サイコロの旅~実はこんなことがありました後編~
サイコロの旅が好きなひだち教室長の安藤です。
「サイコロの旅は面白かった」
生徒達はそのような感想を言っていました。
確かに生徒達は楽しんでいました。
でも、私はただ楽しいだけでは活動をしません。
ねらいを持って活動をし、それが生徒達の糧になるよう働きかけもしました。
前回はサイコロの旅前編をお話ししました。
>>>サイコロの旅前編
今回は後編です。
サイコロの旅をする意義
前編にも書きましたが、再度ねらいを記述します。
サイコロの旅は非日常な活動ですが、同時に日常的な活動と言えます。
求められる知識やスキル等は日常生活で頻繁に使うからです。
サイコロの旅をするにあたって、私は下記のねらいを設定しました。
・知らない世界に触れる
・社会性を養う(例:折り合いをつける)
・調べるスキルを養う
・違う視点から物事を考えることを知る
・勇気を出して行動をする力を養う
・「ま、いいか」精神を身に着ける
・共感力を高める
長い付き合いのE君とF君は、上記のいくつかはクリアしています。
しかし、付き合いの短いL君は全て難しさがあります。
L君は今回の活動で色々と困り感や苦労が発生すると予想。
そして、その予想が的中した活動となりました。
初めての場は不安が強くなる
E君とF君は宿泊活動。
L君は翌日にバイトがあるということで、途中で解散する予定。
スーパー銭湯で入浴したL君は、1人で最寄りの駅へ向かうことになりました。
ところが、不安な様子を見せるL君。
初めての場所なため、1人で駅に向かうことが出来ないとのこと。
ASD特有の不安が出ているようですね。
ASDの人は1人で出来る能力があっても、不安によって出来なくなることはあります。
本来なら私は生徒を勇気づけて1人で向かわせるのですが、まだその段階に来てないと判断。
寄り添いを重視して、一緒に最寄り駅まで行きました。
その間、L君は安心した表情をしていたのが印象的。
もっと強い信頼関係を構築したら、背中を押していきたいですね。
ニョッキの食べ過ぎにご用心
夕飯はイタリア料理。
スーパー銭湯から一番近いお店を探すと、八尾駅にありました。
生徒達は定番のパスタ料理を注文。
私はニョッキを注文しました。
ニョッキとは、ジャガイモと小麦粉を団子状にしたパスタ料理。
私は食べた事がないので、楽しみです。
ニョッキと聞いたF君は、少し怪訝そうな顔をしました。
F君:「ニョッキはキツイですよ」
その時私は「はい?」と思いましたが、数時間後に彼の言葉を理解しました。
ニョッキ料理はとても美味しかったです。
しかし、食べているとすぐに飽きがきました。
F君が言っていたのはこれかと思いましたが、違います。
数時間後、私は猛烈な腹痛に襲われ出しました。
どうやら大量に食べたニョッキが、お腹の中で膨れてきたようです。
お腹がパンパンになるのを実感できるほど。
皆さまは、ニョッキの大量摂取にはお気を付けください。
人生初体験のネットカフェは最高!!
E君とF君共に人生初のネットカフェ。
生徒達はどういう所かをなんとなく理解していましたが、詳細は分かりません。
店内に入ると、生徒達は不思議な空間に驚いていました。
落ち着きなく店内を見渡す生徒達。
そこでE君はカラオケがあることに気が付きました。
E君:「俺、カラオケしてくるわ」
1人カラオケが趣味のE君の目は輝いていました。
F君はパソコンを使う予定とのこと。
E君は個室ブースに荷物を置くと、意気揚々にカラオケルームへ。
私はF君の隣のブースで、漫画を読んで過ごしていました。
しばらくすると、隣からカチカチとパソコンを叩く音が聞こえてきました。
同時に、何やらブツブツと声も聞こえてきました。
一体何を言っていたのか気になりますが、あえて聞きませんでした。
翌朝6時になり、会計を済ませて店を出ました。
久しぶりに生徒達の顔を見ましたが、実に表情は晴れやかでした。
E君:「3時ぐらいまでカラオケをしちゃいました(笑)」
F君:「パソコンをずっといじってました」
E君:「ネットカフェ最高ですね!」
F君:「初めて利用したけど、なかなか良かったです!」
E君とF君:「ネットカフェに泊まるのは全然アリですね」
二人の表情を見ると、忖度なしの感想だなと分かりました。
新しい世界を知ることができて良かったです!
青春していると実感できた時間
最後に向かった観光地は、神戸。
神戸ハーバーランド公園をゴールに設定。
一時迷子になりましたが、私達は無事ゴールにたどり着きました。
私たちは近くにあったベンチに座り、一息を入れてから反省会開始。
私:「今回のサイコロの旅はどうやった?」
F君:「面白かったですね」
E君:「面白かった。特にネットカフェが良かった!」
F君:「次はもっと広範囲でやってみたいですね」
私:「例えば?」
F君:「四国とか」
E君:「いいね~」
三人で海を眺めながら談笑しました。
今回の活動の話だけでなく、昔の活動の話、未来の活動の話なんかもしました。
夕陽が良い感じに私達を照らし、青春しているなと感じました。
本当に素晴らしいひと時で、私は内心泣きそうでした。
ASDの人は雑談が苦手とよく聞きますが、思い出を共有していたら雑談は出来ます。
この時間、この瞬間は、それを凄く実感できました。
他の生徒達とも、このような青春している雰囲気を味わいたい。
そう強く思いました。
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