もあるかもしれません。
違います。
ASDがある人には、まずは行動範囲を制限することが大事なんです。
行動範囲を制限することで、行動範囲が拡がっていくのです。
目的のものを体験したりすると、自分のゾーンが形成されます。
ゾーンとは、安心できる場所、知っている場所のこと。
ゾーンが形成されることでどんな効果があるか?
・視野が広がる
・興味のアンテナを張るようになる
・チャレンジ精神がわいてくる
・次の一歩を踏み出す勇気が出やすくなる
ドラクエやFFといったRPGをやったことがある人はイメージしやすいと思います。
レベルを上げる時、町の周辺でやりませんか?
レベルが上がるまでは、体力が回復できる町の近くで戦う。
少し強くなったら、少し行動範囲を拡げて探索する。
レベルがある程度上がると、勇気を出して次の目的地へ向かう。
それと同じ状況です。
現実世界ではレベルが見えません。
でも、自分のゾーンが形成されると、行動や表情に確かな変化が見られます。
また、言葉がけに対する反応にもポジティブな変化が見られますよ。
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