理解力を高める方法
今回は理解力が低い子供が短い文を聞いて、どういう間違いをするのか、理解力を高める方法についてお話したいと思います。
Contents
理解力が乏しい子供の特徴
幼児期において理解力が低いと感じる子供は以下のような特徴があります。
・話している人とは違う所に視線が向いている。
・話しをしている人に視線は向けているけど、話しに意識が向いていない。
・よく動く。
よく間違う文章の紹介
理解力が低い子供達に短い文でたずねた時に、どういう間違いをするか、私の考察も含めて紹介します。
オリジナル教材の一つで、全部で60問ほどあります。問題も質問も先生が口頭で伝え、生徒に答えてもらいます。短い文とはいえ、生徒の耳が短い文に慣れていないこともあるので、問題や質問をする時はゆっくりと言います。
写真には全部で3問載っていますが、生徒にやってみるとどれが一番正答率が悪いと思いますか?
実は1問目なのです。簡単そうに見えますが、理解力が低い子供にとっては難しい部類の問題のようです。
問1の間違いパターン
間違うパターンは全部で3種類あります。
状況説明文と問題文の違いが分かっていない
指導者「白い花が咲きました。何色の花が咲きましたか?」→生徒「白い花が咲きました」
一見正解と感じますが、単なる復唱にすぎません。正解は『白色』だけです。
ここをピンポイントで答えられるか、答えられないかで、言葉の理解力が違います。逆にここが答えられるようになると、子供に変化が出てきます。
問題の意味が分かっていない
指導者「白い花が咲きました。何色の花が咲きましたか?」→生徒「白色だから、ウサギ!」
白色に反応し過ぎて、最後まで聞けていない。もしくは質問の意味を理解していないと思われます。
理解力がないわけではない
指導者「白い花が咲きました。何色の花が咲きましたか?」→生徒「赤色!」
花=赤色という図式が生徒の中にあると、こう答えることが多いです。ASDの子供からよく聞く回答です。
問2の間違いパターン
大人にとっては関連性がないと思っても、子供にとっては関連性があると信じている回答があります。
状況説明文と問題文の違いが分かっていない
指導者「ゾウの写真を撮りました。何の写真を撮りましたか?」→生徒「何の写真を撮りましたか」
これは不思議なのですが、問1の場合は説明文をそのまま言うのに、問2は問題文をそのまま言うことが非常に多いです。
これは推測ですが、「何の」の意味が分からないため、とりあえず「何の」の文を言ったら良いという風に考えるのかもしれません。
ASDの診断が下りている子供に多い回答
指導者「ゾウの写真を撮りました。何の写真を撮りましたか?」→生徒「ライオン」
ゾウ→動物→好きな動物→ライオンという流れで思考した結果、「ライオン」と答えるのかもしれません。
間違いと伝えると、納得できず怒り出す子供もいました。
問題の意味が分かっていない
指導者「ゾウの写真を撮りました。何の写真を撮りましたか?」→生徒「動物園」
ゾウ=動物園という図式があると、こう答えることが多いです。
問3の間違いパターン
他2つの問題とは違う間違いパターンが出てきます。
誰が分かっていない
指導者「お母さんはハンカチを買いました。誰がハンカチを買いましたか?」→生徒「ハンカチ」
『誰』の意味が分かっていない場合はよく間違います。しかし、子どもの中では「お母さん」と「ハンカチ」の2択になるようで、偶然正解するケースもよくあります。
習慣による間違い
指導者「お母さんはハンカチを買いました。誰がハンカチを買いましたか?」→生徒「ママ」
答えとしては正解なのですが、これは聞くトレーニングの一つなので、聞いた通り「お母さん」と言うまでは正解にしません。
理解力を高めるには
言葉のトレーニングの流れや内容についてはこちらのブログに書いていますので、一読してみてください。https://hidachi.net/about/kotobagaosoi.html
今回紹介しました教材は、正解していくことも大切ですが、なにより質問に対して正確に答えられたという成功体験を積んでもらうためのツールとして活用すべきだと考えています。
成功体験として積むには、親や指導者の「おっ!!」「やった~!!」といった大げさな反応が大切です。その反応が理解力が高まる大きな要素となります。
因みに、抑揚のない反応で指導すると、なかなか正解できなくなりますので、お気を付けください。
理解力が高まったことによる子供の変化については、こちらの記事に書いています。https://hidachi.net/about/otitukanai.html
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