テスト(検査)では見えない認知特性

アセスメントをとる際、子供の認知特性、普段の様子、得意・不得意等を聞くのですが、いざレッスンを始めると聞いた通りのこともあれば、そうでないことがあります。

特に外での活動の時、「あれ?」っと思うことが度々あります。

今回はそんな話をしたいと思います。

認知特性とは

外からの情報を理解や記憶したり、整理、表出したりする方法のことを言います。

特別支援教育の仕事に携わっていると、視覚優位か聴覚優位かという言葉はよく聞くのですが、厳密にはもっと細かいです。

そしてもっと聞くのが、ASD(自閉症スペクトラム障害)の人は視覚優位が多いと言われていること。

確かにそうなのかもしれませんが、聴覚優位のASDの子供も何人もいました。

視覚優位の子供でも一律化はできず、さらに細分化できます。

文字やマークといった抽象的な物に反応しやすいのか、動物といった具体物に反応しやすいのか等です。

診断よりも勉強法が気になる

認知特性を知るという部分に限って言えば、診断名を知るよりも子供の勉強法を気にするようにしています。

どうやって文字や数字を覚えたか、人に説明をする時にどういう話し方になっているのか。

英単語や漢字は書いて覚えているのか、聞いて覚えているのか、はたまたジッと見て覚えているのか等多岐に渡って分析します。

分析の結果、視覚優位型だと推測しても、同時にそれは本当なのだろうかと疑問に思うようにしています。

当教室では外で活動をすることが多いのですが、活動しながらそういった部分の確認をすることもあります。

視覚優位だが上手く活かされていないケース

ある生徒のレッスン内でのお話です。

生徒が凧あげをしたい(未経験)と言うので、ドン・キホーテに買い物に行くことに。

生徒自身は凧を買うだけと思っていますが、私はソーシャルスキルトレーニングもしようと考えていました。

予想では、社会性の低さから店員に尋ねるという部分で困難さが出てくるかと思っていたのですが、違いました。

それはまた後で説明します。

教室から離れた所に店があるので、自転車を使用。

20分程かけてドンキに到着。そして店内へ。

店内に入ってすぐに床に描かれているマップに目がいきました。

しかし、凧がどのコーナーで売られているか分からず、生徒は長いこと考えました。

そこで私は「凧ってスポーツ用品の所で売っているの?」と訊くと、「それは違うと」と言いました。

生徒はおもちゃコーナー周辺を足で示し、不安そうな表情をしながらもおもちゃコーナーに向かいました。

おもちゃコーナーは子供にとって魅力溢れるところです。思わず好きなおもちゃを見てしまいますね。

誘惑と戦いながらも凧を探し回りましたが、いくら探しても凧は見つかりませんでした。

そういう時はスタッフに尋ねたら良いと教え、それからどういう風に質問したら良いかを確認。

質問の仕方は分かっていました。

「それならスタッフを探さないとね」と私は言ったのですが、実はその時スタッフがすぐ側にいました。

すぐ質問できる環境化にあったのですが、生徒は一目散にレジの所に向かいました。

すぐ側にいた人はスタッフに気が付かなかったのだろうか?と、私は少し不思議に思いました。

レジを打っているスタッフは他のお客さんの対応で忙しかったので、他のスタッフを探そうと提案しました。

すると、「どれがスタッフなのか分からない」と言ってきたのです。

つまり、すぐ側にいたスタッフに気が付かなかったのではなく、そもそもスタッフという認識がなかった。

でも、レジを打っている人がスタッフという認識はあったようです。

スタッフの見分け方として、服に特徴があると伝えました。

私「レジのスタッフが着てる服はどんな特徴がある?」

生徒「マークがついている」

私「他には?」

生徒「・・・・?」

ドンキの制服は黄色と黒色という分かりやすい特徴があるのですが、そこには意識がいっていなかったのです。

これは視覚優位型の落とし穴と呼べるものかもしれません。

ピンポイントで物事を見てしまうタイプだと、視覚優位という利点を上手く活かせないのです。

経験上、認知特性を変えることは難しいですが、上手く活かせていないのを上手く活かせるようにするのは、その子に合った指導と体験、環境調整で改善されます。

物の見方やどこを意識すれば良いのかというのを教え、外で経験を積む(成功体験)ことで、認知特性を上手く発揮できるように指導していきたいと思います。

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